2人の子どもを連れて家族で公園で遊んだ帰り道、5歳の長男が突然犬に噛まれました。謝罪に来た犬の飼い主が差し出したのは、菓子折りと5000円。怒りがおさまらない私の代わりにいつもは冷静な夫が動きました。
公園に響いた長男の悲鳴

下の子が生まれてから、長男を外で思い切り遊ばせる機会が減っていました。そんなある日、大きな公園に出かけ、久しぶりに長男を思い切り遊ばせました。
夕方になったので帰ることにしました。夫は長男とトイレへ。私は下の子を先に車へ乗せるために駐車場へ向かいました。チャイルドシートに乗せ終わった時、遠くから犬の鳴き声と長男の叫び声が聞こえてきました。
慌てて声がしたところに向かうと、長男が腕を押さえて泣いていました。そばには飼い主らしき人が大きな犬のリードを引っ張っていました。その犬は5歳の長男よりも大きな体をしていました。
私は、恐怖で大泣きする長男を抱きしめることしかできませんでした。主人の話によると、トイレから出てきた息子に、突然犬が勢いよく飛びつき腕に噛みついたそう。長男の小さな腕には、噛まれた跡がありました。長男が厚手のコートを着ていたおかげで大ケガは免れたので、少し安心ました。
無責任すぎる飼い主の呆れた言い訳
とはいえ、急いで病院へ向かい、レントゲン検査と診察を受けました。幸い、消毒をして絆創膏を貼る程度の治療ですみました。
病院についてきてもらった飼い主のところに向かい、大事には至ってないことを伝えると、返ってきたのは信じられない言葉。
「大したことなくてよかったです。前はもっとひどかったから…」
なんと、この犬が人を襲ったのはこれが初めてではなく、過去にも何度か人を噛んでいるということでした。
今回は、犬の排泄物を片付けている最中に、リードを離してしまったとのことでした。
「そんなに危険な犬を、なぜ公園につれてくるんですか!」
思わず声を荒げる私に、飼い主は言い訳ばかり。
「ずっと家の中ではかわいそうで…」「何もしなければ、めったに噛まないんですけどね…」
ケガをさせた相手を心配するどころか、自分を正当化する。そんな無責任な飼い主の発言に、私の怒りはだんだんと大きくなっていったのです。
手渡された菓子折りと5,000円

翌日、家には夫はおらず私だけでしたが、飼い主は謝罪にやって来ました。
その手には、菓子折りと5,000円と書かれた封筒。私は怒りを抑えながら尋ねました。
「これは、慰謝料のつもりですか?」
すると飼い主は悪びれる様子もなく
「気持ちだけですが…」と答えたのです。
さらに、
「いつもはこのくらいで許してもらってるので…」という言葉まで飛び出したのです。
「ふざけるな!」という言葉が出そうになるのをグッと飲み込みました。
その場で怒りをぶつけるのを我慢して、後日、夫同席のもとであらためて話し合うことにしたのです。
夫が冷静に対応

夫は冷静に情報を集めました。主人も怒っていましたが、その怒りを冷静な行動に変えていました。犬による噛みつき事故の慰謝料の相場を調べ、保健所や警察にも相談。慰謝料の相場が5~10万円あること、そして飼い主が保健所への報告を適切に行っていない事実が判明したのです。
話し合いの当日。主人は治療費を含めた10万円の支払いを求めました。長男は犬には何もしていないのに噛まれたこと。今も犬を怖がっていること。そして、飼い主が事故を繰り返していたこと。冷静に相手の非を指摘しました。
すると飼い主側は、「高すぎる!」と露骨に難色を示したのです。
5,000円ですまそうとしたものが10万円になれば驚くでしょう。それでもこちらは引けません。
「受け入れていただけないようであれば、しかるべき対応を取らせていただきます」
主人が冷静に告げると、相手はぐうの音も出ない様子でした。最終的に飼い主側は10万円の支払いに応じ、今後は適切なしつけを行うことも約束しました。
犬に罪はありません。だからこそ、飼い主の責任は重大です。泣き寝入りしなかったことは、親として正しい選択だったと思っています。ですが、10年以上経った今も、長男は犬が苦手なまま。それでも、あのとき親が全力で守ろうとしたことが、少しでも彼の救いになっていればと思います。
(ファンファン福岡公式ライター/すぅ)





