春になると、SNSには「第一志望合格」「偏差値○○の高校に決まりました」といった報告が次々と流れてきます。おめでたい投稿のはずなのに、なぜか胸がざわざわしてしまう。息子が中学2年生だった頃、私は来年の受験を思いながら、タイムラインに流れてくる合格報告に心を揺さぶられていました。他人と比べても仕方ないと分かっているのに、比べてしまう。受験生の親なら誰もが抱えるかもしれない、春の心のざわつきについて書いてみたいと思います。
春になるとSNSに流れてくる合格報告

息子が中学2年生だった頃、春にSNSで流れてくる中3生の親たちの投稿にいつも心がざわついていました。「第一志望合格しました」「偏差値○○の高校に決まりました」そんな報告を見るたび、胸がざわざわしていました。
というのも、うちの子はもともと勉強が苦手。子どもの頃から学習塾にも通わせましたが成績は伸びず、初めて受けた模試は恐ろしい点数のオンパレード。来年には受験が控えているのに、このままではどうなるのだろうかと私は常に頭を抱えていました。
まだ1年もあるのに、すでに気持ちはどん底。頭では「他人は他人。うちはうち。他人と比べても仕方ない」と分かっているのに、SNSを開けば無意識に比べてしまう。
SNSをやめられない私
SNSを見るのをやめればいいのに見てしまいます。そして「うちの子は大丈夫だろうか」と焦ります。塾に通わず、定期テストで高得点を取っている子の投稿などを見てしまえば余計に焦ってしまい、あとで後悔。「定期テスト5教科平均90点以上」などの投稿を目にすると、なぜ頭が良い人ばかりなのだろうかと苦しくなってくることも。
SNSを見ていると子どもの頭の良さや定期テストでの高得点について投稿している人に限って、親は優雅にカフェや一人旅を楽しんでいる人がいて、なぜそんなに心に余裕があるのだろうかと羨ましい気持ちが込み上げてきます。
抑えなければと思いつつ、ゲームばかりしているわが子を見て「勉強したの?」と、つい言ってしまう自分がいました。SNSを見ることで不安になり、結果子どもにプレッシャーを与えてしまう。悪循環だなと感じていました。
SNSへの執着から解放された理由

あるとき、ふと気づいたことがありました。「SNSに投稿されているのは良いことばかりではないか」ということです。
わざわざ子どもの低い点数を投稿する人はいないでしょう。点数が良い人が投稿しているとしたら、SNSを見るたびに高得点の投稿などがあちらこちらに散見されるのは当然のこと。
見知らぬ人の点数と自分の家庭を比べても仕方ありません。そんな当たり前のことに私は気づけなくなっていました。
子どものペースはそれぞれ違う。うちの子は勉強が苦手なタイプでしたが、得意な教科もありました。それに勉強は苦手でも、部活は熱心に頑張り、大勢いる部員の中からキャプテンの座を勝ち取っていました。ほかにも、参観日に学校へ行くたびに担任ではない別の先生から、「◯◯くんは大変友達思いで優しく、何事にも積極的でさまざまな役割にも自ら立候補して取り組んでくれています」と言ってもらうことがよくありました。ボランティア活動などにも積極的に参加していました。
子どもの別の良さに気づいてから、私は勉強やSNSの投稿に執着することが少なくなったように思います。
受験生の親の心を刺激する春
今振り返ると、あの頃の私は他人の成功に心を揺さぶられていたのだと思います。春は少なからず不安になる人も多いのではないでしょうか。そして特に受験を控えている親は些細なことで心が揺れてしまいます。
でもSNSに投稿されているものがすべてではありません。SNSに過剰に反応している自分が少し情けなくなりました。子どもの道はそれぞれ。たとえどんな道に進もうとも、子ども本人が納得し、幸せであればそれで良いのでしょう。しかしながら、受験生の母親を控えた私にとって春は、他人の成功が心を刺激する季節でした。
(ファンファン福岡公式ライター/つきのあ)





