“自分に合うもの”を選んだはずなのに、誰かの一言で急に自信がなくなることってありますよね。通いやすさを優先してジムを選んだ私は、「今の生活には、ここが合ってる」と満足していました。ところがある日、ママ友から思いもよらない言葉をかけられました。
やっと手に入れた“自分の時間”

下の子どもが1歳半で保育園に入ったのに合わせて、仕事に復帰しました。
以前から、私は「仕事を始めたらジムに通いたい!」と楽しみにしていたのです。選んだのは、駅前の大きなジム。プールもお風呂もスタジオもあり、見学では「いいとこ見つけた!」とテンションが上がりました。
ところが実際は、仕事終わりに急いで向かい、ロッカーで着替えて移動しているだけで時間が足りなくなりました。結局いつも、マシンだけで終了でした。
ヨガもプールも「いつか使おう」と思うだけ。しかも月会費は、私にはかなり高額です。そこで思い切って、自宅近くの小さなジムへ乗り換えることにしました。そこはマシンのみで、シャワーもお風呂もありません。
料金は、なんと以前の4分の1ほど。近いので、サッと行って運動して帰れます。結果的に前より通う回数は増え、「今の自分には、こっちが合っている」と感じられました。
「絶対ヤダ〜!」 にフリーズ

そんなある日、ママ友たちとのランチでジムの話になりました。
「どこに変えたの?」と聞かれ、ジム名を伝えると、ひとりのママ友が「あ〜」と微妙な顔をしたのです。
そして、少し笑いながらこう言いました。
「安いジムって、衛生面ちょっと微妙じゃない?」
思わず「え?」となっていると、さらに、
「ロッカー、男女一緒なんでしょ? え〜、絶対ヤダ〜!」と続けたのです。
もちろん、更衣室は男女別。ロッカーエリアが共用なだけでした。でも、その言い方に私は一気にモヤッとしてしまいました。
(いや、今そこ通ってる本人が目の前にいるけど!?)
そう思ったものの、とっさにうまく返せません。
…というのも、実は私自身、ロッカーには最初は少し戸惑ったのです。ロッカーにバッグを入れるときに、汗だくの人が使っていたら嫌だなと考えたり、なんとなくにおいがこもってそう、と感じたり。「うーん…」と思ったことはあります。
そのため、「全然平気!まったく気にならない!」とも言い切れなかったのです。とはいえ、それを“安いから微妙”とまとめられると、なんだか違う気もしました。私は曖昧に笑いながら、お水を飲むしかありませんでした。
なんだか居心地の悪い空気に
すると、その場にいた別のママ友が、「へぇ〜」と苦笑い。誰も何も言わないまま、変な空気だけが流れます。
発言した本人は悪気がないのか、
「私は、ちゃんとしたところじゃないと無理〜」とまだ笑っていました。
私は、なんだか急に気まずくなったのです。
高いジムを選ぶのは自由です。設備を重視する人がいてもいいと思います。でも、“安い=微妙”みたいに言われると、通っている側としてはあまりいい気持ちはしません。
(なんか、バカにされた感じするな…)
そんなことを考えながら、私はテーブルのおしぼりを意味もなく折りたたんだりしていました。
空気を変えた“一言”

そのとき、それまで静かだった別のママ友が、ふと口を開いたのです。
「でもさ…。それって、使ってる人に失礼じゃない?」
その瞬間、場の空気がシンとなりました。そして彼女は、少し笑いながら続けます。
「そもそも運動するのが目的なんだし、通いやすいのが一番じゃない?」言われたママ友も、
「あ、いや、そういう意味じゃなくて!…ごめん」と急に慌て始めます。
私は心の中で、
(ほんと、それ!)
と何度もうなずいていました。
強く否定したわけでもなく、誰かを言い負かしたわけでもありません。でも、「その言い方は違うよね」と自然に言葉にしてくれたことで、胸の奥に引っかかっていたモヤモヤが、スーッと軽くなった気がしたのです。
帰り道、「今日もジムに寄ろうかな」と考えながら、私は少しだけ足取りが軽くなっていました。
プールもお風呂もない。ロッカーに少し気を使うことだってあります。それでも、今の生活の中で無理なく通えて、「今日も行こうかな」と思える。私には、それで十分だったのです。あのママ友の一言で、「これでいいんだ」と、素直に思えた気がしました。
(ファンファン福岡公式ライター/大空 琉菜)





