「気にしすぎなところもありますよね」妊娠中のフレンチで店長が放った”無神経な一言”にフリーズ…夫の返答に救われた話

妊娠中の結婚記念日に訪れたフレンチで、事前に配慮を伝えていたのに半生の肉が提供され、さらに店長の一言にモヤモヤ…。夫のやさしい返答に救われ、自分たちの選択を大切にしようと思えた、忘れられない出来事の結末とは。

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久しぶりの夫婦時間に胸が弾んでいた

写真AC

二人目を妊娠中のある日。夫が「結婚記念日に美味しいものを食べに行こう」と、フレンチのお店を予約してくれました。

まだ小さい上の子は私の母に預ける段取りまでしてくれていて、完全なサプライズ。その気持ちがうれしくて、当日は朝から少しそわそわしていました。

お店は、普段の生活圏から少し離れた場所にある、落ち着いた雰囲気のフランス料理店。子どもが生まれてからはなかなか行けなかったような場所で、それだけで特別な時間に感じられました。

席についてからは、久しぶりにゆっくりと夫と向き合う時間。たわいのない会話をしながら、穏やかな時間が流れていきます。そんな中、夫がふとこう言いました。

「予約のときに、妊娠中って伝えてあるからね。生ものとかは避けてもらうようにお願いしてる」その気遣いにも、じんわりと温かい気持ちになりました。

安心していたからこそ感じた小さなズレ

コース料理が始まり、前菜が運ばれてきました。「奥様は妊娠中とお伺いしておりますので、しっかり火を通しております」そう丁寧に説明してくださり、お店側の配慮にも安心しながら食事を楽しんでいました。

ところが、メインのお肉が運ばれたとき、私の分も、夫と同じくらいのレア状態だったのです。

「えっ…?」と一瞬戸惑いながらも、お腹の赤ちゃんのことを考えると、そのまま食べるのはやっぱり不安で…夫が少し申し訳なさそうに店員さんに声をかけてくれました。

「すみません。妻が妊娠中なので、もう少し火を通していただけますか」

私も一緒に「すみません」と頭を下げながらお願いしました。店員さんはすぐに「申し訳ございません。すぐに対応いたします」と丁寧に対応してくれました。

店長の“何気ない一言”に空気が変わった

再度お料理が運ばれてきたとき、席に来てくれたのは店長でした。

「事前にお伺いしていたにも関わらず、申し訳ございませんでした」と丁寧に謝罪してくださり、私たちも慌てて「いえいえ、こちらこそ無理を言ってすみません」と返しました。

和やかな空気が流れ、「お料理とても美味しいです」と会話をしていた、そのときでした。店長が、にこやかな表情のままこう言ったのです。

「今の時代、妊娠中だからといって何でもかんでも食べちゃいけないって…気にしすぎなところもありますよね。僕の妻なんて、お刺身でも何でも食べてましたけど、子どもは元気に育ってますよ」

その一言に、胸がギュッと締め付けられました。悪気がないことは分かる。責められているわけでもない。でも、自分たちが「赤ちゃんのために」と選んでいる行動を、軽く否定されたように感じてしまったのです。

「気にしすぎなのかな」「こんなことで引っかかる私がおかしいのかな」そんな思いが、頭の中をぐるぐると巡りました。

夫の一言で救われた気持ちと、気づいたこと

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そのとき、私の様子に気付いたのか、夫がやわらかく言いました。

「そうですよね。でも、産婦人科の先生にも控えるように言われていますし、万が一何かあったらと思うと怖いので、気をつけているんです」穏やかな口調で、でもはっきりと。

その言葉を聞いた店長は、少し驚いたように「病院の先生に言われるんですね。時代は変わったんですね」と返しました。それ以上、その話題が続くことはありませんでした。

私は、夫の言葉を聞きながら、張りつめていた気持ちがすっとほどけていくのを感じました。ああ、ちゃんと分かってくれている人が隣にいる。それだけで、こんなにも安心できるんだと。

きっと、価値観は人それぞれ。「気にしすぎ」と思う人もいれば、「できるだけ避けたい」と考える人もいる。どちらが正しい、という話ではないかもしれません。でも、自分やお腹の赤ちゃんを守るために選んだ行動を、自分たちで納得して大切にしていくこと。そして、それをそっと支えてくれる人がそばにいること。その大切さを、あの日改めて感じました。

少しだけ苦い思い出になった結婚記念日。それでも、夫の優しさを強く実感できた、忘れられない一日になりました。

(ファンファン福岡公式ライター/Rina.M)

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