発達に特性のある小学6年生の息子が、修学旅行の班決めで初めて見せた「友達と一緒にいたい」という気持ち。連絡帳に書かれた一言と、修学旅行を通して感じた成長に、親として胸が熱くなった体験を紹介します。
友達より「物」に興味があった息子

発達に特性のある小学6年生の息子は、小さい頃から一人遊びが好きな子でした。
友達と遊ぶことが嫌いというわけではありません。ただ、人よりも「物」への興味が強く、誰かと遊ぶというより、その子が遊んでいるおもちゃや遊びに興味を持って一緒に過ごすことが多かったように思います。
自分から友達に話しかけることはほとんどありませんが、声をかけてくれる友達を拒むこともなく、昔から気にかけてくれる子が何人かいました。
そんな息子にとって、小学6年生最大の行事ともいえる修学旅行。特に心配だったのは、2日目の班ごとの自由行動でした。
しかも、2年生から5年生まで同じクラスで、いつも息子を気にかけてくれていた友達とは6年生で別のクラスになりました。その子は行事のたびに同じグループになり、いつも自然に息子を支えてくれる存在でした。そのため、不安はさらに大きくなりました。
「先生が息子に合う班を決めてくれるんだろうな」
そう思っていた私の予想は、班決めの日に覆されます。
「一緒の班になってもいい?」その一言に涙

その日の連絡帳には、こんなことが書かれていました。
「一緒の班になりたいお友達に、自分から『一緒の班になっていいですか』と声をかけ、許可をもらっていました。女の子にも自分から声をかけていました」
その一文を読んだ瞬間、涙があふれました。驚いたのは、自分から声をかけたことだけではありません。
「この子と一緒にいたい」
そんな気持ちを抱ける友達が息子の中にいたことが、本当にうれしかったのです。
「友達がいてくれたから、がんばれた」

修学旅行当日も、私はずっと心配していました。
集団行動が苦手な息子は、途中で疲れたら先生と別行動をしてもいいと言われていました。私は、きっと途中から先生と別行動になるだろうと思っていたのです。
ところが、帰宅後に息子から聞いた話は、私の想像とはまったく違いました。
慣れない場所でのトイレは一人で行き、夕食では友達について移動し、先生の手を借りずに食事を済ませました。ホテルの部屋では友達が話しかけてくれて、その時間も楽しそうに話してくれました。
もちろん、お風呂や朝の支度では介助員さんに少し手伝ってもらう場面もありましたが、それでも息子は誇らしそうに言いました。
「ほとんど一人でできた」
思わず「本当に?」と聞き返す私に、息子は笑顔でこう続けました。
「友達がいてくれたからね、がんばれたんだよ」
その一言に胸がいっぱいになりました。これまで一人でいることを好むように見えていた息子が、友達の存在を力にして頑張っていたのです。
出発前は、不安しかありませんでした。
でも、修学旅行を終えた息子は、私が知らないところでたくさん成長していました。 その姿を見て、困ったときに手を差し伸べてくれた友達や、温かく見守ってくださった先生方に支えられていたのだと、改めて感じました。
息子が教えてくれた、友達の力
子どもの成長は、親の予想を超えてくることがあります。
「一緒の班になってもいい?」
あの一言は、息子が初めて見せてくれた「友達と一緒にいたい」という気持ちでした。私にとって、修学旅行で一番のお土産は、息子が見せてくれたその小さくて大きな成長だったのかもしれません。
(ファンファン福岡公式ライター/fafako)





