【FBS】海の中道大橋事故から20年 飲酒運転撲滅報道を8月17〜30日に展開 全国放送「NNNドキュメント’26」も

FBS福岡放送(福岡市)は飲酒運転撲滅をテーマに取材、報道を続けています。「STOP!! 飲酒運転キャンペーン」は第49回ギャラクシー賞(2011年度)報道活動部門奨励賞を受賞。また第60回日本民間放送連盟賞(12年)の放送と公共性部門でも優秀賞を受賞しています。海の中道大橋(同市東区)の飲酒運転事故から20年の今年は、8月17日から30日にかけてキャンペーン報道を展開。「NNNドキュメント’26 7人の愛する子どもたちと ―20年前 飲酒運転で奪われた3人の命―」(8月23日放送)を担当した報道部記者の平山翼さんと報道部デスクの尼﨑拓朗さんに、番組制作に込めた思いなどを聞きました。

福岡放送は2006年以降、飲酒運転に関するドキュメンタリー番組を計12作品制作 ©FBS
目次

ドキュメンタリー12作品、ニュース4,000本超

2006年8月25日の海の中道大橋での飲酒運転事故から20年。FBS福岡放送では長年にわたり飲酒運転撲滅の報道を続けてこられました。

尼﨑 2006年以降、飲酒運転撲滅に向けて私たちなりに取り組みを続けてきました。福岡県粕屋町で高校生2人が亡くなった飲酒運転事故(11年)後は、さらに力を入れて発信してきました。被害者遺族の山本美也子さんが活動する認定NPO法人「はぁとスペース」の「STOP!! 飲酒運転」のロゴを番組内で活用するなど、啓発につなげてきました。飲酒運転をテーマにしたドキュメンタリー番組はこれまでに12作品を制作し、飲酒運転関連のニュースVTRは4,482本に上ります(06年8月26日~26年7月31日)。

飲酒運転撲滅を訴える報道とともに「STOP!! 飲酒運転」のロゴを開始当初から継続表示 ©FBS

飲酒運転撲滅キャンペーン報道の一環として「めんたいワイド」内のニュースコーナーで取り扱う企画や特集について教えてください。

尼﨑 20年を振り返り、福岡がどう変わって、何が課題として残っているのかをいろいろな視点から検証します。アルコール依存症対策がソフト面だとすると、ハード面はアルコール・インターロック、さらに厳罰化や福岡県の条例で定められている通報義務など、8月17日から28日まで10回に分けて特集します。

2026年度は「めんたいワイド」内のニュースコーナーで月に1度「飲酒運転ゼロへ」と題した企画や特集を放送中 ©FBS

8月23日には「NNNドキュメント’26 7人の愛する子どもたちと 20年前 飲酒運転で奪われた3人の命」を放送予定です。

尼﨑 ローカルドキュメント番組「目撃者f」で5月に「7人の愛する子どもたちへ ―20年前 海の中道大橋で―」を放送しました。被害者遺族の大沼かおりさんと事故後に生まれた子どもたち、そして亡くなった3人の子どもたちにスポットを当てています。この番組が日本テレビ系の全国枠「NNNドキュメント’26」で採用されることに。55分の内容を30分番組に編集するにあたって、事故について知らない全国の方に向け、ストレートに飲酒運転撲滅を訴える中身にブラッシュアップしています。

8月30日の「目撃者f」では「飲酒運転ゼロへ 20年後の誓い」が発信されます。

尼﨑 期間中にニュースコーナーで展開する特集の論点を整理し、福岡の飲酒運転撲滅に向けた現在地を探る55分間の番組です。現状と対策をはじめ、飲酒運転によって家族の命を奪われた人たちの願い、思い、訴えを伝えていきます。ヒューマンに描く23日の「NNNドキュメント’26」、ロジカルに掘り下げる30日の「目撃者f」という違いで見ていただければと思います。

