【実食検証】アジフライに味ぽん? 福岡の人気店で調味料対決してみた〜ファンファン調査隊〜

目玉焼きには何をかけて食べるか―。しょうゆ、ソース、塩こしょう。さまざまな調味料があり、しばしば論争が巻き起こってきたテーマではないでしょうか。そして近年、全国的にアジフライ人気が高まっています。昔ながらの食事どころだけでなく、カフェや持ち帰り店でもメニューとして見かけるようになり、私たちの食生活への登場機会も増えてきました。親しまれると同時に、論争が巻き起こっています。アジフライにはどの調味料が合うのか…と。

目次

しょうゆ、ソース、タルタル…さっぱり系の「味ぽん」に魅了

編集部が取材に向かったのは、三陽食堂長浜本店(福岡市中央区)。幅広く水産事業を展開する「三陽」が手がけるアジフライが看板メニューの食堂です。食堂の松尾颯斗さんによると、2022年7月にオープンした長浜本店の1番人気はアジフライ定食(930円)。アジのフィレがこんがりとフライになって3枚ついてきます。アジフライ食べ放題定食(1,150円)も人気が高いそうです。

意外な組み合わせにハテナ

卓上には、ウスターソースと、しょうゆという定番の調味料に加えて、「味ぽん」が並んでいました。店舗スタッフによると「7~8割のお客さまが味ぽんを使われますよ」とのこと。意外な調味料に面食らいました。ファンファン福岡編集長は生粋の「しょうゆ派」。タルタルソースは好きな方ですが、ウスターソースを好んで使ったことは今までありませんでした。もちろん、味ぽんも…。

早速、アジフライ定食が運ばれてきました。まず1枚目は好みのしょうゆ。慣れ親しんだ味でやはりおいしい。アジフライのサクサクの衣がふやけることもなく、奥深い味わいになります。続いて2枚目はウスターソースで。長崎県のメーカーのもので、スパイスが利いた風味がアジフライにマッチします。二口目ではタルタルソースも付けました。最後の3枚目は初めて味ぽんでいただくことに。冬場の鍋料理では愛用する調味料ではありますが、果たしてアジフライにも合うのでしょうか…。

爽やかな酸味 アジ引き立て

正直なところ、驚きました。酢やかんきつ系の酸味がアジの身のうまみを引き立ててくれているのがよく分かります。揚げ物の油っぽさを軽くして、思わず「もう1枚!」と言いそうになりました。お客さんの7~8割が愛用するのも理解できた気がします。松尾さんによると、ウスターソースやタルタルソースは調味料としては味が濃いめなので、味ぽんだと「さっぱりして食べやすい」という声が多いそう。「意外と合うね」と驚かれることもあるんだとか。

調べてみると、「味ぽん」を製造するMizkan(愛知県半田市)が興味深い調査データを持っていました。味覚データなどに関するコンサルティングを行うOISSY(東京)と、慶応義塾大が開発した味覚センサーAIを用いて、よくアジフライにかけて食べられる調味料との相性度を測定したところ、定番のソース、タルタルソースを抑え、アジフライとの相性が最も良かったのは「味ぽん」だったというのです。比較対象の中で1番の相性という結果が導き出されたとのこと。科学的な分析結果と、自分の舌が合致していてちょっと一安心でした。

アジフライブームは流行から文化の一つに

水産業が盛んな長崎県松浦市が2019年に「アジフライの聖地」宣言をし、冷凍技術の進化で、全国どこでも鮮度の良いアジが取り扱えるようになったことで、それまでの家庭料理のイメージから、アジのうまみと鮮度を生かした「究極のふわふわサクサク食感」を楽しむ専門店メニューへと〝格上げ〟されました。最近では流行を超えて専門店や、一品料理として新たに加える飲食店も増えています。

ついに決着! アジフライに何をかけるか問題

MizkanとOISSYが味覚センサーAI 「レオ」を用いた調査で、AI「レオ」がアジフライと調味料の相性を測定。定番のソースなどを抑え、「味ぽん」が最高得点の97.3点を記録しました。

アジフライとの最強組み合わせ調味料ランキング ※満点は100点

1位 味ぽん 相性度:97.3点
2位 タルタルソース 相性度:97.0点
3位 ソース 相性度:95.6点
4位 しょうゆ 相性度:95.3点

博多の水炊きがヒントに?「味ぽん」開発秘話

「味ぽん」の誕生に、あの福岡グルメが深く関わっていたことはあまり知られていません。昭和30年代までは、かんきつ類の果汁の品質を保つことが難しかったといいます。創業家出身の社長だった7代目中埜又左工門が福岡市内の水炊き料亭で取引先と会食した際、ぽん酢のおいしさに感動し、開発が始まりました。1967年秋に「ミツカン 味ぽん酢」として全国発売されることになりました。

三陽食堂 松尾颯斗さん

「取りそろえているいろいろな調味料で〝アジ変〟を楽しんでみてくださいね」と、三陽食堂の松尾颯斗さん。

ラッピング列車快走! 高まるアジフライ熱、米国進出も

アジフライと味ぽんをデザインした松浦鉄道ラッピング列車の出発式

調味料メーカーのMizkan(ミツカン、愛知県半田市)の主力商品「味ぽん」と、アジフライをあしらった松浦鉄道のラッピング車両が沿線を快走しています。「アジフライの聖地 松浦」を宣言した長崎県松浦市の情報発信にミツカン側が着目。車内のつり革にアジフライの食品サンプルを取り付けた人気車両「アジフライの聖地松浦号」に、味ぽんとアツアツのアジフライのデザインを施して走らせることを提案しました。

列車内にはアジフライの食品サンプルがついたつり革も

松浦鉄道は佐賀県の有田駅から松浦市内を通り、長崎県の佐世保駅までを結ぶ第三セクターの鉄道。ラッピング列車は2024年6月から1年間の運行を予定していましたが、好評のため期限を延期して現在も運行が続いています。

そしてアジフライはついに海を渡りました。長崎県松浦市産のアジフライが2026年3月から、ダルビッシュ有選手、松井裕樹選手が所属する米大リーグのサンディエゴ・パドレスの本拠地球場で提供されています。

アジフライを製造・販売するのは水産物卸売業の三陽(福岡市)で、松浦市で水揚げされたアジが主に使われています。プロ野球福岡ソフトバンクホークスの本拠地「みずほPayPayドーム福岡」(福岡市)で2024年のシーズンに発売した「鷹のアジフライ」の人気が高いことをパドレス球団幹部が知ったことがきっかけで実現しました。

三陽食堂

住所:福岡市中央区長浜2-3-6 三陽長浜1階
電話:092-791-3446
営業:11:00〜14:00
休み:土、日曜
URL:https://sanyo-jp.co.jp/
※2026年5月29日号掲載

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