妊娠7カ月の妊婦だった時、その日はとても忙しく帰宅したのは20時30分でした。疲労困憊で「早く産休に入りたい」と思いながら帰宅すると、すでに寝室にいた子どもたちが出てきて「おかえり〜」その後の長女の一言に成長を感じて涙しました。
妊娠7カ月、残業の日々

第三子を妊娠して7カ月に入った頃の話です。私は看護師として働きながら、女の子を2人育てていました。看護師歴は10年を超え、部下の指導やフォロー以外にも上司と今後の業務の進め方の話し合いなど、定時では終わらない量の仕事をこなしていました。
「終わらないから、続きは明日やろう…」そう思いながら帰宅する日が続いていました。その日も気づけば退勤時間はとっくに過ぎ、家に着いたのは20時30分でした。
「遅くなっちゃったな…もう疲れた…早く産休に入りたい…」
そう思いながら玄関の鍵を開けました。うちの子どもたちは、いつも20時には寝室に入り、21時までにはぐっすり。私が帰る頃には、もう静かな夜のはずでした。
そーっと玄関の扉を開けて入ると…

寝室の方からパタパタと足音が聞こえてきました。
「あれ、まだ起きてる…?」
子どもたちが2人そろって出てきて、眠そうに目をこすりながらこう言ったのです。
「おかえり〜!」
一瞬びっくりしましたが、妊娠中でくたくただった体に、その声はじんわり染みわたりました。「起こしちゃってごめんね」と謝ると「ママにあいたかったの」と3歳の次女が甘えた声で言いました。
ママへの気遣い
しかし、驚いたのはここからです。
「今日も遅くなってごめんね」と謝ると、5歳の長女がそばにやってきました。
「ママしゃがんで〜」
言われた通りにしゃがむと、小さな手で頭をそっと撫でながらこう言いました。
「ママ、お仕事頑張ったね〜」
この言葉を聞いたと瞬間に、涙が出そうになりました。
長女の性格と私の苦悩
長女といえば、とにかく「私が一番!」なタイプ。おもちゃもお菓子も「私の!」妹が自分よりも先に新しいことにチャレンジするのも許せない!
わがままを言っては私を困らせるのが日課の5歳児です。そんな彼女の口から、まさかの労いの言葉が飛び出すとは。
「頑張ったね!?」
今まで自宅で聞いたことがない言葉。私は心の中で反芻しました。頭を撫でる手はぎこちなくて、いかにも「見よう見まねでやってます」感満載でしたが、それがまたかわいくて。
思わず「ママもう疲れたよ〜」と涙を堪えながら、ぎゅっと抱きしめました。
子どもの成長は、突然やってくる

正直、「わがまま」「自分が一番」なところしか見えていなかった長女です。ママが妊娠中で大変なことも、仕事で疲れて帰ってくることも、ちゃんと感じ取っていたなんて、思いもしませんでした。
しつけとか言葉かけとか、日々「これでいいのかな」と手探りで子育てしている身としては、まさかこんな形で成長を見せてもらえるとは。
子どもの成長って、身長や体重みたいに数字で測れるものばかりじゃないんですよね。疲れて帰った夜に、小さな声と小さな手が「お仕事お疲れさま」を伝えてくれる。それだけで、また明日も頑張れる気がしました。
今日も仕事と育児を両立しているすべてのママへ。子どもは、ちゃんと見ていてくれていますよ。
(ファンファン福岡公式ライター/山田 優香)





