幼稚園に入園して出会ったママ友Aさん。話し上手で人当たりもよく、最初はとても感じのいい人だと思っていました。しかし、行事や習い事などで顔を合わせる機会が増えるにつれ、次第に違和感を覚えるようになったのです…。
「なんでそんなに知っているの…?」モヤモヤのはじまり

ある日、園での習い事が終わり、数人のママたちと立ち話をしていたときのこと。ママ友のAさんが
「この前プールの時間に息子のタオルの取り違えがあってね。先生の対応が本当にひどくて…」と話し始めました。
その内容があまりに詳細だったため、周囲のママたちは
「えー、そうなの?」と興味津々。Aさんの話に引き込まれていきました。けれど最後は担任の先生の悪口に。
私は「こういう話には深入りしない方がいい」と思い、聞き流すことにしました。
園ママたちの間に広がる違和感

また別の日、Aさんが
「ちょっと知っている? 実はBくんが他のお友達に…」と、今度は子ども同士のトラブルについて話し始めました。
「Bくんがお友達を叩いてしまって先生に叱られたのだけど、Bくんママってのんびりしているから、あまり注意とかしなさそうなのよね」と、話は子どもだけでなく、保護者の性格批判まで及びます。
さらに、「Cちゃんのパパはお医者さんで、ママはピアノの先生だって」と、保護者の職業やプライベートな情報にも詳しい様子。Aさんの話題はいつもタイムリーでプライベートな内容ばかり。その情報通ぶりに、次第にママたちの間で違和感が広がっていったのです。
衝撃の事実発覚! 噂の情報源はまさかの…!?

入園から半年ほど経ったある日。
「Aさんって、すごい情報通だよね。どうやったらそんなに詳しくなるんだろう?」と、あるママがぽつり。
「そうそう。旦那さんの職業とかね、なんで知っているのだろう。園内の出来事にもやたら詳しいし」と、別のママも同意。
すると、ひとりのママが
「私も気になっていたから、今度さりげなく聞いてみるね」と言い出しました。そして数日後、ついに驚きの事実が明らかになったのです。
なんとAさんは、賢くてしっかりしているAさんの息子に園での出来事を毎日詳しく報告させていたのでした。しかもまわりのお友達のことまで事細かに。なるほど、それならAさんが園内事情にやたら詳しかったのも納得です。
さらに、公園や園庭で遊んでいる子どもたちにAさん自身が「習いごとは何しているの?」とか「パパのお仕事は?」など直接質問し、家庭事情まで聞き出していたことも判明。その事実にママたちは皆、愕然となりました。
「さすがにそれはないよね…」
「うちのことまで知られていたらイヤかも」そんな声が広がり、Aさん親子と距離を置く人が徐々に増えていきました。気がつけば、Aさんはママ友会などの集まりに誘われることもなくなっていたのです。
必要以上の詮索はトラブルの元

たとえ他の家庭のことが気になったとしても、子どもを使って情報を集めたり、親がいないときに他人の子どもに根ほり葉ほり質問したりするのは、やりすぎだと感じました。
しかもAさんは、聞いた話をいろいろな人に言いふらす「スピーカー」タイプ。そのせいで嫌な思いをした人も少なくなかったと思います。その結果「信頼できない人」という印象が広がり、最後は孤立してしまったのです。
他人への過度な好奇心は思わぬトラブルを招くもの。園という狭い世界だからこそ、適度な距離感を大切にしたいとあらためて実感しました。
(ファンファン福岡公式ライター/しらたま)


