夫と温泉旅行に行くことにしました。旅館の貸切温泉と豪華な食事を思いっきり楽しむ予定でした。しかし夫が突然体調不良になり、楽しいはずの旅行が一変。そして後日、夫の新事実が発覚したのです!
山奥の温泉旅館へ

約10年程前、温泉旅行を計画していた時に
「いい所見つけた!」
夫が言いました。
その旅館はたしかに魅力満載でした。山奥でアクセスはあまり良くないものの、24時間入れる貸切露天風呂が10個以上。食事は山と川の幸が使われた和洋懐石料理で、メインはA5ランクの和牛ステーキ!
私はすぐにOKしました。日頃の疲れを癒す旅なので、メインは旅館を楽しむこと。
「露天風呂を制覇しよう!」と2人で意気込み、心待ちにしていました。
そして当日、夫の運転で出発します。豪華な夕食のためにと、昼食はそば一杯。
緑豊かな景色を楽しみながら山を登り、旅館に到着しました。
部屋で30分ほどのんびりした後は最初のお楽しみ、夕食です。
食事の場所は半個室の座敷で、テーブルには懐石料理の一部が並んでいます。野菜にきのこにサーモンと、前菜だけで彩り豊かな小鉢が5つほど。見た瞬間からテンションが上がります。
「どれから食べよう?」とウキウキで食べ始めますが…。
小鉢を食べ終わって次の料理が運ばれてくるのを待つ間に、夫が顔をゆがめているのに気が付きました。
「なんか喉がかゆい…呼吸するのも苦しくなってきた…」と言うのです!
急な体調不良に襲われた夫

急に体調不良を訴える夫に驚きますが、すぐに「もしかして食物アレルギーかも?」と思いました。
私は管理栄養士で、夫が訴えているのは大学時代に授業で教わった食物アレルギーの症状と酷似していたのです。しかし、夫から食物アレルギーがあることは聞いたことがありませんでした。
原因は分からないものの旅館の人へ事情を説明すると、病院に連絡してくれることに。
座敷へ戻ると、夫は座椅子にもたれかかってぐったりしていました。ゆがめた顔は赤く、熱もありそうです。
夫の辛そうな姿を、私はハラハラしながら見守っていました。
5分ほどすると旅館の社長が来て、
「夜間診療をしている病院に連絡しました。山を下って高速道路に乗って1時間以上かかる場所ですが、行けそうですか?」と私に聞きます。
ペーパードライバーの私には難しい旨を伝えると、旅館の人が連れて行ってくれることに。
夫は車に乗ったあたりから呼吸の苦しさは少し落ち着いてきたようでした。
しかし赤い顔でぐったりしているのは変わらずで、喋るのも辛そうです。病院に行って体調が回復しますようにと、私は心の中で祈っていました。
病院について検温すると38.5℃。事前に連絡していたおかげで、夫はすぐ診察室へ入ります。
15分後、点滴をしながら夫が出てきました。顔はまだ少し赤いものの笑みが浮かび、足取りも軽やかです。点滴をしてから喉のかゆみが落ち着き、呼吸もかなり楽になったそう。
医師からは
「食物アレルギーだと思うが、夜間診療では検査ができないので断定できない。後日病院で検査をしてください」とのこと。
夫は
「少しだるい…」と言いつつも、点滴が終わる頃には顔色が良くなり、平熱に戻っています。
私は安心感から体の力が一気に抜けました。
旅館に帰り、お礼を言ってから部屋へ戻ると、私たちは空腹と疲労ですぐ眠りました。
後日判明したのは…

翌朝起きると、夫は
「懐石料理食べたかった…」と悔しがれるほど完全に回復しています。
ならばと、朝食までの1時間強で貸切温泉巡りをすることに。10個以上ある貸切温泉に入ってはすぐ上がり次の温泉へ…を繰り返し、堪能するよりも必死にこなすという感じでした。
そんな悔いの残る旅行から約1週間後、改めて病院で検査を受けて判明したのは、
夫が「甲殻類アレルギー」だということでした。
前菜にはエビもカニも入っておらず、医師からは
「エビかカニを捕食したサーモンを食べて発症したのかもしれない…」と言われたそうです。
今までエビやカニを食べてもなんともなかった夫が、旅先で甲殻類アレルギーを発症するというまさかの事態。
以降は外食や旅行の時に除去対応してもらうことで、発症を防げています。
しかし外出先での食事では、少しヒヤヒヤしながら夫を見守るようになりました。
(ファンファン福岡公式ライター/坂 真琴)





