2006年8月25日、福岡市の海の中道大橋で、飲酒運転の車に追突された一家の乗用車が博多湾に転落し、幼い子ども3人が犠牲になりました。あの事故から20年、これほどの犠牲を経てもなお飲酒運転はなくなっていません。RKB毎日放送(福岡市)は、報道を通じて飲酒運転の撲滅を目指し、取り組みを続けてきました。事故から20年という節目に改めて「飲酒運転撲滅」を考えるため、飲酒運転関連の報道を担う報道部記者の金子壮太さんに、撲滅への思いを聞きました。
「事故は一瞬で起きますが、その影響は何十年にもわたって続きます」
―このテーマを取材してこられた報道姿勢について教えてください。
金子 私は去年から交通関連の取材を担当しています。去年夏、海の中道事故で亡くなった3人の母親の大沼かおりさんが初めて開いた講演会を取材したことが、このテーマと深く向き合うきっかけになりました。
事故は一瞬で起きますが、その影響は何十年にもわたって続きます。事件や事故を「その日だけのニュース」として終わらせるのではなく、その後も続く人生を伝えることが、報道の役割だと考えています。
―取材の中で特に印象に残っている出来事や言葉はありますか。
金子 「亡くなった子どもたちが生きていた証しを伝えられるのは私しかいない」大沼さんから聞いたこの言葉が強く心に残っています。
事故のことだけではなく、子どもたちがどんな日常を送り、どんな笑顔で生きていたのか。その記憶まで伝え続けようとする姿勢に、取材する側としても、その思いを正確に届けなければならない責任を感じました。
私自身も31歳で一人の子どもを育てる親です。家族の日常がどれほどかけがえのないものかを実感する立場だからこそ、その日常が突然奪われることの重さを、視聴者にも自分ごととして感じてもらえたらと思います。
「飲酒運転は絶対にしてはいけない」という当たり前のことを、自分自身や大切な家族に置き換えて考えるきっかけに
―飲酒運転事故が後を絶たない現状について、報道機関としてどう向き合いますか。
金子 飲酒運転は、防ぐことのできる犯罪です。しかし、時間が経つほど社会の記憶は薄れてしまいます。
私の親族には、母親のおなかにいるときに交通事故に遭い、その影響で脳性まひとなった方がいます。交通事故は、その瞬間だけではなく、本人や家族の人生を長く変えてしまうものだということを身近に感じています。
だからこそ、事故の件数や裁判の結果だけではなく、その先の人生まで伝え続けることが、報道機関の大切な役割だと考えています。
―番組を通じて、特にどのような世代・層に届けたいとお考えですか。
金子 飲酒運転の重大さを知らない若い世代にはもちろんですが、子育て世代にもぜひ見ていただきたいと思っています。
私自身も幼い子どもを育てる中で、何気ない日常がどれほど大切かを実感しています。事故は、被害者本人だけでなく、その家族や周囲の人生も大きく変えてしまいます。
番組を通じて、「飲酒運転は絶対にしてはいけない」という当たり前のことを、自分自身や大切な家族に置き換えて考えるきっかけになればと思っています。

■番組情報
RKBテレビ「タダイマ!」
放送日時:2026年8月25日(火)の番組内
毎週月~金曜 15:40~19:00
URL:https://rkb.jp/tv/tadaima/
RKB毎日放送公式HP https://rkb.jp/company/





