夏休みに“おしごと体験”にトライ! 博多阪急(福岡市博多区)で8月12日(火)まで実施中のイベント「こどもカレッジ」。ここでの消防士や警察官の“おしごと体験”を通して、学んだことや伝えたいことを記事にしてみようと、博多阪急こども記者体験 with 西日本新聞「こどもカレッジ」が8月2日に実施されました。その様子を伝えます!
新聞記者ってどんな仕事? 何が大事なのだろう

この日、こども記者として参加したのは小学4~6年生の6人。初めに西日本新聞社こどもタイムズ編集部の白土靖記者が「おはようございます!」とあいさつし、続けてこども記者に新聞の読み方や記事の書き方などを授業しました。

途中、「新聞ができるまで」を実際の新聞社で撮影した映像を流して「ここに出てきた記者と同じように取材をして記事を書いてみましょう。記者としてまず大事なのは、取材者にきちんとあいさつをする、体験したり聞き出したりした内容をなるべく簡単にまとめる、そして締め切り時間を守る、などです」と説明しました。

「思ったことを後で忘れる場合もあるので、体験中にメモをしてみてくださいね」というアドバイスも伝えられました。こども記者は、渡された取材用メモ帳を手にして、2組に分かれて「こどもカレッジ」の会場へ向かいました。
犯人は誰だ? 鑑識係のしごとを体験

「警察のしごと」を体験・取材したのは、小國莉子さん(4年)、髙岡あきさん(同)、小野一紗さん(6年)。会場には本物の警察官のみなさんが待っていて、今回は鑑識係の仕事をやってみようと伝えられました。博多警察署刑事第一課鑑識係の吉松泰志さんが「鑑識は大まかに言うと、何か事件があった時にその現場で犯人の指紋や足跡などを見つける仕事をしています。足跡から犯人を見つけて、刑事さんと一緒に逮捕する、そんな仕事です」と説明しました。

「それでは、瓶についた手の指の指紋を取り出してみましょう。指紋はみんな違い、1兆分の1の確率でしか同じ人はいないとされ、それは結局、指紋が同じ人はいないということですね」と吉松さん。手袋とマスクをつけたこども記者は鑑識係のお手本を見て、指紋を取り出す作業に挑戦しました。

次は用紙の上に残された跡を調べます。「何が隠れているでしょう。瓶と同じように粉を振って見つけてください」と声がかかりました。こども記者は、2回目とあって少し慣れてきた様子。少しずつ福岡県警のマスコット、ふっけい君の絵が現れるてくると、思わず笑顔がこぼれていました。

最後は、犯人の似顔絵描きにトライします。「似顔絵を描くのも鑑識の仕事の一つです。犯人を見た人から顔の特徴を聞いて描いていきます。犯人を見た人に質問をしながら、やってみましょう。上手でなくていいんですよ。特徴を聞き出すのが大事」と吉松さんは話します。こども記者は「どんな鼻でしたか」「何か覚えていることはありますか」といった質問を積極的に投げかけながら、鉛筆を走らせていきます。

さて、犯人は分かったでしょうか? どうやら親しみのある、あのキャラクターの顔が出てきたとあって、楽しげな声が聞こえてきました。こども記者の3人とも、うまく特徴を捉えることができたようです。

最後に、こども記者として疑問に思ったことなどを質問する時間がきました。取材に応じるのは博多警察署刑事課鑑識係の木村俊介係長です。こども記者は「鑑識の仕事で大変だと思うことは何ですか」「徹夜で仕事をすることがありますか」「似顔絵描きで大事なのは」など次々に尋ねました。
119番ができるかな? 消火や救命を体験

「消防のしごと」を体験・取材したのは、小野二葉さん(4年)、長澤晃大さん(5年)、真船篤統さん(6年)。まずは映像を見ながら、消防の仕事について福岡市消防局博多消防署の消防司令、髙向誠さんの説明を受けました。
次に「119番をかけたことがありますか? 消防署に電話をかけてみましょう」という呼びかけに応じて、こども記者は一人ずつ、少し緊張した面持ちでダイヤルをプッシュ。画面に映る火事や事故の現場を見ながら、消防署からの質問に答えていき、無事に通報することができました。

コーナーを移動すると、そこには消火活動のときに着るという防火服一式が置いてありました。「重さはなんと20㎏。熱や水、落下物から守ってくれるように作られていて、厚く重たいのです。これをすぐに着られるように練習するんですよ」と話しながら、消防士さんがあっという間に装着していきます。あまりの速さに、こども記者は目が離せません。

すると「皆さんも着てみましょう」と子どもサイズの防火服を着せてくれました。こども記者は「本当に分厚いですね。そしてかっこいい!」とうれしそうです。

防火服を着たまま、本物の消火ホースを持って店内を移動してみました。消防士さんは肩にかついで2、3本と運ぶそうですが、こども記者にとっては1本持つのがやっとの重さ。「運ぶだけでも、すごく大変なんだね」と消火活動に携わる消防士の力の強さを実感したようです。

次に消火器を使った消火訓練へ。体験しておくと、実際に火事が起こったときに慌てずに済みます。安全ピンを引き抜き、ホースの先を火を想定したプレートに向けて、レバーを強く握ります。この日は消火剤の代わりに、圧縮されていた空気がシュッと発射されました。プレートが倒れたら消火完了です!

