「お母さんは絶対にダメー!」沈黙が続くPTA役員決め、年中の息子が大泣きした理由とは

静まり返る教室、誰もが目を合わせない幼稚園のPTA役員決め。断れない性格の私は絶体絶命のピンチでした。その時、足元にいた息子が放った必死すぎる叫び。大人の事情を打ち破った、子どもの純粋な視点に救われた体験記です。

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幼稚園のPTA役員決めの日

写真AC

息子の幼稚園へ向かう道中から、私の気持ちはどんよりしていました。それは今日がクラス担当役員決めの日だからです。ちょうどその時、私はすでに地元の自治会で役員が当たっていました。もしPTAの役員を引き受けることになった場合、不器用な性格の私はこれ以上の掛け持ちは体力的にも精神的にもキャパオーバーだと感じていたからです。

教室に到着し、いつものように先生からの挨拶や周知事項の説明が終わった後、いよいよPTA役員決めの議題に入りました。

「…どなたか、クラス担当役員をやってくださる方はいませんか?」

担任の先生がそう問いかけますが、急に教室内の空気が変わりシーンと静まり返ったまま。誰もが下を向き、目を合わせないようにしている独特の重苦しい空気が流れていました。

あるお母さんからの思わぬ誘い

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役員枠は2名。その場で募ったところ、まず1人目のお母さんが立候補しました。 しかし、そのお母さんは「強引なタイプ」として有名な人で何でも自分のペースで物事を進めてしまうタイプ。「もしこの人とペアを組むことになったら、1年間精神的に持たない」そんな思いが頭をよぎった次の瞬間、そのお母さんから

「〇〇さん一緒にしよう!」と強引に誘われたのでした。

心の中で「何で私が?絶対に避けたいけれど逃げ場がない」そう思うと冷や汗が止まらない感覚でした。

覚悟を決めた瞬間の出来事

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周りのお母さん方もそれぞれ事情を抱えています。兄弟児がいる方やお仕事をされている方も多く、なかなか手が上がりません。私は専業主婦で子どもも息子一人だけ。そんな事情もお互い知っている間柄で、客観的に見れば「一番引き受けやすそうな人」であり、沈黙が続くほど「もう、私がやるしかないんだ…」と覚悟を決めようとしていました。

その時です。私の足元にいた年中の息子が、突然、火がついたように泣き出したのです。「お母さんはダメ!絶対にダメー!」あまりに一生懸命な叫びに、お母さん方の視線が一斉に私たち親子に集まりました。

驚いた先生が「大丈夫だよ」となだめ、息子の肩に手を置きましたが、息子はその手をパッと振りほどきました。 普段はどちらかといえば大人しく、先生に反抗するようなタイプの子ではありません。息子が、これほどまでに激しく何かを拒む姿に私も驚きました。息子のただならぬ様子に、教室の空気が一気に変わったのを感じました。

「どうしてこの子が、これほどまでにお母さんを止めているんだろう?」 そんな不思議な熱気が伝わったのかもしれません。隣にいたママ友が、静かに口を開きました。

「…○○君がそんなに嫌がっているなら、私がやるよ」

彼女も私と同じ、専業主婦で一人っ子の家庭でした。同じ状況なのに、私の困り果てた様子と、必死に私を守ろうとする息子の姿を見て、声を上げてくれたのです。

「ありがとうございます…!」私は、心から彼女へ感謝しました。

忘れられない役員決めの一日

なぜ息子がこれほど騒いだのか、なんとなく分かった気がしました。私が数日前から「役員になったら大変だな」と不安そうにしていたのを、幼いなりに感じ取っていたのでしょう。

キャパシティの狭い私のピンチを、彼なりに察知して、必死で守ろうとしてくれたのだと思います。おかげで私は自治会の役員に専念することができ、無理をして笑顔を消してしまうような事態を免れることができました。

息子の予想外のアシストと手を挙げてくれたママ友に助けられた、あの役員決めの日。今では、私の心を守ってくれた二人への感謝の気持ちが、温かい思い出と共に残っています。

(ファンファン福岡公式ライター/hitoyume)

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