「僕を特別な名前で呼んで」バイト先の店長から奇妙な要求の連続…違和感が確信に変わった衝撃の結末

「ドMの店長って呼んで」。これは初めてのバイト先で私が店長から求められた、最初の奇妙な要求です。気さくな店長から次々と向けられる不愉快な言動。「下手な冗談だろう」と思い込もうとしていた当時の私でしたが、今振り返ると「自分の気持ちにフタする必要なんてなかった」と感じた出来事です。

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初めてのバイト先は“当たり職場”のはずだった

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大学入学後に初めて入った飲食店のバイト。気さくで物腰柔らかな店長と、優しい先輩たちに恵まれ「ここは当たりの職場だ!」と喜んでいました。

しかし勤務を続けるうちに、店長に対して違和感を覚えるようになりました。

ほかのスタッフは苗字や名前で呼ばれているのに、私だけ変なあだ名で呼ばれるのです。さらに、私に振ってくる雑談の頻度がやけに多く、内容も業務とは関係のないプライベートなことばかり。それでも私は「新人の緊張をほぐそうとしてくれているんだろう」と前向きに捉えていました。

「ドMの店長って呼んで」

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そんなある日、店長に驚きの一言をかけられたのです。

「〇〇ちゃんってドSでしょ?僕はドMだからさ、バックヤードでは”ドMの店長”って呼んでいいよ!」
あまりにも唐突で意味不明な発言に、私は思わず固まってしまいました。

「アハハ…」と愛想笑いするのが精一杯です。

「店長には奥さんも子どももいる。20歳以上離れた私にちょっかいをかけるわけがない。きっと冗談が下手なだけだ」
女子高を出たばかりで男性とほとんど関わってこなかった私は、無理矢理自分にそう言い聞かせ「不愉快で気持ち悪い」という感情にフタをしました。

止まらない異常な要求

ところが、その後も店長の奇妙な要求は続きました。ある日、先輩とお盆を拭いていたときのこと。突然店長がやって来てこう言ったのです。

「僕をお客さんだと思ってさ、そのお盆を激しく机に叩きつける感じで提供してみて!」
冗談だと思い、また愛想笑いで誤魔化していたら、どうやら店長は本気の様子。

「早く」と催促され、しぶしぶ従うことに…

すると先輩が「それってセクハラですよ!〇〇ちゃんも嫌だったら断っていいんだよ!」とフォローしてくれました。それでもまだ、当時の私は「店長は冗談が下手なだけ」と思い込んでいました。

その後も「〇〇ちゃんはドS、僕はドM」という話題を定期的に振ってくる店長。どうしても私をドS扱いしたがる姿勢に不快感を拭い切れなくなっていたとき、今度はこんな要求をされました。

「テイクアウト商品を袋に入れる時さ、怒ってるみたいに乱暴に入れてみて!」
何とか私にやらせようと、ご丁寧に実演までしてくれる店長。さすがに気持ち悪さが勝り、私はやんわりと「嫌です」と伝えてその場を離れました。

退職後につながった違和感

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店長に対して不快感を抱いていたものの、先輩たちのことは好きだったため、「このバイト先に長く勤めよう」と思っていました。しかしそんな矢先、店長から隣県の店舗への異動をお願いされたのです。

通学経路から外れており時給も下がる隣県への異動。それはこれまでの不快な出来事とも相まって、私にとって退職する理由として十分でした。

退職してから半年後、たまたま異動を打診された店舗の前を通りかかったとき、私は衝撃を受けました。なんとあの店長がそのお店の新店長として働いていたのです。

「もしかして店長は自分の異動先へ私を連れていこうとしたのでは?」
そんな考えが頭をよぎりました。もちろん真相は分かりません。

しかし、これまでの出来事が一気につながったように思え、今まで受けてきた不愉快な言動は単なる冗談ではなく、セクハラだったのだと確信しました。

今だから分かること

当時の私は「妻子持ちの感じ良い人」と「セクハラ」は両立しないと思い込んでいました。しかし今なら、悲しいかな、それらが両立してしまう現実も分かります。

違和感を覚えながらも相手や職場の空気を優先し、自分の気持ちを後回しにしていたあの頃の私。今思えば、不快感や気持ち悪さを覚えた時点で、無理に合わせる必要はなかったのです。

相手の立場や普段の態度に関係なく、嫌だと思ったら断っていいし、その場から離れてもいいのだと、あの経験から学びました。

(ファンファン福岡公式ライター/藤瀬りか)

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