「メディアの前に立たれた覚悟に向き合いたい」

8月23日放送の「NNNドキュメント’26」を制作したFBS福岡放送の平山翼記者

「目撃者f 7人の愛する子どもたちへ ―20年前 海の中道大橋で―」の中で大沼かおりさんが思いを率直に語る姿が印象的でした。取材で印象に残っている出来事や言葉などはありますか。

平山 昨年、福岡に戻られたことを「19年たったから戻ってきたというよりも、戻ってくるまでに19年かかった」とおっしゃっていました。過去のさまざまな出来事を経た上での言葉に重みを感じました。心に強く残っています。

取材のたびに悲しみを思い起こしながら話してくださることに、自分自身にも葛藤がありましたが、19年たってメディアの前に立たれたことに大きな覚悟を感じました。私たちとしても覚悟を持って真正面から向き合いたいと思いました。

ドキュメンタリー「7人の愛する子どもたちへ ―20年前 海の中道大橋で―」の一場面 ©FBS

大沼さんの家族にも取材をされています。

平山 取材中、娘の愛子さんが母のかおりさんを支える様子を見てきました。予定にはありませんでしたが、話を聞くことができました。「誰よりも暗闇を知っている母だから伝えられる言葉や思いがある。そんな思いが世の中の人に届くといいな」という言葉は、娘さんだからこそ語れるものだと感じました。家族団らんの様子も取材することができ、息子・真寛さんも思いを語ってくれました。

ドキュメンタリー番組内では、事故後に生まれた子どもたちが大沼かおりさん(右端)に寄り添う姿も ©FBS

聞こえてくる「風化」 若い世代に伝える

今回の番組を特に届けたい世代はありますか。

平山 福岡県警が実施したアンケートで10代の約半数、20代の約3割が海の中道大橋の飲酒運転事故を「知らない」という結果が出ています。「風化」の言葉も聞こえてくる中、若い世代に「飲酒運転はダメ」だと伝えたいのはもちろん、飲酒運転に対する福岡県の通報義務についても知ってもらいたいです。

かおりさんが、7人の子どもたちに注ぐ愛情、そしてその愛情を受け取る子どもたちの思いを感じてほしい。飲酒運転撲滅に向けて考えるきっかけにしていただき、その上で家族、隣にいる人、目の前にいる人により優しく振る舞ってもらえたら。命の尊さや自分が生きていることの大切さに気づいてほしいと思っています。

―飲酒運転が後を絶たない現状にどのような思いを持っていますか。

平山 このドキュメンタリーを5月に放送してからも、飲酒運転はなくなっていません。FBSとしても長年取材を続けてきたメンバーとともに、あの手この手で「飲酒運転ゼロ」に向けて伝え続けていくしかありません。今年のキャンペーン報道で、飲酒運転撲滅に向けた機運をさらに高めることができたら、と切に思っています。

今年のキャンペーン報道を通じ「飲酒運転ゼロに向けた機運をワンフェーズ上げられたら」と語る平山記者

■番組情報

「めんたいワイド」 “飲酒運転ゼロへ”企画、特集(計10回)
放送日時:2026年8月17日(月)~28日(金)のニュースコーナー内
毎週月~金曜 15:48~19:00
URL:https://www.fbs.co.jp/mentai/

「NNNドキュメント’26 7人の愛する子どもたちと ―20年前 飲酒運転で奪われた3人の命―」
放送日時:2026年8月23日(日)24:55~
URL:https://www.ntv.co.jp/document/

「目撃者f 飲酒運転ゼロへ 20年後の誓い」
放送日時:2026年8月30日(日)25:25~
URL:https://www.fbs.co.jp/f/


目撃者f  7人の愛する子どもたちへ ―20年前 海の中道大橋で―
※2026年5月放送済み
URL:https://www.fbs.co.jp/movie/f/3xREkm2nrhA

FBS福岡放送公式HP https://www.fbs.co.jp/

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