親戚の叔父たちは見た目が怖いので、よく人から避けられます。ファミレスでそんな4人の隣に着席してしまい、しかも連れていた赤ちゃんがグズリ出してしまったら…。不運(?)な状況に遭遇したパパ・ママに感謝されたほっこりエピソードを紹介します。
私の叔父たちはコワモテおじさん集団

私の4人の叔父たちはいわゆる“コワモテ”。
日に焼けた肌に体格が良く、揃いも揃ってパンチパーマという風貌なので、一緒に出かけていると周りから「避けられているな」と感じることが日常的にありました。
私の結婚の報告で4人が集まったときに、座敷の襖を開けた瞬間、夫が大慌てで「すいません!間違えました!」と襖を閉めてしまったのは、今でも叔父たちと盛り上がる鉄板のエピソード。
もちろん、本人たちは至って普通の人であり、見た目がコワモテなだけの、私にとっては優しい叔父たちです。
隣に着席したのは…
そんな叔父たちと集まるときは居酒屋が多いのですが、この日は誰もお酒を飲まない予定だったので、ファミレスに行きました。
あまりファミレスに行く機会のない叔父たちが、各々届いた料理をうれしそうに鑑賞し合っている様子を微笑ましく眺めていると、隣の空席に赤ちゃんを連れた若い夫婦が店員さんに案内されて着席しました。
2人はこちらの席を見た瞬間、明らかにギョッとして完全に目が泳いでいます。私は「それはそうだろう。申し訳ない…。でも、大丈夫ですよ」と心の中で何度も呟きました。
とは言え、叔父たちがうるさくしていたとか、威圧的なオーラを出していたとかではありません。
演歌とパンチパーマをこよなく愛し、とにかく顔面が強すぎるだけなのです。
グズリ始めた赤ちゃん

赤ちゃんはベビーカーに寝かせた状態で、隣のテーブルの脇にぴったりと寄せられ、着席したときはスヤスヤと寝ていました。
パパとママの食事が終わるまで、そのまま寝ていてくれたらよかったのでしょうが、半分も食べ終わらないくらいに泣き始めてしまいました。
「パパが先に食べて。私が抱っこしているから」ママさんのそんな声が、隣の私の耳元にも届いたものの、当時はまだ独身だった私は「大変そうだな…」とは思っても、どう声をかけていいかわかりません。
でも、叔父たちは違いました。それぞれ4人、4人、3人、2人の子どもを育てた経験があります。
躊躇なくベビーカーをのぞき込むと、いないいないばあをしたり、これまで聞いたこともない優しい声で「お腹空いたのかー」と声をかけたり、ペーパーナプキンを擦ってカサカサと音を出したりと、赤ちゃんの機嫌をとり始めました。
傍から見ると、屈強なコワモテおじさん集団が赤ちゃんに寄ってたかっている様子は、異様に映ったかもしれませんが、叔父たちはそんなことはまったく気にしません。
グズグズしていた赤ちゃんは、叔父たちを見て泣き止み、ニコニコと笑い始めました。
叔父のひとりがすかさず「今のうちに食べなさい」と食事を促すと、2人は緊張していた表情を緩め、「ありがとうございます」と言いながら食事を再開。別の叔父が「焦らずにゆっくりでいいから」と言うと、ママさんは泣き出してしまいました。
強面おじさん集団は私の誇り

あのとき、まだ独身だった私は、ママさんが泣いてしまった気持ちを半分くらいしか理解できていなかったのだと思います。
後に子を持つ親になってみて改めて、叔父たちの気遣いや優しさが身に染みてわかりました。
今も相変わらず、叔父たちと一緒にいると周囲の目線が気になることがありますが、私はそんな叔父たちをとても頼もしく、かっこよく思っています。
(ファンファン福岡公式ライター/tsukimi)





