思わぬところで飲酒運転になってしまう“落とし穴”があります。自転車も飲酒運転の対象になっていて、前日の飲酒が抜けきらないまま運転してしまう「二日酔い運転」による摘発も目立っています。今回は福岡市が貸し出している専用ゴーグルを使い、飲酒時の視界のゆがみやふらつきを編集部員が疑似体験しました。「うっかり」をなくすため、知っておきたい基礎知識と併せてご紹介します。
手軽な自転車も飲酒運転の対象に
お酒を飲んだ帰り道、「自転車ならいいか」と思っている人…。実はそれ、うっかり違反になります。自転車は道路交通法上「軽車両」として車両に含まれます。

2024年11月に施行された改正道路交通法で、これまで対象外だった「酒気帯び運転」も罰則の対象に加わっています。
違反すれば3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金という重い罰則も。特に福岡都市圏などでは気軽に借りられるシェア自転車が身近な存在となっていますが、その手軽さゆえに「少しだけなら」とつい乗ってしまいがちです。
お酒を飲んだ日は利用しない意識を、徹底しなければなりません。

「一晩寝れば大丈夫」その油断が危険信号
前夜に飲んだお酒、翌朝には抜けていると思っていませんか。

実は缶ビール(500ml)1本分のアルコールを分解するのには約4時間かかるとされ、女性や体重の軽い人は体調、体質にもよりますがさらに時間がかかる傾向があります。しかも睡眠中は肝臓の機能が低下し、同じ時間寝ている場合と起きている場合を比べると、寝ている場合の方が体内に残るアルコール量が約2倍になるという研究結果もあります。
睡眠によってアルコールの分解は加速するのではなく、遅れてしまうのです。アルコールチェッカーを用意することも有効ですし、翌朝運転の予定があれば前夜はお酒を飲まないのが無難です。

命を奪う視界を疑似体験できるゴーグル
福岡市の博多区役所で貸し出している「飲酒状態体験ゴーグル」をご存じでしょうか。昼夜用、飲酒量別で6種類があり、酔った状態の視界のゆがみを疑似体験することができます。

実際に装着すると、「ほろ酔い期」のゴーグルでも視界がぐらり。ビール大瓶5本分に相当する「酩酊(めいてい)期」のゴーグルでは、真っすぐ歩くのが困難に。距離感がつかめず壁や椅子にぶつかってしまいました。この状態で運転するとどうなるか、想像するだけでぞっとします。
「飲んだら乗らない」という当たり前のルールの重みを、体験することで改めて実感しました。ゴーグルは学校や企業、地域のイベントなどで啓発活動に活用されているそうです。

「飲酒運転撲滅宣言の店」1万3,142飲食店が登録
「飲酒運転撲滅宣言の店」では、車で来店した人に帰宅方法を確認するなど、飲酒運転防止に取り組んでいます。

車の利用者には代行業者の紹介や、ハンドルキーパー制度の案内があり、会計時にも「今日はどうやって帰りますか」の声かけが。利用者側もグループなら飲まない人を決めておくと安心ですね。ちょっとした気配りが、みんなの安全な帰り道を支えています。7月31日現在、「宣言の店」は福岡県内で1万3,142店舗が登録されています。

※2026年8月21日号掲載





