佐賀県のラーメンの魅力を全国に、そして世界へ発信する「SAGAラーメンプロジェクト」。もとよりラーメンを愛し、本プロジェクトを推進する4人の中心人物が、それぞれの視点をもってSAGAラーメンについて語り合いました。
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第1部の様子はこちら
【登場人物 プロフィール】
モデレーター:
◎佐賀県 産業労働部 産業政策課 西岡 貴弘
スピーカー:
◎小川 祥平……ラーメン記者。著書に『ラーメン記者、九州をすする!』と続編の『替え玉編』。
◎上村 敏行……九州のラーメンを知り尽くすラーメンライター。ライター歴約30年。1万杯以上を完食し、取材したラーメン店は3000軒超。
◎中野 星次……株式会社佐賀新聞社。佐賀のグルメを27年間食べ歩く。
第1部:世界を飲み込む「TONKOTSU」~なぜ今、世界は豚骨を求めているのか?~
西岡:海外で日本食と言えばやっぱり「寿司」ですが、最近注目されているのが「豚骨ラーメン」です。「豚骨」といえば佐賀ラーメンを思い浮かべてもらえるようになるのが私たちの理想ですが、ところでなぜこれほど「豚骨」が注目を集めているのでしょうか?
小川:海外進出店の方に話を聞いても、やはり豚骨が圧倒的に人気だと言います。海外では、スープの表面の油(脂)を嫌う方が多いらしいのですが、豚骨の場合はスープが乳化していてそれがわかりにくいし、インパクトがあるわかりやすい味をしています。そのへんが海外でウケているんだと思います。
上村:日本のラーメンは“COOL”であり、なかでも豚骨が圧倒的に人気なのは間違いありませんね。日本で「非豚骨」という言葉が生まれたように、「ハラル」や「ビーガン」といった概念(=言葉)が広がる一方で、その対極にある「豚骨」がむしろ輝きを放っているとも感じます。みんなが「豚骨」の魅力に気付きはじめているのでは。
以前はラーメンの味を現地に寄せていたこともありましたが、箸を使って食べるスタイルも含めて、今では海外の方々も日本と同じ“本物”を求めています。豚骨の匂いが苦手な方も多いのですが、それが豚骨ならではの「良さ」に変わってきたようにも思います。
西岡:ファンの裾野が広がるなかで、新たな魅力も発掘されているんですね。そうした海外の“本物志向”って、どこから生まれたんでしょうね?
小川:実は私、2000年ごろにイギリスに住んでいたことがありました。当時はラーメンと天ぷらが一緒に出てくるような飲食店が多く、ラーメンをめぐる環境は今とはまったく別物でした。
西岡:福岡の「一風堂」が出店したことも大きかったのでしょうか?
小川:そうですね。2008年にニューヨークに出店し、海外初進出を果たした「一風堂」。2014年にロンドン、2016年にパリ出店を果たすなど、現地の方々にとっては本物の味がぐっと身近になりました。私自身、その後何度か海外でラーメンを食べていますが、実体験を振り返ってもそのレベルが年々上がっているのを実感します。

西岡:最近では「コト消費」としての体験も求められています。ラーメン店の厨房での湯切りやライブ感も楽しまれていますよね。日本らしい繊細な味わいはもちろんのこと、麺の硬さやトッピングを選べる自由さ、カウンター越しに見る調理のライブ感も魅力につながっているのでしょうか。
中野:同感です。県外からのお客さんをラーメン店に連れていくと、目の前で麺をゆでたり湯切りしたりする様子を見て、驚かれる方がたくさんいらっしゃいます。海外の方は「あんなに目の前で!」と、調理の音なども含めて楽しんで写真を撮っていますね。
上村:寸胴から豚頭(スープをとるための豚の頭の骨)なんて出てきたら、さらにびっくりでしょうね(笑)
中野:そうそう。ぼくら佐賀県民にとって当たり前だったことが実は新鮮であり、価値なんだと気が付きました。
西岡:東京でも豚骨ラーメン店が増えてきていますよね。私も以前に比べて、県外の方から「ラーメン店に連れて行ってよ」とよく頼まれるようになりました。
上村:今や海外でも全国各地のラーメンが知られるようになり、「日本の」ラーメンから、「地域の」ラーメンへ、人々の関心が移っているように感じています。世界を席巻している豚骨を中心に、そのムーブメントが進んでいる。その点で、福岡・久留米を中心に各県に広がりを見せる九州の豚骨ラーメンはストーリーとしても魅力があり、国内外のラーメンファンの心をくすぐるのでは。大きな可能性を感じています。
小川:近年では、吉野家HDがヨーロッパや東南アジアでラーメン事業を本格的に展開していますね。
上村:ラーメン店の北米進出も増えています。
西岡:ビジネスとしても、ますます「ラーメン」の注目度が上がっているわけですね。
上村:大手がシステマティックに海外展開を続ける一方で、九州には昭和の時代から続く“1軒のラーメン店”が数多く残されている。ぼくらが親しんできたそんな昭和スタイルのラーメンこそ、これからも大事にしていきたいですよね。
~次回「佐賀ラーメンの歴史とルーツ」に続く~
佐賀県では飲食産業ブランド化プロジェクト第1弾として、佐賀県のラーメンのブランディングに取り組んでいます。ジャンルを問わず県内のさまざまなラーメン店を対象に、店の歴史やこだわりを深掘りし、ファンを惹きつけるストーリーとして発信。WebやSNSを通じて県内外、そして海外へその魅力を届け、多くのラーメンファンを獲得していきます。
詳しくはこちら: https://saga-ramen.jp/
SAGAラーメン店舗の魅力をnoteで連載中:https://note.com/saga_ramen
つづきはこちら
■SAGAラーメンプロジェクト「ラーメン座談会」第2部・豚骨ラーメンと佐賀ラーメンの歴史とルーツ
https://fanfun.jp/?p=306534
