毎年夏休みには家族で海水浴を楽しむわが家。ある日、息子のビーチボールが風で沖へ流され、泳ぎが得意な息子は「すぐ取れる」と追いかけてしまいました。慌てて呼び戻したものの、海の流れの怖さを実感した、忘れられない出来事です。
夏になると必ず訪れる大好きな海

わが家は家族みんな海が大好き!毎年夏休みになると海水浴へ出かけるのが恒例行事となっています。その中でもお気に入りなのが、地元の人しか知らないような穴場の海です。波は比較的穏やかで、小さな子どもでも磯遊びを楽しめる場所。カニやヤドカリを探したり、小魚を見つけたりと、家族連れが多く訪れるアットホームな雰囲気が魅力でした。
その日も天気は快晴で、海はとても穏やか。
「今日は安心して遊べそうだね」と家族で話していました。子どもたちは泳いだりビーチボールを持って波打ち際で遊んだり。思い思いに遊ぶ姿を、私たち夫婦は少し離れた場所から見守っていました。
風に流されたビーチボール

遊んでいる最中、ビーチボールが風にあおられ、あっという間に沖へ流されてしまいました。
「待って!」
そう声をかける間もなく、長男はビーチボールを追いかけて泳ぎ始めたのです。ビーチボールがある場所は、最初はそれほど遠く感じませんでした。
長男も「すぐ取れる」と思ったのでしょう。ところが、ビーチボールは波と風に流され続け、どんどん沖へ。追いかけても追いかけても距離は縮まりません。
どんどん沖に行く長男に不安を感じ、大きな声で呼び戻しました。幸い声が届き、長男はすぐに引き返してきましたが、その頃にはビーチボールははるか遠く。あっという間に、手の届かない場所まで流されていました。
「泳げる」と「海で泳ぐ」は違う
無事に戻ってきた長男を見て心から安心しました。
「思ったように進めなかった」と息を切らしている長男。同時に、「もしあのまま追いかけていたら」と考えると、今でもぞっとします。
海はプールとは別物。波があり、風があり、流れがあります。泳ぎが得意でも、思うように前へ進めなかったり、岸へ戻れなくなったりする危険が。離岸流という一気に沖へ流される海の流れもあり、一度流されると泳ぎの得意不得意に関係なく危険な状況になることもあります。
「あのくらいなら取れるだろう」という考えが、一番怖いのだと実感した瞬間でした。
それ以来わが家で決めた約束

この出来事以来、わが家では海へ行くたびに必ず子どもたちへ伝えている約束があります。
それは、「流された物は絶対に追いかけない」ということです。
ビーチボールでも浮き輪でも、サンダルでも、おもちゃでも同じ。物は買い直せますが、命は一つしかありません。
あの日、長男が素直に呼び戻しに応じてくれたからこそ、今では家族の笑い話として振り返ることができます。海は楽しい場所ですが、自然が相手。人間の力では敵わないことがたくさんあります。ほんの一瞬の判断が大きな事故につながることも珍しくありません。
毎年海へ行くたびに、あの日遠ざかっていくビーチボールを思い出します。それから、海に行くと子どもたちとは「無理をしない勇気」を合言葉にして遊ぼうようになりました。楽しい思い出を悲しい出来事に変えないためにも、海では安全を最優先に行動することの大切さを、家族全員が忘れないようにしています。
(ファンファン福岡公式ライター/tomomicchu)





