阿蘇カルデラの南麓に位置する熊本県南阿蘇村。自然と人の共存が体感できるとして「阿蘇ユネスコジオパーク」に認定されています。豊かな土壌、湧水が育む農作物を使ったグルメも豊富です。南阿蘇の恵みが詰まった料理を味わえる3店舗を紹介します。2軒目は田楽やヤマメ料理が堪能できる「山水苑」です。
山々と田畑の絶景、自家製の米と野菜で味わう地産地消

県道28号沿いの店舗前には思わず立ち止まるほどの景色が広がっています。夜峰山、烏帽岳、往生岳のほか、阿蘇五岳も一部見える絶景です。

元々、主に農業を営んでいたという店主の古澤けさみさん。段々畑の一角で野菜の販売をスタートした後、夫で代表の古澤勝康さんが「山水苑」を開店しました。1991年8月の開業から今年で35年。勝康さんが現役で作る米はもちろん、自家製野菜の田楽、ヤマメ料理などを提供しています。ほとんどの食材が地産地消です。

店舗は天井が高く開放的で、梁(はり)の見える木造。家庭的な雰囲気の中、落ち着いてくつろげます。丸いいろりのテーブルは勝康さんと先代がケヤキをくり抜いて手作りした代物です。
いけすから揚げたてのヤマメと食べやすいシカ肉

おすすめはいろりの炭火で焼く田楽。人気は、串7品(ヤマメ、地鶏肉、シカ肉、厚揚げ豆腐、こんにゃく、旬の野菜2品)と白ご飯、だご汁、小鉢、漬け物が付いた「田楽Aコース」(2,200円)。

「炭のにおいがよかでしょう? じっくり楽しんで焼いてください」とけさみさん。火を囲んで田楽を焼いていると、体がぽかぽかとしてきて気持ちも緩んでいくようです。

十分に焼けたら、さんしょう入りの田楽みそを塗ります。いろりの火に近づけたみそが焦げ始めるころの香りは何ともいえません。煙をまとった香ばしさが食欲をそそります。

けさみさんの一推しはヤマメ。店内のいけすから揚げたばかりの鮮度の高さが自慢です。頰張るとパリっとした皮から身がふわっとほどけました。
印象的だったのはシカ肉。刺し身でも食べられるように処理された肉に特有のにおいはほとんど感じられません。あっさりとしてやわらかい食感に驚くばかり。セットで付くだご汁の“だご”は平たく直径4~5cmほどはありそうで、目を見張りました。

コースは100円を追加して、高菜飯か地鶏飯に変更できます。特に高菜飯はファンが多い一品。古澤さんの畑で作られた高菜は絶妙な漬け具合。細かく刻まれご飯になじませ、優しい味わいに仕上げられています。
豊富なメニューと笑顔に迎えられ、おなかも心も満たされる

「ホルモン焼き」(単品900円)も人気のメニュー。最初にピリッとこしょうの風味を感じ、食べ進めると優しい味わいがします。無性にご飯が欲しくなる一皿です。
店舗近くに勝康さんが栽培するソバ畑が広がっています。この畑のソバの実からできた自家製そばを目当てに通う常連さんも多いそうです。定食やうどんなどのメニューも豊富で、お昼時は仕事の休憩中に立ち寄る人、夜は若い家族連れの姿も見られます。
予約制で会合や寄り合いなどに重宝する畳の部屋もあり、30~40人ほどまで利用可能です。

けさみさんをはじめ、スタッフは快活で気さく。自然と笑顔が行き交い、おなかも心も満たされます。気付けばまた来たくなる場所です。
山水苑
住所:熊本県南阿蘇村河陰3717-1
電話:0967-67-2462
営業:11:00~19:00 ※不定。早めに閉店する場合も
※価格は全て税込み表記
大切に育てられた“南阿蘇ブランド”の農作物と、生産者たちの思いは、こちらのサイトで紹介しています。


提供:南阿蘇村環境保全農業推進協議会
