Re:祖母が語った不思議な話・拾漆(17)「西向け」

私が小さい頃、明治生まれの祖母はちょっと怖くて不思議な話をたくさん聞かせてくれました。祖母の思い出とともに少しずつアップしていきます。
※「祖母が語った不思議な話」シリーズは現在も連載中ですが、サーバー変更にともない初期の話が消えてしまったので、再アップしていきます。

イラスト:チョコ太郎(協力:猫チョ製作所)

「面白いものがあった!」
小学校低学年の頃、一緒に散歩していた夕暮れ時に枯れ葉の下から何かを取りながら祖母が言った。

「何?」と聞くと祖母は右手を広げた。
そこに乗っていたのは3〜4cmくらいの茶色い虫のさなぎだった。

祖母はさなぎの頭を下に向け親指と人差し指ではさむと、こう言った。
「西向け!」
するとさなぎはお尻をグイっと陽が沈みかけている方向に向けるではないか!
「東向け!」と祖母が唱えると、反対に動く!

「やらせて!」…私が真似しても全然動かない。
「おばあちゃん、すごいな〜虫をあやつれるなんて!」
大変感心して、このことはずっと忘れなかった。

大学生になり夏休みに実家に帰ると、庭にあの日見たのと同じさなぎがいた。

「おばあちゃん、昔このさなぎをあやつったよね」
私の言葉をきくと、祖母は笑い出した。
「あれはね、西向け・東向けって言うのと同時に、はさんだ指に少し力を入れるのよ。それに反応して蛹は動いたの。不思議な力と思ったかい?」
そう種明かしをすると、もう一度祖母は満足そうに笑った。

チョコ太郎より

初期話が消えてしまったので、あらためて読めるようにアップしていきます。また、「新・祖母が語った不思議な話」も連載中ですので、ご希望や感想、「こんな話が読みたい」「こんな妖怪の話が聞きたい」「こんな話を知っている」といった声をぜひお聞かせください。一言でも大丈夫です!下記のフォームからどうぞ。

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