「男の子はお母さんに優しい」「末っ子は要領が良い」なんてよく言われますよね。わが家の末っ子(息子)も普段は姉2人に揉まれながらも、とっても優しく育ってくれています。しかし先日、彼の優しいだけじゃない一面を目にすることがありました。
姉たちよりずっと頼りになる末っ子

わが家には、すでに成人した2人の娘と、年の離れた中学2年生の息子がいます。
よく「末っ子の男の子は優しいよ」と先輩ママから聞いていましたが、わが家の息子も本当に気の利く優しい子に育ってくれました。
例えば毎日の夕食時。ごはんの時間になると、こちらが何も言わなくても自分から箸や取り皿をテーブルへ運んでくれます。食べ終わった後も、自分の食器をシンクまで運んでくれるのです。
一方で、上の娘たちといえば…。
「食べたお皿持って行ってねー」「お箸並べてー」と何度催促しても、
「はーい、後でー」と返事ばかりでなかなか動かないのが日常茶飯事。
そんなお姉ちゃんたちを横目に、サッと動いてくれる息子は、わが家では「一番役に立つ頼もしい存在」でした。
そんな気遣いができる息子だからこそ、私は「素直な良い子」とすっかり信頼していたのです。
私が急に体調不良に見舞われたとき

ある日の夕方、私は突然の激しい頭痛に見舞われました。立っているのも辛くなり、
「ごめん、ちょっと横になるね」とそばにいた息子に声をかけ、リビングのラグの上に横たわります。
息子はテレビのほうを向いて、床に座って集中してゲームを楽しんでいました。
私は息子の背中をぼんやり眺めながら「薬が効くまで少しだけ休もう」と目を閉じました。息子の操作するゲームの効果音とボタンを叩く音が心地よく聞こえてきます。そのうちに眠気が襲ってきて、私は眠ってしまいました。
どれくらい時間が経ったでしょうか。ふと目が覚めると、薬が効いて頭痛が和らいでいました。時計を確認すると、なんと横になってから2時間ほど過ぎています。
驚いて体を起こすと、目の前にはまだゲーム画面を真剣に見つめ、コントローラーを握りしめている息子の姿がありました。
「あれ? とっくに約束の時間は過ぎているはずじゃ?」
わが家ではゲームの時間は1時間まで、とルールを決めています。いつもなら時間が来ると、息子は自分から
「終わったよー」と報告。それなのに、この日は2時間を過ぎているはずなのに、まだゲームで遊んでいました。
母が気づいていないから

私が起き上がった気配に気づいたのでしょう。息子は「ハッ!」とした表情で振り返りました。そして、焦った手つきで大慌てでゲームを切り上げ、電源を落としました。
「ねえねえ、約束の時間、とっくに過ぎてるよね?」と少し低めの声で尋ねると、息子は気まずそうに、
「あ、うん。お母さんが気持ちよさそうに寝てたから…」とボソボソと言い訳を口にしました。
親が寝ている隙に、こっそりゲームを延長していた息子に、
「お母さんが起きないからって、ルールを破って良い理由にはならないよ。約束はちゃんと守らないとダメでしょ」と、親としてしっかり注意をしました。息子も
「ごめんなさい」と反省した様子でうなだれていました。
しかし、注意しながらも私の心の中では、別の感情が湧き上がってきました。
いつも素直で優しいだけだと思っていたけれど、母親が寝ている隙を狙ってちゃっかり得をしようとする、ずる賢さも身につけていたんだな、と。
息子がルールを破ったことはもちろん良くないことだと思っています。けれど、親の状況を観察し、「今ならバレないかも」と判断して行動する姿に成長を感じました。私にバレて焦るところは、まだまだ年相応のものでしたけど。
ただの「手のかからない良い子」から、ちょっとした悪知恵も働かせるたくましい男の子へ。ばつの悪そうな顔をする息子をみていたら、優しさの裏に隠されたちゃっかりした成長に、なんだか愛おしさと感心がこみ上げてきた出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/たまゆら)





