福岡の民話・伝説収集家であるチョコ太郎さんは、子どもの頃から不思議な体験を数多く見聞きしてきました。今回は、チョコ太郎さんが小学3年生のとき、学校の授業で”お化けの音”を作ったことがきっかけで、明治生まれの祖母が語り始めた、お通夜の席でお棺から聞こえた「カ・タ・リ」という音にまつわる話です。
授業で作った”お化けの音”がきっかけで
小学3年生のとき、授業でいろんな音を作る実験があった。私の班のテーマは「お化けの音」だった。あれこれ試したが、下敷きを曲げ伸ばしして作ったホワンホワンという音に決めて発表、クラス中が大ウケだった。
学校から帰って祖母にこの話をすると「お化けの音…怖い音…不思議な音なら聞いたことがあるよ」。そう言うと祖母は話しはじめた。
六つの歳、お通夜で聞いた小さな音

祖母が6歳の時、村のとある家のおばあさんが亡くなった。家ぐるみで付き合いが深く、孫のMちゃんは同い歳の友達だったので祖母も通夜に行った。
「歳も歳だったから仕方ない。大往生だな」。喪主である長男はそう言い、家族もわりとさばさばしていた。
「おばあちゃん、残念だね」「いつも私に優しくしてくれたから、寂しくなるな…」。Mちゃんとそんな話をしていた時に小さな音がした。
…カ・タ・リ
音はおばあさんの入ったお棺から聞こえた。しかし誰もが話すのに夢中で、気が付いていない。Mちゃんを見ると青い顔でお棺の方をじっと見ている。聞いてはいけないような気がして、すぐに家族とその家を後にした。もちろん、おばあさんが生き返るなどということはなく、翌日には葬儀が執り行われた。
二十年後の再会で明かされた、あの音の意味

それから二十年後、Mちゃん家のおじいさんが亡くなった。たまたま実家に帰っていた祖母はお通夜に出かけた。そこですっかりお母さんになったMちゃんと再会したそうだ。
「あの時、おばあさんのお棺から音がしたのを覚えている?」。祖母が、亡くなったおばあさんの通夜の話をしようか迷っていたら、Mちゃんの方から切り出してきた。
「やっぱり聞こえてたんだ!私はずっと気になっていたけど聞けなくて」
「…実はうちの家で誰か亡くなると時々お棺が鳴ることがあってね。その音がしたら次の年に必ず死人が出るんだよ」
「じゃあ…」
「そう。あの次の年には私の兄さんが原因不明の高熱で亡くなったのよ」
そこまで話すとMちゃんは家族に呼ばれ、立ち去って行った。
焼香を終えた帰り際、再び聞こえた音
焼香も済まし、長年の疑問も解け、さあ帰ろうと立ち上がった祖母の背後で音がした。
…カ・タ・リ
(ファンファン福岡公式ライター/チョコ太郎)
※本記事は、ファンファン福岡に掲載された公式ライター・チョコ太郎の連載「祖母が語った不思議な話」で過去掲載された記事を、再構成・再編集したものです。





