1歳になって間もない時期から保育園に通い出した双子の息子たち。その年の秋には、息子たちにとって、初めての運動会がありました。「1歳児の運動会」だなんて、かわいいイメージしかなかった私でしたが、想像していたものとは、ちょっぴり違った運動会デビューに…。
保育園で初めての運動会

当日は、両親も招待し、私たち家族も初めての運動会が始まるのを心待ちにしていました。
夫が気合を入れて場所取りをしたおかげで、正面のベストポジションをゲット!自宅では息子たちに全園児お揃いの体操着を着せて、一気に運動会モードに。どこか緊張気味の私をよそに、いつもの朝と変わらない様子で息子たちは登園していきました。
夫が取ってくれた場所に私と夫、両親の4人で着席。それぞれビデオカメラとスマホを構え、いよいよ運動会がスタートしました。
入場行進で予想外の展開!

プログラム1番は「入場行進」。保護者に抱っこされた0歳児たちが先生と一緒に登場します。その次が、息子たちの1歳児クラス。先生に手を引かれ、ヨチヨチとゆっくり入場門から登場してきました。
保護者からも歓声が上がるほどかわいらしい「入場行進」なのです。息子たちに手を振ると、双子の弟は「なんでママたち、あそこにいるの?」とでも言いたそうな表情でこちらを見ていました。
弟の後ろにいた兄は、大勢のお客さんに圧倒されてキョロキョロしていたのですが、私たちと目が合った瞬間…。「ワーーー!」と大声で泣き出して、歩くのを完全に拒否。こちらを指さして大号泣する兄は、先生にそっと抱っこされて列に戻されました。
思っていたのと違った「かけっこ」

入場行進では予想外の展開になりましたが、「かけっこ」は大好きなので笑顔の兄が見られるだろうと楽しみにしていました。一人ひとり名前を呼ばれ、5人ずつ横一列でのスタート。20mほど先で待つ保護者の元へ走るのですが、わが家は双子のため、私も夫もトラックへ入ります。そこでビデオ撮影は、私の母に頼みました。
1レース前だった弟は、相変わらず「なんでパパ、そこにいるの?」といったキョトンとした表情で、ゴール地点で待つ夫の元へトコトコと歩いてゴールしました。
そして、最終レースの兄。ゴールで待つ私は、兄に向かって笑顔で手を振りました。その瞬間…また「ワーーー!」と、先生が話す声や競技中のBGMもかき消すほどの泣き声が。スタートの笛が鳴ったと同時に、私の元へ泣きわめきながら走るのではなく、足早に“歩いて”きたのでした。
まわりのお友だちのように、ニコニコとうれしそうにママのもとへかけよってくる「かけっこ」は、私の頭の中のイメージだけで終わりました。
忘れられない思い出に

まわりのママたちには笑われるわ、私の母が撮影したビデオには、母の大笑いする声が入っているわ…予想外づくしだったはじめての運動会。
しかし、予想外だらけだったおかげで、5年間の保育園生活の中で一番忘れることのできない運動会になりました。今でも、秋になると、運動会ビデオをふと見返したくなります。
(ファンファン福岡公式ライター/いと)