終盤は救命活動を体験しました。心臓マッサージや倒れた人を運ぶときに注意する点など、説明を聞きながらクリアしていきました。「マッサージには思ったより力がいるんですね」など、新しい発見があったようです。

髙向司令が質問タイムに応じました。たくさんの体験を終えたこども記者からは「いつから消防士になろうと思っていましたか」「消防士をやめようと思ったことはありますか」「火事の中に入ったことはありますか」など次々に質問が飛び出しました。
こども記者がまとめた記事を紹介

こども記者が取材を終えて書いた取材まとめシートから抜粋して紹介します。それぞれ、どんな点に注目して何を発見したか、何に驚いたかなどが記されています。
■警察のしごとを体験

小國莉子さん(4年生)
けいさつかんが、にがお絵をかくときに何を聞くかを聞きました。なんと多いときには12こあるらしいですが、しょによってちがうらしいです。はん人のにがお絵をかくときや、聞き出すのも大変だし、上手にかかないといけないから大変だなと思いました。今日は取材で答えてくれてありがとうございました。
<応募の動機>けいさつかんや、消防士さんに1日何をしているのか、大切にしている事は何か、いろんなことを聞きたかったからです。

髙岡あきさん(4年生)
けいさつしょで、てつやで仕事をしないといけない場合は、ねれる時にねて、みんなと協力して仕事をすると分かりました(すいみん不足だといけないから)。かんしきの仕事の中に、にがおえをかくということがあり、あまりとくちょうがない人をかく場合は、表現をすることが上手な人や、分かりやすくかく人がかくと分かりました。たくさん質問をしないといけないし(多くて12回)、大変だなと思いました。
<応募の動機>けいさつしょの人の話をきいたことがなかったから、一度きいてみたいと思ったし、本で一度新聞の話をよんで、自分もかいてみたいと思ったからです。

小野一紗さん(6年生)
かんしきの仕事はけい事とちがって、てつ夜はないと思っていたけど、今回の取材でてつ夜もあると知り、警察官は大変ということを改めて知りました。また、かんしきの仕事は体力が必要だと思っていたけど、他にもコミュニケーション力も必要だと知って、かんしきの仕事には必要なことがたくさんあるなと思いました。今日の取材で新しいことを知る機会になりました。
<応募の動機>本で警察官の仕事について読んで、この仕事はいろいろな分野があって楽しそうだなと興味を持ち、応募しました。
■消防のしごとを体験

小野二葉さん(4年生)
今まで消防士の仕事は火を消すだけだと思っていたけれど、救急の仕事もしていることを知りました。心ぞうマッサージは意外とたいへんでした。消火ホースは消防士の人がかんたんにもちあげていたから、軽いと思ってもってみたら、すごく重くてびっくりしました。消防士の仕事は大へんだけどやりがいがあると教えてくれて少し消防士の仕事が気になりました。
<応募の動機>もともと文章を書くのが好きで、自学でも新聞を書いたことがあって、ほんかくてきに記事を書いてみたいと思ったからです。

長澤晃大さん(5年生)
火事の時に、20㎏もある服をきると聞き、おどろきました。火事でものすごく大変なのに、そこに20㎏の服をきるなんてすごいなと思いました。消防車が1年に10万台もでているなんておどろきました。すごく大変なのに、みんなのためにし事することが、かっこいいと思いました。これからもがんばってください。
<応募の動機>消防士の方に、ふだんなかなか話を聞ける機会がないので、これはいい機会だと思いました。あとは、なにかおもしろそうだから参加しました。

真船篤統さん(6年生)
火を消す以外にも火災をふせぐなど、いろいろな仕事があると知りました。たくさんのつうほうがあって、いろいろ考えてしじをしたり、重いものをたくさんはこぶことも知りました。ホースやガスボンベがとても重くてたいへんだと思いました。大きなさい害などでは、「たすけたくてもたすけられない」こともあるそうです。高向まもるさんによると「きつさよりやりがいのほうが大きい」そうです。ひごろからそなえてほしいそうです。
<応募の動機>記者はニュースや新聞を書くさいしょの人たちなので、どんなしごとをする人だろうとぎもんになったところから、いろんな人に聞いてみたいと思って応募しました。