阿蘇カルデラの南麓に位置する熊本県南阿蘇村。自然と人の共存が体感できるとして「阿蘇ユネスコジオパーク」に認定されています。豊かな土壌、湧水が育む農作物を使ったグルメも豊富です。南阿蘇の恵みが詰まった料理を味わえる3店舗を紹介します。まず訪れたのはカフェ「ひみつ基地ゴン」です。
店名やメニュー、器にも。ゴレンジャー愛あふれるこだわり

「ひみつ基地ゴン」は南阿蘇鉄道の中松駅構内にあります。店主は熊本で生まれ、学生時代などを福岡で過ごした髙嶋千恵さん。中松駅の管理業務に応募し、2016年4月に管理人を委託されました。直後の熊本地震で南阿蘇鉄道は一時全線運休になる中、髙嶋さんは「不思議とやめる考えは起こりませんでした」と語ります。17年4月にカフェ「ひみつ基地ゴン」をオープン。

髙嶋さんが戦隊もののファンだったことから、入り口のディスプレーや店内に所狭しと並ぶフィギュア。「私が子どもの頃大人気だった『秘密戦隊ゴレンジャー』のキレンジャーは九州出身でカレー好きという設定。必殺技の名前には『阿蘇山』が使われているんですよ。それにちなんだお店をつくりたくて」と髙嶋さん。店名はゴレンジャーに出てくる「スナックゴン」に由来します。戦隊ヒーローファンの心をくすぐるお店です。

寄付されたおもちゃがずらり。子どもも大人もくつろげる

カフェを始めたもう一つの理由は、子どもの遊び場をつくるため。隣近所同士が離れていて、遊びに行くのもひと苦労する土地柄、子育て世代を助けたい思いもあったといいます。

店内には髙嶋さんの思いに賛同した人から寄付されたおもちゃがずらり。友達同士で集ったり、保護者同士で見守りながら利用したり、髙嶋さんの親しみやすい人柄と相まって多くの人を引きつけています。

カフェメニューのおすすめは阿蘇のイノシシ、シカの肉を使ったジビエカレー。「ゴンのカレー」(1,100円~、ミニドリンク付き)は自家製燻製(くんせい)のイノシシ肉が入っています。子どもも食べられるように辛みはほとんどありません。好みで辛みそを足すこともできます。カレー皿はゴレンジャーが活躍した時代と同じ1970年代の器を使うこだわりも。プラス500円で蕎麦(そば)サラダ、豆腐の燻製、野菜料理、豆乳プリンのセットにできます。

砂糖と寒天でできたお菓子「琥珀(こはく)糖」(300円)も人気です。外はカリッと、中はとろんとした食感。爽やかで癖になる味わいです。ソバの実を使った「そばチョコ」や「ミント」「ゆず」などを展開。南阿蘇の素材が、宝石のような輝きに閉じ込められています。
涌沢津水源の水で入れた「オーガニック湧水コーヒー」(500円)もぜいたく。南阿蘇村には11カ所ほどの水源があり、それぞれ味が異なっているそうです。涌沢津水源はやわらかく、コーヒーや紅茶に相性が良いといわれているんだとか。駅のホームへ出て、雄大な山々の景色を前にのんびりコーヒーを飲むお客さんも多いといいます。
駅の世話役。停車数分間の出会いも大切に

店主の髙嶋さんは中松駅の管理人として駅構内の掃除や草取りなども担当。海外旅行者の道案内も親身になって応じます。列車の見送りも欠かしません。

到着時刻になるとキャラクターのぬいぐるみを両手に抱えて、車両の外から乗客に声をかけ、手を振ります。全身で歓迎の気持ちを表現する髙嶋さんのもとへ、子どもたちがうれしそうに寄ってきます。停車の数分間でも思い出になればと願う髙嶋さんの姿が印象的でした。
南鉄・中松駅で一瞬の出会いが交差します。
ひみつ基地ゴン
住所:熊本県南阿蘇村一関785-3(中松駅構内)
電話:050-7123-0655
営業:金、土、日曜・祝日11:00~16:00 ※冬期不定休
URL:https://www.instagram.com/himitsukichi.gon/
※価格は全て税込み表記
大切に育てられた“南阿蘇ブランド”の農作物と、生産者たちの思いは、こちらのサイトで紹介しています。


提供:南阿蘇村環境保全農業推進協議会
