引っ越してきたばかりで何も知らず、「楽な仕事だから」と町内会のお祭り役員を引き受けてしまった私。当日待っていたのはホステスまがいのお酌要員でした。ありえない!と怒り心頭も、途中で抜けることもできず、一日やり通しましたが、今でも納得がいきません。
町内会入会の誘い
夫の転勤を機に念願のマイホームを購入。引っ越しに伴う作業もひと段落したころ、「ピンポーン!」とチャイムが鳴りました。インターホンのカメラに映し出されたのは、向かいの家の奥さんでした。
「引っ越しのご挨拶に来ていただいたときにお話しした町内会の件なんだけど…」
タイミングよく来た町内会勧誘の話に私は内心「引っ越しが落ち着くのを監視されていたかな」と少し怖くなりましたが、出ないわけにはいきません。ドアを開けて応対しました。
町内会に入らないとゴミ捨て場が使えないこと、当番制で掃除があること、町内会の役員のことなど、矢継ぎ早に説明をされて20分ほど過ぎたところで、今年の町内会の係を今すぐに決めてほしいとお願いされました。
「楽なのは、お祭り係だと思う。準備と当日で2日だけ動けばいいし、子どもたち向けのお祭りだから難しい仕事はないしね。どうかしら?」と奥さん。
新参者だからと気を使ってくれる優しさに感謝を伝えながら、その言葉に甘えさせてもらうことにしました。
お祭り準備の日に待っていた意外な展開

お祭りの前日、係全員で提灯や紅白幕などを飾り付け、あとはそれぞれ割り振られたくじ引きや焼き鳥などの屋台の準備に取り掛かろうということになった時、お祭りの仕切り役をしていた男性から「ちょっとこっちに」と手招きされて奥の部屋に連れていかれました。
なにか運ぶものでもあるのかな?とついていくと、その部屋には椅子と机、それに何かの広報誌の束のようなものが用意されていました。
「今からお祭りにくる来賓の方々の顔がわかるかテストするから」
どういうこと?と驚きましたが、顔には出さずに成り行きを見守りました。
テストに全問正解するまで帰れない!

男性は、「はい、名前」、「はい、次」と広報誌を次々にめくっていきます。
そのスピードに合わせて、紙面の写真に赤丸で囲まれている来賓客の名前を答えるのです。おそらく50人ぐらいいるのですが、間違えるたびにその男性から「え!?〇〇さん知らないの?」とか「〇〇さんもわかんないでよく住んでるね」とか小言を言われるのです。
そして、最終的に「名前と顔が一致するまで帰れないから。30分で覚えて」と言い放たれ、一覧表を渡されて部屋に残されました。バッグは他の部屋に置いてあり、携帯電話もその中。夫に助けを求めることもできずに、必死で覚えました。
しかし、ほぼ知らない50人の名前と顔を一致させるのは至難の業で、その日は合格することができず、小言を言われながら帰りましたが、「なんでこんなことやらなきゃいけないんだろう?」と悔しくも不思議な気持ちになりました。
当日待っていたのは、ホステスまがいの接待役

当日、お祭りが始まるとすぐに疑問が解けました。
昨夜覚えさせられた来賓客が来ると、一人一人の名前を呼びながら席に案内し、お酒の酌をするのです。
コップが空にならないようにそれとなく周りを見張りつつ、おじいさんたちのつまらない話の相手をするのは苦痛で仕方がなく、また、若い女性が少ないこともあり、セクハラ発言を一身に浴びてほとほと疲れました。
トドメは、テストを強いてきた男性の別れ際の一言。
「やっぱ若い娘はいいねー!来年も頼むよ。あと、今度うちに来てよな!!」
絶対あなたの家には行かないし、来年はやりません!!!
(ファンファン福岡公式ライター/ルンルン)



