「うちの子、見ててもらえませんか?」引っ越し2日目の朝、挨拶もそこそこに隣人から要求されたのは、まさかの「非常識な託児」でした。それから2年、事あるごとにわが家を探り、境界線を越えてくる隣人一家。住みやすい街なのに「最大のストレス」となってしまった、困った隣人とのリアルな攻防戦です。
初めましての日

引っ越し当日。朝から荷解きや片付けに追われ、心身ともに疲れ果てていた夕方のことでした。ピンポーン、とインターホンが鳴り、画面に映ったのはお隣さん。
私たちは「少し落ち着いてから、明日にでもこちらからご挨拶に伺おう」と思っていたので、思わず「先を越された!」と焦ってしまいました。
急いでドアを開けると、そこには3人のお子さんを連れたご夫婦の姿が。
「これからお世話になります。今度一緒に遊ぼうね」と、その場は簡単な挨拶だけで済みました。
朝から来客!?
引っ越し2日目。夫を仕事へ送り出し、私は「今日は残りの片付けをしながら、疲れた子どもたちと家でゆっくり過ごそう」と考えていました。
ところが、朝9時前に、突如インターホンが鳴ったのです。モニターを確認すると、映っていたのはお隣の親子。ドアを開けると、奥さんから信じられない言葉が飛び出しました。
「今日はどこかお出かけされますか?」
「私、これから仕事なんですけど、うちの子たちを見ててもらえませんか?」
あまりにも予想外のお願いに、返す言葉が見つかりません。私が絞り出した答えはこれだけでした。
「…まだ子どもたちも着替えていない状態なので、10時からでもいいですか?」
これでわが家の休日の予定は丸潰れです。指定した時間までの1時間、大慌てで「人を迎えられる状態」へとリビングを片付けました。
いざ預かることになって・・・

お隣のお子さんたちは、わが子よりも少し年上の兄弟でした。普段は小学校に通っているものの、長期休みは習い事に行ったり、子どもたちだけで留守番をしたりしているとのこと。
最初は「いくらなんでも常識外れすぎる」と不信感でいっぱいでしたが、時間が経つにつれ、
「小さな子どもだけで留守番させるのは親としても不安だったのかな」
「この先、うちも何かでお世話になるかもしれないし、子ども同士が仲良くなるのも悪くないかも」
と、私も必死に自分を納得させようとしていました。
しかし、10時になってやってきた子どもたちの態度に、再びあ然とさせられます。
手土産はもちろんありません。それどころか「お邪魔します」の一言もなく、ドカドカと家に入り込んで、わが物顔で遊び始めたのです。
わが子はといえば、ほぼ初対面の状態で、自分の家で自由に暴れ回る兄弟たちに完全に圧倒されていました。一緒に遊ぶどころか、恐怖からか私にしがみついて離れません。昼食までの2時間、私は必死に間に入って仲介し、なんとかその場をやり過ごしました。
12時になると、「家でお弁当が用意してあるから」と、子どもたちはおもちゃを片付けることもなく、嵐のように去っていきました。午後は習い事があったようで、その後現れることはありませんでしたが、結局、親からのお礼の言葉や連絡は一言もありませんでした。
その後の隣人との関係

あれから2年が経ちました。
子どもたちもお互いに慣れ、今ではよく一緒に遊ぶようにはなりましたが、私は今でも奥さんに対して多々「モヤモヤとした違和感」を抱え続けています。
どうやら隣人の奥さんは、わが子にあれこれと質問しているようなのです。
「パパ、明日飲み会?」
「明日、どこにお出かけするの?」
そんな風に子どもから聞き出した情報をもとに、「旦那さん、明日飲み会なんですか?」「週末は〇〇に行くんですね」などと話しかけてきます。何気ない世間話のつもりかもしれませんが、私は気味が悪くて仕方がありません。
さらに先日は、「昨日、〇〇ちゃん(わが子)泣いてましたね。何があったんですか?」とまで聞かれました。家の中にいても常に監視されているようで、まったく心が落ち着かないのです。
また、お隣のお子さんは休日にもかかわらず朝8時ごろからインターホンを連打し、「一緒に遊ぼう!お家に入れて!」と押しかけてくることがありました。
親がマナーを教えないのであれば、こちらが毅然と言うしかない。
そう思い至った最近では、わが家に来るときのルールを子どもたちに直接伝えるようにしています。つくづく、あの親は「反面教師」だなと感じる日々です。とても住みやすい地域なのですが、お隣さんが唯一の難点であり最大のストレスなので、早く転勤したいなとも思っています。
(ファンファン福岡公式ライター/グレアム)





