登園直前、息子が突然「靴が片方ない!」と号泣。家中を全力で捜索するも手がかりゼロ。焦りで汗ばむ中、まさかの“あの場所”からひょっこり登場し、怒るより先に笑いがこみ上げた朝の大騒動です。
登園直前、突然の「靴がない!」

平日の朝、いつものようにバタバタと登園準備をしていたときのことでした。玄関で息子が急に泣きそうな声を上げ、「ママ、くつが…ない!」と言い出しました。前日も同じ靴で帰ってきたはずなのに、片方だけ影も形もありません。時間はすでにギリギリで、私は一気に血の気が引き、「なんで今なの…」と心の中でつぶやきながら、家中を探し始めました。
家中をひっくり返しても見つからない
玄関の棚、リビング、ソファの下、カーテンの裏、洗面所。思いつく場所を片っ端から探しました。息子も半泣きのまま「ここにもない…」と私の後ろをついて回ります。
「昨日どこで脱いだの?」「本当に持って帰ってきた?」と問いかけながら記憶をたどりましたが、手がかりはゼロ。時計を見るたびに焦りが増し、息子の涙も大粒になっていきました。静かな朝のマンションに、私たちのドタバタした足音だけが響いていました。
思わぬ場所で“まさかの再会”

「もう予備の靴で行くしかないか…」と諦めかけたそのとき、ふとキッチンの隅に置いたゴミ箱が目に入りました。昨日、息子が自分でお菓子の袋を捨てた場所です。
胸の奥がざわっとしてフタを開けると、そこに、見覚えのある青いスニーカーの片方が、堂々と鎮座していました。
「えっ…なんでここに!?」と声を上げる私の横で、息子は涙を止めてぽかんとしています。どうやら昨日、お菓子の袋を捨てるついでに、靴まで“ゴミ扱い”してしまったようでした。
怒りと笑いが同時にこみ上げる
「なんで靴をゴミ箱に入れちゃったの…?」と聞くと、息子は小さな声で「だって、きのう砂いっぱいついてて、きたなかったから…」と答えました。
その瞬間、怒りと脱力と笑いが一気に押し寄せ、私は思わずその場にしゃがみ込みました。
確かに昨日は園庭で泥遊びをした日で、靴が汚れていたのは事実です。でも、まさか“汚い=捨てる”という発想になるとは思いもしませんでした。
息子なりの“きれいにしたい”気持ち

靴を取り出して軽く拭きながら、「汚れたら洗えばいいんだよ。捨てなくていいんだよ」と伝えると、息子は「ママがよろこぶとおもったの」とぽつり。
どうやら“汚いものを片づける=ママが助かる”と考えたらしく、息子なりの善意だったことがわかり、胸がじんわり温かくなりました。
「ありがとう。でも靴は大事だから、一緒に洗って使おうね」と声をかけると、息子はようやく笑顔を取り戻しました。
朝のドタバタが教えてくれたこと
その後、なんとか登園時間に間に合い、先生に事情を話すと「子どもって本当に予想外のことしますよね」と笑ってくれました。
帰り道、私は朝の騒動を思い返しながら、子どもの“善意の暴走”に振り回されるのも悪くないな、と少しだけ思いました。大人にとっては当たり前のルールも、子どもにとってはまだ曖昧で、時に極端な行動につながります。だからこそ、言葉の選び方や伝え方を丁寧にしなければいけないのだと改めて感じました。
これからの声かけを見直すきっかけに
今回の出来事をきっかけに、「汚れたらどうする?」「これは捨てるもの?洗うもの?」と息子と一緒に考える時間を作るようにしました。
例えば靴なら「汚れたら洗う」。「捨てるのは壊れたとき」とハッキリとルールを周知徹底することで、息子の判断も少しずつ安定してきました。
朝の大騒動は、私にとっても息子にとっても、小さな成長のきっかけになったのだと思います。
子育ては、予想外の出来事の連続です。泣き叫ぶ朝も、靴がゴミ箱から出てくる日も、後から思えば笑い話になります。そんな日々を積み重ねながら、親も子も少しずつ前に進んでいくのだと感じた朝でした。
(ファンファン福岡公式ライター/にせゆみ)





