家族みんなで遊びに行った大きな公園で「ママがいない」と泣く女の子に出会いました。すると、7歳の息子がその女の子の手を握って励まし、誰に言われることもなく一緒にお母さんを探す姿に驚かされました。小さなころは自分が迷子になっていた息子の成長を感じ、胸がじんわり温かくなった出来事です。
楽しい公園での休日が一変

休日のある日、家から少し離れた大きな公園に家族で遊びに行ったときのことです。そこは、山の中にある広い公園で、広場がいくつもあり、散歩コースも整備されていました。
普段はなかなか来られない場所に、子どもたちは大喜び。広場でお昼ご飯を食べて、遊具で思い切り遊んだあと、「少し散歩してから帰ろうか」と家族で歩いていました。
自然に囲まれた道で花を見つけたり、虫を探したりしながら歩いていると、5歳くらいの女の子が前から大きな声で泣きながら歩いてきました。周りには、私たち以外の大人の姿は見当たりません。
女の子は私たちのところへ近づいてくると
「ママがいない…」と泣きながら話したのです。
詳しく話を聞くと、少し前まで近くの広場で遊んでいたところ、気が付くとお母さんの姿が見えなくなってしまったようでした。
泣く女の子を見て駆け寄ってきた息子

すると、私から少し離れたところで虫探しをしていた7歳の息子が駆け寄ってきました。
「どうしたの?ママいなくなったの?」
そう声をかけると、女の子は泣きながら何度も首を縦に振ります。
息子はさらに「ママは何色の服着てるの?」「髪の毛の長さはどれくらい?」と質問を始めました。
そして、「一緒に探しに行こう」と言って、女の子と手をつなぎ、歩き始めたのです。しかし、私たちが歩いていた道にはほとんど人がおらず、女の子の家族らしき姿は見当たりません。
来た道を戻り、女の子が最後にお母さんといたという広場まで行ってみました。息子は女の子の手を引きながら
「あの人はママじゃない?」「あっちかな?」と一生懸命探しています。
しかし、広場を見渡しても女の子のお母さんらしき人を見つけることはできませんでした。
管理室へ向かう道中

広場は他にもあったので、もし、女の子のご家族も探しているなら、行き違いになってしまうかもしれません。夫と相談し「管理室へ連れて行こう」ということになりました。
私たちがいた場所から管理室までは少し距離がありました。みんなで歩いて向かうことになったのですが、その道中も息子はずっと女の子に話しかけ続けています。
「お名前なんていうの?」「何歳?」「誰と来てたの?」「ママも絶対探してるよ」
最初は不安そうにしていた女の子も、少しずつ表情がやわらいでいきました。
気付けば、最初は泣きじゃくっていた女の子が泣き止み、息子と楽しそうに会話をしています。普段から誰とでもすぐ仲良くなれる息子ですが、困っている子を助ける姿は見たことがありませんでした。
昔は迷子だった息子が見せてくれた成長
管理室へ到着してから、すぐに公園内に迷子のアナウンスをしてもらいました。
しばらくすると、女の子のお母さんが駆けつけてきました。女の子は「ママー!」と笑顔で抱きつき、お母さんも安心した様子です。その姿を見て、私たちもようやくホッとしました。息子も嬉しそうに
「ママ見つかってよかったね」と女の子に声をかけていました。
実は、息子は小さいころはよく迷子になる子でした。数秒目を離した隙にいなくなり、お店で迷子のお知らせをしてもらったこともあります。そんな息子が、不安で泣いている子の手を取り、ずっと寄り添い続けていたのです。その姿を見て、胸がじんわり温かくなった一日でした。
教えられなくても、相手を安心させる言葉をかけ、一緒に考え、行動する。子どもは親が思っている以上に、毎日少しずつ成長しているのかもしれません。
(ファンファン福岡公式ライター/Rina.M)





