実家のご近所さんは、大声でお喋りな豪快奥さん。自宅には高価な骨董品がズラリと並ぶお金持ちですが、実は超がつくほどの倹約家でした。ある日、彼女が孫3人が遊びに来たときに渡す「お小遣いの額」を知り、私は思わず絶句してしまいました。
「え、1人じゃなくて?」耳を疑った、お孫さん3人へのお小遣いの額

「孫が3人集まったからね、1,000円を渡したんだって」
実家の母からその話を聞いたとき、私は「まぁその位かな?」と思いました。
よくよく聞くと「3人で1,000円」だと言うのです。驚きのあまり絶句したあと、私は思わず母に向かって大声を出していました。
「えっ!?1人1,000円じゃなくて?3人で1,000円なの?だって、1,000円を3人で割ったら、333.3333……円じゃない!どうやって分けるの!?」
自宅には立派な骨董品をズラリと並べ、普段はとにかく大声で豪快に笑うご近所の奥さん。そんな彼女が、まさかお孫さんへのお小遣いにはこれほど細かくシビアだとは、夢にも思っていなかったのです。
大声でお喋りなご近所の奥さんの玄関先から聞こえる豪快なトーク

その奥さんは、実家の両親が昔から親しくしているご近所の方です。ご主人はとても物静かで、すれ違っても軽く会釈を交わす程度でほとんど話す機会はありません。しかし、奥さんは実に対照的。とにかくお喋りが大好きで、いつも遠くからでも聞こえるような大声で話す、とてもエネルギッシュな方でした。
彼女が実家に遊びに来ると、母と玄関先で長々と立ち話が始まります。 あまりの声の大きさに、リビングにいる私にまで話の内容が筒抜けになることもしばしば。
ご近所のちょっとした噂話から、最近の体の不調の愚痴まで、とにかくマシンガントークを繰り広げていくのです。その賑やかさに、私はいつも「今日も元気だなあ」と圧倒されていました。
自宅には骨董品がズラリ「倹約家」の素顔
そんな豪快な奥さんですが、母から聞く素顔は、普段のイメージとは少し違っていました。
「あの奥さんね、実はものすごい倹約家でお金をしっかり貯めているのよ」
母が言うには、自宅の玄関や和室には、一目見て高価だとわかる骨董品がズラリと並んでいるのだそうです。
立派な木彫りの熊に、縁起の良さそうな七福神の置物。さらには信楽焼のタヌキや、大きな壺、福を呼びそうな招き猫に、ずっしりとしただるままで。
私は実際に見たわけではありませんが、母からそのコレクションの話を聞くたびに、ずいぶん余裕のある暮らしをされているお金持ちなのだろうな、と思っていました。しっかり節約して、自分の好きな趣味にお金を使うタイプなのかもしれません。
だからこそ、お孫さんが遊びに来てお小遣いを渡す話を聞いたときも、最初は微笑ましい普通の話だと思って聞いていたのです。
「どうやって分けるの!?」割り切れない金額が生む、お孫さんたちの謎
しかし、現実はまさかの「3人で1,000円」。
1人あたり333円をもらったとして、残りの1円はどうするのでしょう。じゃんけんで決めるのか、それともお姉ちゃんやお兄ちゃんが少し多めにもらうのか。
頭の中が疑問でいっぱいになってしまいました…お小遣いをもらったお孫さんたちの、その後のやり取りを想像するとちょっと面白かったですが。
豪快に笑う奥さんが、どんなに高価な骨董品に囲まれていても、身内へのお小遣いはここまで徹底して倹約を貫く。そのギャップの凄まじさに執念のようなものを感じてしまい、私はしばらく笑いが止まりませんでした。
価値観の違いに驚き、夫婦で笑い合えた穏やかな日

実家から帰宅したあと、私はさっそく夫にこの話をシェアしました。
「今日実家でさ、こんな話を聞いたんだけど…」
「3人で1,000円!? 割り切れないじゃん!」
私の予想通り、夫も同じところで引っかかり、私たちは二人で大爆笑。金額の細かさと割り切れなさに、すっかりツボに入ってしまいました。
世の中にはいろいろな人がいて、それぞれに全く異なる価値観を持っています。どれが正しいとか、間違っているとか、そういうことではありませんよね。でも、自分たちの常識の枠を飛び越えた不思議なエピソードを知って、思いがけなく楽しいひとときを過ごせました。
(ファンファン福岡公式ライター/hitoyume)





