父に溺愛されていた一人娘の私。夫との結婚は一筋縄にはいきませんでした。父が私の結婚を認めた5月末のことです。夫が「父の日ギフト」を贈ったことがきっかけで激怒した父は、両家の顔合わせを拒むようになったのです。私の結婚を前に、ナーバスな父へ贈ったギフトが引き起こしたエピソードです。
娘を大事に育てた父

私は3人きょうだいの一人娘として、厳しいながらも大事に育てられました。私が社会人になっても過剰に心配する父は、仕事で遅くなる日でも必ず起きて待っていたほどです。
ある日、いつもより遅くまで残業した時、うっかり家に連絡するのを忘れてしまったのです。私が家に帰るなり、
「連絡ぐらいよこしなさい!」と、父からひどく叱られました。
当時の私は干渉されるのが嫌になり、それから数日間父と口をききませんでした。
そんな父でしたが、いざという時はとても頼りがいのある存在です。ある冬の日、車通勤で通い慣れた道の途中、吹雪で視界が悪くなり車がスリップしてしまいました。父に電話をすると、チェーンを巻いた車ですぐに駆けつけて来てくれました。寒さとスリップした恐怖で震えが止まらなかった私は、父の姿を見て安堵したことを覚えています。
私の帰りを毎日起きて待っていてくれたのは、ピンチの時に助けるためだったんだと思い知らされました。
娘の結婚に反対する父
父に可愛がられて育った私ですが、結婚を前提にお付き合いする人が現れました。それが現在の夫です。そこで、結婚の挨拶をするための日取りを決めようとしたら、そのたびに
「その日は予定がある、俺は忙しい」と父から何度もはぐらかされました。
それでも諦めなかった夫は、何度も食い下がってようやく挨拶のアポ取りに成功。意外なことに、挨拶の当日は穏やかに結婚の申し出を聞き入れてもらえました。父の中でも心の整理がついたのかなと、ほっと胸をなでおろしたのを覚えています。
夫からの思いがけない「父の日ギフト」に大激怒!

父が結婚を承諾した5月末のこと。夫が、「父の日ギフトを贈ろう」と言い出しました。
夫としては、父と良い関係を築いていきたいという思いがあったようで、私も一緒に贈り物を選んだのです。
そして父の日当日。宅配業者からギフトが届きました。受け取った荷物を開封した父は、父の日ギフトであると分かり、怒りだします。
「まだあいつのお父さんではない!」と、贈り物を玄関に置いたまま、奥の部屋へ行ってしまいました。
「これから結婚の準備が待ち構えているというのに、どうしよう…」父の日ギフトを贈ったことでかえって父の怒りを買ってしまい、私は途方に暮れてしまいます。
そのあとは、父に両家の顔合わせの話をしても、「まだ早い」の一点張り。
見かねた母が、親戚や知人にお願いして父の説得を試みてくれました。特に、同世代の娘がいる知人からの説得が功を奏し、晴れて結婚式を迎え、私たちは夫婦になったのです。
内心嬉しかった父の日ギフト

新婚生活が落ち着いた頃、ふとあの時の父の日ギフトの行方が気になりました。母に尋ねると、
「もらった次の日に、大事に自分の部屋にしまっていたよ」と言うのです。
嬉しすぎて、知人が来るたびに何度も自慢していたのだとか。
私が結婚するまでは、父は頼りがいのある人だと思っていましたが、駄々をこねたり素直じゃなかったり、まるで子どもみたいだな、と思わず笑ってしまいました。これからも、父がへそを曲げないように、忘れずに父の日ギフトを贈ろうと思います。
(ファンファン福岡公式ライター/kotone)





