高校生の娘から、「財布を拾ってくれた人から連絡があって、受け取りに行ってくる」と報告が。 受け取り場所に指定されたのは、アパートの一室でした。財布は無事に戻ってきたけれど…なんとなく怖くなった出来事です。
娘から「財布を落とした」と相談

ある日のこと、高校生の娘から相談がありました。
「財布を落としちゃったんだけど、拾ってくれた人がいたみたい!」
どうやら、財布を拾ってくれた男性が、財布に入っていた連絡先を見て娘に連絡をくれたようです。
「明後日待ち合わせしてるから、取りに行ってくる!」
「それはよかったね。どこで受け取るの?」
そう聞くと、娘はスマホを見ながら答えました。
「僕の会社で受け渡ししましょうって言われた」
財布が見つかったことにホッとしたものの、私は少し引っかかりました。
「会社ってどこ?」
娘に確認すると、男性から受け渡し場所の住所が伝えられているとのこと。
念のため調べてみると、そこはオフィスビルではなく普通のアパート。
「ねえ…これ、本当に会社なの?」
アパートを会社として登記している人がいることは知っていましたが、どうしても不安でした。
オフィスビルであれば大勢の目があるし、受付などで受け渡しすることも可能です。でも、アパートで1対1の受け渡しとなると、このまま娘を送り出していいか自信が持てませんでした。
受け取りには夫に行ってもらうことに

娘の財布には、顔写真付きの生徒証が入っていました。中を開けば顔も名前もわかります。つまり、その男性は財布を拾った時点で、相手が高校生の女の子だとわかったことになります。
「…ちょっと待って。これ、何かおかしくない?」
心配になった私はそう言いましたが、娘は
「そうかな?」という反応。
その様子を見て、私は心配になりました。
そこで、私はすぐに夫に相談することに。
「財布を拾ってくれた人から連絡があったんだけど、受け渡し場所に会社を指定されてるんだって。でも調べたら普通のアパートみたいで…」
夫も受け渡し場所を確認すると、少し考えてから言いました。
「それなら、本人を行かせるのはやめたほうがいいんじゃないか」
やっぱり、夫も同じように感じたようです。
「謝礼も、俺が持っていくよ」
そこで、夫が代わりに財布を受け取りに行き、娘には家で待っていてもらうことにしました。
正直、財布を拾ってくれた人なのだから、こちらが疑うのも申し訳ない気持ちはありました。でも、万が一のことを考えると、高校生の娘を一人で行かせるわけにはいきません。
そして、財布を受け取りに行った日。謝礼を渡して、財布を返してもらった夫は、怒った様子で帰宅しました。理由を聞くと、
「本当にあなたが落とし主の親だって証明できるんですか?」「本人を連れてきてください」などと言われ、なかなか財布を渡してもらえなかったそうです。
「本人を連れて行かなくてよかったよ」
夫の言葉を聞いて、私は胸をなで下ろしました。もし娘本人を連れて行っていたら…。そう考えると、今でも怖くなります。
娘と防犯について再確認

確かに、財布と生徒証は無事に戻ってきました。でも、安心して終わり、とはなりません。財布を拾った男性に、娘の学校名、名前、顔写真が伝わってしまったのです。
それからしばらくの間、私は娘を送迎することにしました。ところが、娘本人はというと、全く危機感がありません。
「財布を拾ってくれただけじゃないの?」「お礼を伝えて受け渡しをするだけなのに、何がそんなに不安なの?」
そんな感じでした。
でも、今回のことをきっかけに、私は娘と改めて防犯について話をしました。
知らない人に一人で会わないこと。少しでもおかしいと感じたら、すぐに家族に相談すること。これくらい大丈夫と自分で判断しないこと。
高校生になり、行動範囲も広がってくると、常に親が付き添うというわけにはいきません。だからこそ、自分自身で「何かおかしい」と気づく力を持ってほしいと考えています。
年頃の子どもを持つ保護者の皆さんには、子どもは想像以上に危機感を持っていない前提で、ぜひ防犯について確認してほしいと思います。
(ファンファン福岡公式ライター/わたなべ)





