子育ての合間の楽しみとして参加していたママさんオーケストラ。ところが、楽団所有の楽器を借りていたメンバーと突然連絡が取れなくなりました。迫るコンサートの日程に焦る私たち。そんな中、メンバーが見つけたのは、信じられない事実でした。
本番まであと2週間、コンサートを楽しみにしていたある日のこと…

子育ての合間の楽しみとして、私はママさん向けのオーケストラサークルに参加しています。同じように子育てをしながら楽器を続けているママたちが集まっていて、練習の合間に子どもの話をしたり、学校の情報交換をしたり。忙しい毎日の中で、音楽に向き合える大切な時間でした。そんな私たちが楽しみにしていたのが、年に一度のコンサート。
「本番まであと少しだね!」
「今年はどんな演奏になるかな?」
みんなで練習を重ねながら、本番の日を心待ちにしていました。
「そういえば、ハープってまだAさんが持ってるんだよね?」
ところが、あるメンバーが、サークル所有のハープを借りたまま返していないことが分かったのです。
「そろそろ返してもらえる?」連絡しても返事がない…まさかの音信不通

コンサートも近づいていたため、代表の人がAさんに連絡をしました。
「コンサートも近いので、そろそろハープを返してもらえますか?」
ところが、待っても返事がありません。
既読にならない。電話をかけても出ない。数日経っても状況は変わりません。そこで、代表の人が自宅まで行ってみることに。
「すみません、楽器のことで…」
インターホンを鳴らしても、反応はありません。家の中に人がいるような気配はあるのに、出てこない。その後も何度か訪ねましたが、まるで居留守を使っているかのように、応答はありませんでした。サークル内にも、少しずつ不安が広がっていきました。
「このまま返ってこなかったら、どうする?」
みんなが本番に向けて練習している中、楽器の行方だけが分からない。楽しいはずのサークルに、重たい空気が流れ始めました。
「さすがにおかしくない?」ついに判明した、驚きの事実
もともと参加を強制しないゆるいサークルでしたが、考えてみるとAさんは半年以上楽団の練習に参加していません。そんな中、ようやくAさんについて、ある事実が分かったのです。
なんと、メンバーのひとりが、オークションサイトに同じ型番・同じ識別番号のハープが出品されていたことを見つけてきたのです。
「えっ…まさか売ったの?」
みんな、言葉を失いました。
「借りたものを売るって…どういうこと?」
そのハープは既に売却済みで、誰が買ったのかもわかりません。だから連絡も取れず、練習にも参加しなかった。本当のことが分かって、私たちは唖然としました。
コンサート当日は別の楽団から楽器を借りて、なんとか本番へ

幸い、コンサートそのものは中止にならずにすみました。ハープは、他の楽団から借りることができたんです。後から分かったことですが、Aさんの家庭は、私たちが想像していた以上に経済的に厳しい状況だったようです。
「お金に困っていたなら、せめて相談してくれればよかったのに…」
結局、Aさんのご主人と連絡が取れて、楽器と同等の額を弁償してもらうことに。大型のハープなので400万円以上しますが、だからこそ私たちも泣き寝入りするわけにはいきません。
旦那さんは全く事情を知らなかったようで、後日お金と菓子折りを持って楽団の練習場所に現れ、土下座しそうな勢いで謝り続けていました。
冷静に考えれば大きな問題になると分かっていたはずなのに、勝手に楽器を売り飛ばすしか選択肢がなかったのだろうか…と思う出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/わたなべ)





