休日の混雑したフードコートで、まだ3歳の末っ子が食べていると、すぐ隣に席が空くのを待つ女性が。末っ子を急かして片付けを始めた、その瞬間—。女性が取ったまさかの行動に、私は思わず固まってしまいました。
休日のフードコートはどこも満席

家族で大型ショッピングモールへ遊びに行き、フードコートでお昼ご飯を食べたときのことです。
休日だったこともあり、フードコート内は大混雑。空いている席はほとんどありませんでしたが、私たち家族は運よく席を確保でき、5人で昼食を食べていました。
子どもが3人いると食べるスピードはバラバラです。私たち夫婦や上の子たちが食べ終わっても、3歳の末っ子はまだ半分ほどしか食べ終わっていませんでした。5人分の食器もあるので、食べ終わったものから夫が少しずつ返却口へ。
「末っ子が食べ終わったら、すぐ席を空けよう」
周りに席を探している人がたくさんいることは分かっていたので、私たちも少しずつ片付けを進めていました。
「ママ、待っている人いてるよ」

そんなとき、私たちのすぐ隣に30代くらいの女性が立ちました。かなり近い距離だったので、
「きっと私たちの席が空くのを待っているんだろうな」とすぐに分かりました。
「もうごちそうさまする?」
末っ子に声をかけてみましたが、「まだ食べる!」と言って、食事を続けています。もともと食べるのがゆっくりな末っ子。遊び食べをしているわけではありませんでした。
すると、隣に立つ女性に気付いた長男が「ママ!待ってる人いてるよ」と教えてくれました。
「うん、そうだよね」そう答えながら女性を見ると、腕を組んだまま、無表情でこちらを見ています。その様子に、なんとなく「早く空けてほしい」と急かされているような気持ちになりました。もちろん、混雑している以上、席が空くのは当たり前のことです。それでも、すぐ隣で待たれていると、どうしても気になってしまいます。
「早く食べて遊びに行こう!」
私は末っ子に何度か声をかけました。結局、末っ子はまだ少し食べたそうにしていましたが、食事を残して席を立つことに。私は食器をまとめ、末っ子の食べこぼしたテーブルを拭き始めました。
そのときです―。
まだ片づけている途中なのに…

ドサッ!!!
先ほどから待っていた女性が、自分の鞄を私たちのテーブルの上に置いたのです。近くにいた息子に当たりそうな勢いでした。まだ私たちの荷物も残っています。
「えっ…」
そう思って女性の顔を見ると、女性は何も言わず、腕を組んだまま立っています。
「まだ座ってるんですけど…」
思わず心の中でそうつぶやきました。休日でどこも満席。なかなか席が空かず、「早く座りたい」と思っていたのかもしれません。その気持ちは分かります。でも、私たちも食事を終えてから長居をしていたわけではありません。
周りに待っている人がいることに気づき、夫は先に食器を片付け、私も末っ子を急かしながら席を空ける準備をしていました。本当なら、まだ食べたがっている末っ子を急かしたくはありませんでした。
それでも、「待っている人がいるから、早く席を空けなきゃ」そう思ったからこそ、食事を切り上げたのです。そんな状況で、何のひと言もなく鞄を置かれたことに、正直モヤっとしてしまいました。
「早く席を空けなきゃ」と思っていたからこそ
その後、私たちはすぐに荷物をまとめて席を離れました。でも、フードコートを出てからも、なんとなくモヤモヤが残っていました。小さな子どもとの食事は大人のようにはいかないこともあります。
「早く食べて」と言ったからといって、急に食べるスピードが速くなるわけでもありません。周りを待たせたくない。でも、まだ食べている子どもを必要以上に急かしたくもない。子どもと外食をしていると、そんなふうに周囲とわが子の間で気を遣うことがあります。
今回も私なりに周りの状況を気にしながら、できるだけ早く席を空けようとしていました。だからこそ、無言で鞄を置かれた瞬間は、少し悲しい気持ちになったのだと思います。もしあのとき、
「ここ、もう空きますか?」
そんなひと言があったら。きっと私は、「すみません、もうすぐ空きます!」と答えて、気持ちよく席を譲れていたはずです。
混雑している場所では、待つ側も、待たせている側も余裕がなくなることがあります。だからこそ、ほんのひと言声をかけるだけで、お互いの気持ちはずいぶん違うのかもしれません。フードコートでの一件を通して、何気ないひと言の大切さを改めて感じた出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/Rina.M)





