8歳の娘と4歳の息子を連れて、休日のファミレスに行ったときのこと。お昼の店内は家族連れや友人同士のグループでにぎわっていました。そんな店内で突如始まった、子どもの大泣きと大暴れ。そのとき娘が見せた神対応に感動したエピソードです。
欲しかったキャラクターをゲットした娘

私たちがそのファミレスに入った目的は、お子様セットについている「おもちゃ」でした。期間限定で娘の好きなキャラクターがついてくるというので、娘は朝からそのファミレスに行くのを楽しみにしていました。
注文を済ませて、わくわくしながら待っている娘と息子。特に娘は「Aのキャラクターだと一番うれしいんだよな~。でもBのキャラクターが出たら2番目にうれしい!あ~でもやっぱりAが出ますように!」と目をキラキラさせていました。
しばらくして2つのお子様ランチが到着。おいしそうなハンバーグを尻目に、2人は「あけていい?!」と前のめりにおもちゃが入っている袋を手にしました。
「どうぞどうぞ」と私もワクワクしながらのぞき込むと、「やったぁ!」と娘の歓喜の声が。ラッキーなことに娘が一番欲していたAのキャラクターが出てきたのです。そして息子が引き当てたのは、息子が好きなBのキャラクター。わが家の結果は上々でした。
娘も息子も満面の笑みでおもちゃを自慢し、ほっこりした空気が私たちの席を包み込んでいました。そしていざ料理を食べようとした、そのときでした。
大泣きで転がる隣の女の子

平和な空気を切り裂くように、「うわぁぁぁ!これじゃない!違う!」と叫ぶ声が隣のテーブルから響いてきたのです。びっくりして目をやると、隣の席の4歳くらいの女の子が椅子から転げ落ちて、床で号泣しています。
どうやら隣の女の子はお子様セットで、欲しいキャラクターが出なかったようでした。ママさんは困った顔をしながら「ホラ、これもかわいいじゃん!」と必死になだめていましたが、女の子は聞く耳を持ちません。
「これじゃないぃぃ!Bじゃないぃぃ!Aがよかったぁぁ!」と地団太を踏み、椅子を蹴り上げます。
店内に響く泣き声。
しだいに女の子のママはイライラして「ねぇ!違うのが出るかもしれないって言ったでしょ!」「それなら帰るよ!」と口調が強くなってきました。
私は心の中で「わかる。わかるよ。きついよね」と噛みしめながら、どうしようもない状況を静観していました。そのときです。
娘が「これあの子のと交換してきていい?」と私に聞きました。
娘の神対応
「え?!」
私は驚きを隠せずに「いいの?本当に?せっかく1番が出たのに」と聞くと、「うん、まあいいよ」とすました表情。さっきまで目を輝かせていた姿を思い出して戸惑いましたが、娘の覚悟したような表情を見て「娘がいいなら…」と私も決心。
「じゃあまずは、あの子のママに聞いてみるのがいいかも」と言うと、娘はするりと椅子を降り、女の子のママに「どうぞ」とAを差し出しました。
女の子のママは驚いて「え、いいよいいよ!」と言いましたが、私が「ご迷惑でなければ交換してもいいですか?」と口添え。
「え…いいの?」と聞かれると、娘は床で転がっている女の子に向かって、「お姉ちゃんのと交換してくれない?私Bが欲しかったの」とにっこり話しかけました。
大泣きしていた女の子は娘の一言でぴたっと泣き止み、「交換する!Aが欲しかったの!」とキラキラした顔に。女の子のママは「すいません、ありがとうございます…。」と泣きそうな顔で何度も頭を下げていました。
席に戻った娘は何事もなかったかのようにポテトをほおばっています。そんな娘が誇らしく、その日は予定にはなかったデザートまで食べました。
8歳娘に教えられたこと

ファミレスから出て、車で移動中。私は思わず娘に「いまさらだけど、良かったの?Aが欲しかったんでしょ?」と聞きました。「うーん、でもまあBも好きだし。泣いてたし。それにほら、弟くんとおそろいになった」とにっこりする娘。
打算もなく、損得勘定もなく、ただ行動をした8歳の娘。他人のために自分の大切なものを差し出せる、器の大きさに尊敬の気持ちさえ抱きました。一方どこかで「あれはしょうがないよな」と見ていないふりを決め込んでいた自分。そんな自分の姿をこっそり反省し、子どもに教えられることの多さを実感した出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/K)





