学校からの電話で「実は今日…」と切り出されたお話です。授業中にハサミで前髪を切っていた小4の娘。そして机の引き出しから見つかった大量の切られた髪。もしかしていじめ?と心配になった親を脱力させたその理由に思わず、笑いそうになってしまった体験談です。
「実は今日…」学校からの電話で始まった事件

その日の夕方、夕飯の支度をしていると、担任の先生から電話がかかってきました。開口一番「実は今日…」という前置きに、何が起きたのか見当もつかず、頭の中は「一体どういうことだろう」という混乱でいっぱいになりました。一瞬、いじめか何かに巻き込まれたのではないかと、嫌な想像が頭をよぎったほどです。
先生の話によると、娘は授業中に自分の前髪をハサミで切っていたのだそうです。授業で使うハサミで髪の毛をチョキチョキと切っているところを、机の間を回っていた先生が気づいてその場で注意をしたということでした。
いじめではなかったとわかりホッとしたのも束の間、正直なところ「なぜ授業中に前髪…?この間、前髪は切らなくっていいって言ってたのに」という疑問のほうが大きく、頭の中は「?」でいっぱいでした。
引き出しから出てきた大量の髪

さらに話には続きがありました。娘が下校した後、担任の先生が念のため机の中を確認したところ、引き出しの奥から2~10cmと様々な長さの髪の毛が出てきたというのです。中には束になったものもあったらしく、聞いた時はかなり恐怖を覚えました。
つまり、今日に限った出来事ではなく、これまで何度も同じことを繰り返し、切った髪をこっそり引き出しにしまい込んでいた、ということ。「常習化」という言葉が頭をよぎり、事の重大さをじわじわと感じ今まで気づかなかった自分にも少なからずショックを受けました。
怒るよりも、脱力した理由

電話を切ったあと、正直最初に湧いてきたのは怒りではありませんでした。むしろ「なぜそこまでして髪を切りたかったのか」という、なんとも言えない疑問の渦。
一度きりの気の迷いなら、まだ理解できます。でも同じ長さに切りそろえて、それを引き出しに隠して、また次の日も切って…という繰り返しの中に、娘なりのこだわりというか、切実さのようなものを感じてしまったのです。頭ごなしに叱る前に、まずは「どうしてそうしたのか」を聞いてみようと思いました。
帰宅後、落ち着いて娘に話を聞くと、前髪の長さがどうしても気になって仕方がなかったこと、少しでも伸びてくるとすぐに切りたくなってしまうこと、そして「バレたら怒られると思って隠していた」ことを話し、そして…。
「…ママが切ったら、こけしみたいな変な前髪になるから嫌だったの」
と、どこか不服そうな顔で横を向きながらそう話す娘に、思わず脱力してしまいました。
たしかに私の前髪カットの腕前は微妙ですが、まさかそれがきっかけだったとは…と思わずため息がもれました。ですが、娘なりに真剣に年頃の女の子の悩みを抱えていたのだと思うと、笑ってしまいそうな気持ちと、申し訳ないような気持ちが入り混じりました。
なるほど、と思う反面、その「こだわり」が学校生活の中で「ハサミを持って髪を切る」という行動と結びついてしまったことには、やはり不安も残ります。
安全面の問題もあり、次からは前髪が気になったら家で相談してほしいと伝えました。学校にもその時話したことを報告しました。
おわりに
「実は今日…」の一言から始まったこの一件は、怒りよりも脱力、そして娘の内面に少しだけ触れたような、複雑な気持ちが残る出来事でした。子育てをしていると、想像もしていなかった角度からの「事件」が飛び込んでくるものだと、改めて実感させられた日でした。
(ファンファン福岡公式ライター/shinobu)





