公園で遊んでいる子どもたちの様子を何度ものぞいては隠れる2人組を見つけた私。「子どもを狙っているのでは?」と警戒したものの、最後に待っていたのは予想外すぎる結末でした。
近所の公園で

幼い娘を公園の砂場で遊ばせていたときのことです。
夢中で山を作るわが子をぼんやり眺めていると、その後ろにある公園の入り口付近に、若い男性2人が立っているのが目に入りました。最初は何とも思っていませんでした。ところが、彼らは公園の中をチラッとのぞいては、サッと物陰へ隠れるのです。
「ん?」
数秒後、またチラッ。
そしてまたサッ。しかも、顔を寄せ合って何やらヒソヒソ話しています。
(…何してるんだろう)
気付けば私は、子どもよりもその2人の方が気になって仕方ありません。こちらの様子をうかがうように見えた次の瞬間、またサッと隠れます。
(怪しい…)
その頃、ニュースで子どもの事件を見るたび不安になっていた時期でした。一度「怪しい」と思ってしまうと、もう何をしても怪しく見えてしまうのです。
恐ろしい想像がよぎる

私は砂場で遊ぶわが子と彼らを交互に見続けました。
「もしかして娘を狙ってる?」
「いや、考えすぎ?」
「でも、あんなに隠れる?」
頭の中では自問自答が止まりません。子どもに「もう帰ろう」と声をかけようかとも思いました。でも、せっかく楽しそうに遊んでいるところを急に切り上げるのもかわいそうです。いざというとき、すぐに荷物を持てるようこっそりバッグのファスナーを閉めました。
「何かあったらすぐ動けるようにしよう」
完全に臨戦態勢です。それにしても、周りのママたちは誰一人として気にしている様子がありません。
(えっ、みんな気付いてないの?)
そんなことまで考え始めました。
突然の大声!

そのときでした。
「うわぁー!」
突然、公園に大きな声が響きました。思わず立ち上がる私。次の瞬間、物陰から例の2人が勢いよく飛び出しました。
(来た!)
心臓がドキッとしました。
彼らが勢いよく娘の方へ向かって走ってくる! と思った次の瞬間、私たちのさらに奥にあるベンチへ一直線に走っていったのです!
(んん!?)
そこには、仲良く座る中学生カップル。
「わー!」
「びっくりしたー!」
カップルはびっくり仰天、2人組は大笑いをしています。カップルも笑いながら立ち上がり、「いつからいたんだよー!」「最悪、見られたんですけど!」と2人組を追いかけはじめました。
どうやら、友達同士で公園デートをしていたカップルを、こっそり驚かせようと隠れていただけだったようです。
(な、なんだ…)
全身から一気に力が抜けました。さっきまで頭の中では「誘拐犯に違いない」と勝手に妄想していたけれど、実際は、青春真っ最中の男子たちだったのです。
もちろん、子どもを守るために警戒することは大切です。でも、あの日の私は少し想像力を働かせすぎていたようです。笑いながら歩く4人の後ろ姿を見送りながら、「怪しかったのは2人組じゃなく、公園中をキョロキョロ見回していた私だったかも」と苦笑い。
今では思い出すたびに、「完全に勘違いだったな」と笑ってしまう出来事です。
(ファンファン福岡公式ライター/大空 琉菜)





