友人のハンドメイド作家デビューの手伝いで、フリーマーケットに初めて参加しました。心を込めて作られた一点もののアクセサリーが並ぶ中、独自の理屈で強引に買い叩こうとするとんでもない人が現れました。
初めてのフリーマーケット

友人がハンドメイド作家として活動を始めました。友人の作品は、一つひとつこだわりが詰まったアクセサリーばかり。デザインやパーツ選びにもこだわった一点ものです。
友人が、フリーマーケットに初めて出店することが決まり、私も出店を手伝うことになりました。
準備段階から手伝っていた私は、友人以上に「たくさんの人に手に取ってもらえたらいいな」とワクワクしていました。
開場とともに私たちのブースにも少しずつお客さんが集まります。作品が一つ、また一つと売れていくたびに友人とうれしさを噛み締めていました。
とんでもない人が来店
お昼時、お互いに交代で休憩を取ることに。休憩に入った私は、ついでに会場を見て回ることにしました。
すると、少し離れたブースで気になる光景が目に入りました。詰め寄る女性と、困惑している様子の店主を目撃したのです。
お客の女性の声が聞こえました。
「これ、もっと安くしてよ〜!このお店、宣伝してあげるから!」
私は近くの出店者さんに声をかけて、それとなく女性のことを話題にしました。
すると、その女性はこのフリマで有名な「強引な値切りおばさん」らしく、あちこちで無茶な値下げを迫っては買い叩いているのだとか。それを聞いた私は「自分たちのブースには来てほしくないな〜」と思いつつ、その場を離れました。
一通り見回って戻った時です。なんと、さっき値踏みしていた女性が私たちのブースにいたのです。
「私が買えば運気が上がる!」

見ると、友人は困り果てた顔で固まっていました。女性は、友人が作ったネックレスを手に取り、しつこく値切り続けていたのです。
「これ、500円じゃダメなら700円でどう?」
女性が手に取っていたネックレスは2,000円で出品していました。大切な作品を、無茶な値引きをさせようとする女性。
値引きに応じない友人に対し、謎理論を振りかざし始めました。
「じゃあ1,000円でどう?あなた、私のこと知らないの?結構顔が知れてるんだけど!私、パワーがあるのよ!私が身につけてあげたら、このお店の運気が上がって売れる店になるよ!」
「運気が上がるから半額以下にしろ」という謎理屈(?)。私は呆れ果ててしまったのですが、友人は、女性の凄まじい威圧感にすっかり呑まれ、言い値で売ってしまいそうになっていたのです。
「価値が分からない方には売りません!」

このままでは友人の大切な作品が買い叩かれてしまう!
焦った私は思わず女性の前に立ち、言い放ちました。
「申し訳ありませんが、作品の価値を分かっていただけない方にはお売りすることはできません」
「は…?」
呆気にとられる女性に私は続けて言いました。
「このアクセサリーは、デザインからパーツ選びまでこだわり抜いて、何時間もかけて作った大切な一点ものです。運気も宣伝も必要ありません!」
しかし、女性は
「じゃあ1,500円で…」と、なおもしつこく食い下がってきます。
とんでもないしぶとさに言葉を失った、その時です。
一部始終を見ていた他のお客様が、横からすっと声を掛けてきてくれたのです。
「あの、そのネックレス、私が3,000円で買います!」
突然の申し出に、一番驚いたのは値引きしていた女性でした。
「えっ…値札より高く!?」と目を見開く女性をよそに、そのお客様は笑顔で言葉を続けてくれました。
「本当に細部まで丁寧に作られていて素敵だし、手作りの価値も分からない人に横取りされたくないので、ぜひ私に買わせてください!」
居心地が悪くなったのか女性は
「何よ、感じ悪いわね!」と捨て台詞を吐いて逃げるように去っていきました。
3,000円を提示してくださったお客様には、感謝を込めてそのネックレスとお揃いのデザインで作っていたピアスをセットにしてお売りしました。
そのお客様は、その後も彼女のハンドメイド作品の熱烈なファンでいてくれています。
(ファンファン福岡公式ライター/すぅ)





