子育てサロンで出会った、初めてできたママ友。丁寧な育児をする姿に、「すごいな」と感心していました。ところが、お宅に招かれた日、赤ちゃんのための別室と、ずらりと並ぶ大量の肌着に違和感を覚えます。その違和感の正体は、私のおむつ替えによってはっきりしたのです。
10歳年上の初めてできたママ友

子育てサロンで出会った10歳年上のママ。お互いが初めてのママ友で、二人とも男の子を育てていたということもあり、自然と仲良くなりました。
彼女は、待ち合わせには必ず早めに到着し、持ち物もいつも準備万端。離乳食も手作りを欠かさず、子育てにとても丁寧に向き合っていました。
「こんな完璧な育児ができるなんて、すごいなぁ」
大雑把な私は、彼女に感心するばかりでした。
一方で、距離が縮まるにつれて
「授乳時間はきっちり決めたほうが良いよ」「この育児グッズを用意したほうがいいよ」
彼女からのアドバイスも増えていきました。親切心からだと思って笑って受け止めていましたが、心のどこかで小さなモヤモヤが積み重なっていったのです。
お宅訪問で見えた育児へのこだわり

仲良くなってしばらくした頃
「よかったら家に遊びにこない?」と誘ってもらいました。
お宅に伺うと、綺麗に片づけられた部屋に、最小限の家具が置かれているリビング。おもちゃも木の積み木や知育玩具が中心で、素材にもこだわってるとのこと。
「やっぱり丁寧な人なんだな」と感じる空間でした。
ところが、リビングの隣の部屋を見たとき、私は思わず目を見張りました。そこには、不自然なほどずらりと干された、大量の赤ちゃんの肌着。
「まとめて洗濯したのかな?」そう考えて、あまり気にしませんでした。
しばらくすると、お昼寝の時間になりました。ママ友の子は激しく泣き出し、抱っこしてもミルクをあげようとしても一向に泣き止みません。
「うちの子、ちょっと音に敏感だから…」
彼女はリビングから離れた静かな別室へ子どもを連れて行き、必死にあやしていました。
どこでも寝てしまう我が子とは大違いで、張り詰めた空気の中、必死なママ友を見て「丁寧な子育てって大変なんだな」と感じていたとき、戻ってきた彼女がすでに眠っている私の子どもを見てポツリと言われました。
「私の子は敏感だから本当に大変…。あなたの子は、のんびりしていていいよね」
悪気はないのかもしれないけれど、どこか見下されたような、トゲのある言い方に少し引っかかりましたが、私は苦笑いするしかありませんでした。
「締め付けすぎ!」突然声を荒げたママ友

帰る前に、おむつだけ替えさせてもらうことにしました。いつも通りに替えていたのですが、その途中、視線を感じて顔を上げると、ママ友が私の手元をじっと見つめているのです。
まるで、私のおむつの替え方を採点されているかのような居心地の悪さを感じながらも、無事に終えてテープをすこしきつめに、キュッと留めたその瞬間でした。
「そんなに締め付たら、かわいそう!」
突然、大きな声が部屋に響いたのです。
「大人だって、苦しいでしょ!?」
本気で怒っている彼女に私は驚きながらも、私は言い返しました。
「え? でも、ゆるいと漏れちゃうし…」
すると彼女は呆れながら言ったのです。
「漏れてもいいのよ!汚れたら洗えばいいだけじゃない!」
その一言を聞いた瞬間、私の視線は「大量の肌着」へと向かいます。理由がわかると同時に、私とは全く違う価値観の象徴のように見えました。この件をきっかけに、私はママ友から少しずつ距離を置くようになりました。
ママ友との最後の会話
しばらくして私の仕事復帰がきまったとき、そのことを伝えると彼女は哀れむような目でこう言ったのです。
「え、働かなきゃいけないの?大変だね」「こんなに小さいのに保育園に預けるなんて、かわいそう」
それが、私たちの最後の会話になりました。
今思えば、彼女の言葉は親切心というより、「自分の育児が正しい」という自信から出たものだったのかもしれません。年下の私だったから言いやすかったのか、それとも価値観がまったく違っただけなのか、本当のところは分かりません。
自分の価値観を押し付けないことが、ママ友としての付き合いを続けるには何より大切なのだと感じた出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/すぅ)





