SAGAラーメンプロジェクト「ラーメン座談会」第3部・佐賀ラーメンの文化的特徴

佐賀県のラーメンの魅力を全国に、そして世界へ発信する「SAGAラーメンプロジェクト」。もとよりラーメンを愛し、本プロジェクトを推進する4人の中心人物が、それぞれの視点をもってSAGAラーメンについて語り合いました。

目次

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第3部の様子はこちら

【登場人物 プロフィール】

モデレーター:
◎佐賀県 産業労働部 産業政策課 西岡 貴弘

スピーカー:
◎小川 祥平……ラーメン記者。著書に『ラーメン記者、九州をすする!』と続編の『替え玉編』。
◎上村 敏行……九州のラーメンを知り尽くすラーメンライター。ライター歴約30年。1万杯以上を完食し、取材したラーメン店は3000軒超。
◎中野 星次……株式会社佐賀新聞社。佐賀のグルメを27年間食べ歩く。

第3部:佐賀ラーメンの文化的特徴

THE・佐賀ラーメンとは? 【トッピング&サイドメニュー編】

西岡:佐賀ラーメンの代表的な特徴と言えば、生卵、海苔、軟麺、滋味ですよね。

上村:最近は生卵、特に卵黄をのせるスタイルが注目されるようになり、「卵黄=佐賀ラーメン」という印象が広がっているように感じます。業界全体で言えば「非豚骨」の流れもある中、豚骨、特に佐賀ラーメンのようなノスタルジックな一杯が、あらためて注目を集めています。

西岡:卵を最初に入れたのはどこ?

上村:佐賀で最初に卵を入れたのは「一休軒」かと。「三九」の流れを汲む熊本玉名の「桃苑(とうえん)」や宮崎の「喜夢良(きむら)ラーメン」にもその文化は残っていす。一方、久留米はゆで卵をスライスしたスタイルが定番ですね。

中野:ゆで卵をカウンターに置いてあった記憶もあるけどね。1個50円とかで。「一休軒」を始めた大串進(おおぐし・すすむ)さんの息子の高志(たかし)さんが言うには、西鉄ライオンズのファンだった進さんが、「ライオンズが優勝したけんお祝いしようや」と、真ん中に黄身を落としたのが「卵入りラーメン」のはじまりらしいですよ。

西岡:そうそう。チャーシューを花みたいに盛り付けて、ケーキに見立てたという話もありますね。

中野:たしか「三九軒」も卵を入れてましたよ。

上村:卵黄という強いアイコンを得たわけですね。

西岡:ご飯やいなりはどうでしょうか。特にいなり。佐賀のラーメン店だと普通に置いてありますが、実はめずらしいんじゃないかと。

中野:「いなり」も「一休軒」の流れでしょうか。

上村:言われてみれば、「いなり」はめずらしいですね。

西岡:スープの塩味といなりの甘さがぴったりですよね。

小川:そもそも、佐賀ってお米がおいしいですよね。佐賀に来てから、そのおいしさにびっくりしました。冷たいご飯と熱いラーメン。その組み合わせもいいんですよね。

一休軒のいなりに関するエピソードはこちら:https://note.com/preview/n6f586a3f7251?prev_access_key=fbcd780afee82212b8a6d62ed7a68fd3

THE・佐賀ラーメンとは? 【スープ&お店編】

西岡:スープについてはいかがでしょうか?

上村:別の見方では、スープの取り方にも佐賀ラーメンらしさがあると思っています。飲んだ瞬間に「これぞ佐賀ラーメンだ」とわかる味が確実にあるな、と。

佐賀特有のあっさりした滋味スープは、時代の流れの中でそれほど変化せずに食べられてきた。進化しなかったすばらしさに佐賀を感じます。甘くてコクがある醤油だれに、げん骨を使った脂の少ないスープ。そこに卵の黄身が落とされてあれば、完璧な「佐賀ラーメン」ですね。

一方で、「一休軒」の系列でも「らーめん もとむら」(佐賀市鍋島町)のようなあっさり系と、「幸陽閣」(佐賀市下田町)のような濃い味がある。どちらもびっくりするほど違うけど「これぞ佐賀ラーメンだなぁ」と思って飲んじゃうんですよね。

JR佐賀駅前の「駅前ラーメン ビッグワン」など、佐賀では文化遺産系の老舗が今も元気なのがうれしい限りです。ライブ感とともに味わえる。今もまだまだイニシエを望む人は多い。

「駅前ラーメン ビッグワン」のラーメン
(https://assets.st-note.com/img/1768436376-fCOquGpAHRQjMNLP04IlY2zT.jpg?width=1200)

西岡:老舗のラーメン店で忘れてはならないのが佐賀でいち早く開業された「北京千両」が前身である、「シャローム」(佐賀市巨勢町)。現存する一番古い佐賀ラーメン店ですね。

中野:屋号からして、久留米の「南京千両」に影響を受けているのは間違いないでしょうね。

小川:1952年に創業、東京の中華料理店で働いたり、「南京千両」でアルバイトをしたりしていたらしいです。もう一つ面白いのは、佐賀には食堂文化があるところ。古くからある食堂では、チャンポンや皿うどん、ラーメンが味わえるところが多いんです。

1933年創業の老舗ちゃんぽん店「若柳食堂」(佐賀市材木)の先代に昔聞いたのは、食堂がラーメン店に鞍替えするケースもあったとか。こうした食堂文化が根底にあるからこそ、日常的に食べたい味が継承されているのではないでしょうか。

中野:ところで、「長浜一番」に行くと「やっぱり博多っぽいな」と思うんです。違いはどこにあると思いますか?

上村:麺の細さでしょうか。あとは、元だれかな。

小川:(元だれは)けっこうな量入れますもんね。

上村:ほかにも、スープを取る時に使う骨の部位や脂の量など、いろいろあると思います。

小川:今はパワフルなスープが多いけど、昔ながらの佐賀ラーメンは「ガツン」とじゃなくて「ジワジワ」くるおいしさですよね。

西岡:毎日食べても飽きない。滋味系の魅力です。

中野:スープを全部飲んでも、罪悪感がないんですよね(笑)。

~次回「SAGAラーメン<地域ごとの多様性>」に続く~

佐賀県では飲食産業ブランド化プロジェクト第1弾として、佐賀県のラーメンのブランディングに取り組んでいます。ジャンルを問わず県内のさまざまなラーメン店を対象に、店の歴史やこだわりを深掘りし、ファンを惹きつけるストーリーとして発信。WebやSNSを通じて県内外、そして海外へその魅力を届け、多くのラーメンファンを獲得していきます。

詳しくはこちら: https://saga-ramen.jp/
SAGAラーメン店舗の魅力をnoteで連載中:https://note.com/saga_ramen

つづきはこちら
■SAGAラーメンプロジェクト「ラーメン座談会」第4部・SAGAラーメン<地域ごとの多様性>
https://fanfun.jp/?p=306565

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