Re:祖母が語った不思議な話・その弐拾捌(28)「かくれんぼ」

私が小さい頃、明治生まれの祖母はちょっと怖くて不思議な話をたくさん聞かせてくれました。祖母の思い出とともに少しずつアップしていきます。
※「祖母が語った不思議な話」シリーズは現在も連載中ですが、サーバー変更にともない初期の話が消えてしまったので、再アップしていきます。

イラスト:チョコ太郎(協力:猫チョコ製作所)

「おばあちゃんの子どもの頃って、どんな遊びしてたの?」

ある日ふと気になって聞いてみた。

「一人ならお手玉に折り紙、二人ならあやとり、みんなで遊ぶならかくれんぼかな」
「かくれんぼ!やってたんだ」
「でも一時期、禁止されたことがあってね…」

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【祖母の話】

祖母が五歳の春、村の子ども達十数人が花田さんの家に集まっていた。
ひな祭りだった。
甘酒とお菓子を食べた後、かくれんぼが始まった。
花田さんの家は古く広い家でいろんな所に隠れる場所があるので、鬼は大変だった。

「九十八、九十九、百!」
何度目かで鬼になった祖母は数え終えるなり走り出した。

「伊織ちゃん見つけた!椎ちゃんは机の下!」
次々と隠れていた友達を見つけていったが、どうしても最後の一人・太介がいない。
「太介くーん、出ておいでー!」「太介ー!」
あんまり出て来ないのでみんなで呼びかけたが返事がない。

花田さん一家にも隅から隅まで探してもらったが見つからない。

「家の中で遊んでいたんだから、どこかで寝ているのかもしれない。そのうち出てくるだろうから今夜は泊めてやるよ」
花田さんは太介の家に電話でそう伝え、陽も傾いてきたので子ども達を家に帰した。
だが太介は出てこなかった。

翌朝村中に連絡が回り、手分けして山や川を探そうという話になった。
それぞれの持ち場を決め出発しようとしたその時…

「おーい!見つかったぞー」家の中から花田さんが叫んだ。

隣村の駐在さんからの電話で太介を保護しているという。
「山越えたところだぞ!なんでそんな所に?」
「五歳の子どもが一人で行けるとは思えんが…」

その日の夕方、太介は隣町の駐在さんに連れられて帰ってきた。

「納屋に隠れていたら、きれいな女の人が来て…手を引かれて山の方に行ったんだ。まるで飛ぶようにどんどん歩いてたんだけど、突然どこからか鶏が鳴く声が聞こえて…そしたら隣村の入口に一人で立ってた」

何があったのか聞かれた太介は自分でも不思議そうにそう答えた。

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「それから一年くらいはかくれんぼが禁止されたよ…もっとも誰もやろうとは言い出さなかったけどね」

チョコ太郎より

初期話が消えてしまったので、あらためて読めるようにアップしていきます。また、「新・祖母が語った不思議な話」も連載中ですので、ご希望や感想、「こんな話が読みたい」「こんな妖怪の話が聞きたい」「こんな話を知っている」といった声をぜひお聞かせください。一言でも大丈夫です!下記のフォームからどうぞ。

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