5歳娘とかくれんぼをするとき、娘の隠れる場所は決まってソファーの後ろでした。ソファーを少しだけ前にずらし、壁との間に小さな隙間をつくる。そして、その狭い空間に、身体をぎゅっと潜り込ませます。そんな“隠れ場所”が、ある日、さらに進化します。「ここ、A(娘)のお部屋にする!」突然の宣言でした。
5歳娘の最高の隠れ場所

家でかくれんぼをするときの、5歳娘の最高の隠れ場所。それは、ソファーの後ろです。しかし、このソファー、壁にぴったりくっついていて、そのままでは隠れられません。
私が目を閉じて、「いーち、にー、さーん…」と数え始めるとすぐに、「ママー、ちょっと手伝って~」
結局、私が、一緒にソファーを動かします。そして目の前で、その後ろに身を潜める娘。
「もういいよ!」
「Aはどこだぁ?カーテンの後ろかなぁ?あれぇ、いないなぁ…」
わざとらしく探すふりをしていると、「ここだよー!!」ソファーの後ろから、満面の笑みで飛び出してきます。そして、誇らしげにこういうのです。
「上手に隠れてたでしょ」
(うん、全部見えてたよ。というか、一緒にソファー動かしたし)
そんな“隠れ場所”に、ある日突然、格上げの瞬間が訪れました。
隠れ場所が格上げされた日

「ここ、Aのお部屋にする!」
ソファーと壁との小さな隙間。ただの“隠れ場所”だった空間が、突然娘の“マイホーム”に昇格したのです。
そこには、娘なりのこだわりが詰め込まれていきました。大人用の布団を三つ折りにして作ったベッド。お気に入りの、うさぎのキッズソファー。おままごとセット一式。すぐ手に取れるように置かれたティッシュ。そして、小さなごみ箱まで。
限られたスペースの中に、ちゃんと「暮らし」が出来上がっていました。それ以来、娘は一日のほとんどを、その“自分の部屋”で過ごすようになりました。
夜もそこで、小さく身体を縮めて眠ります。
5歳児のかくれんぼは、いつの間にか、5歳児の“一人暮らし”へと格上げされたのです。
少し寂しくて、少し誇らしい

ついこの間まで、「ママと一緒に寝る!」と言っていたのに。私の腕枕で、安心しきった顔で眠っていたのに。ソファーの隙間で眠る小さな背中を見ていると、「まだ5歳なのに」と「もう5歳なんだね」、そんな気持ちが同時に胸に浮かびます。
少し寂しくて、でも、どこか誇らしい。自分だけの空間を作りたいと思うこと。そこで安心して過ごせること。
それはきっと、世界を少しずつ、自分のものにしていくための練習なのだと思います。
リビングは少し狭くなってしまったけれど、娘が満足そうに過ごしているなら、それでいい。むしろ、そんな姿を見られることが、何よりの幸せなのかもしれません。
(ファンファン福岡公式ライター/yutaka)





