博多座(福岡市博多区)で約8年ぶりに上演される新作歌舞伎「あらしのよるに」。オオカミとヤギの友情を描いた原作絵本との出合いから中村獅童さんが歌舞伎化し2015年に初演、博多座には18年にお目見えした。再演の今回、オオカミのがぶ役は前回に続き獅童さん、ヤギのめい役を中村壱太郎(かずたろう)さんが務める。2月7日(土)の開幕を前に福岡市内で開かれた取材会で、獅童さんと壱太郎さんが作品への思いや互いについてを熱く語った。
「ライフワークの作品。大好きな博多で再演できてうれしい」(獅童さん)

―初演からがぶを演じる獅童さん。壱太郎さんは2024年9月の京都・南座公演でめい役に。今回の博多座公演が決まった時の思いを。
獅童 前回の博多座公演ではお客さまに盛り上げてもらい、私たちも感動して涙があふれる千秋楽でした。熱いお客さまの多い博多が大好きです。私にとって特別な作品でライフワークでもある「あらしのよるに」を、また博多座でやらせてもらえると決まった時はとてもうれしかったです。
壱太郎 こんなに早く、めいを再演できるとは思っていなかったので、喜びがすごく大きかったです。南座で初演の時は少ない稽古時間の中、千秋楽まで走り続けました。博多座では(24年10月の)スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」に出演した際、いろいろな宣伝活動をさせてもらいました。そのおかげもあって、お客さまが増えて満席になっていった。今回もそんな勢いのある公演にしたいと思います。

―獅童さんの2人の息子さん(陽喜君、夏幹君)も出演されます。
獅童 がぶとめいの幼い頃という、初演時にはなかった場面に登場します。2人とも小さい頃から「あらしのよるに」の映像を見てはまっていて、(24年12月の東京・歌舞伎座公演に)出演を伝えた時、がぶ役の取り合いになるかなと思っていたのですが、陽喜はめい、夏幹はがぶがいいと言ってすんなり決まった。陽喜は女形も立役もできる役者、夏幹は立役志望と、とにかく芝居が大好きな2人です。博多の街も好きなので、博多座公演を楽しみにしています。
壱太郎 陽喜君のめいは断然かわいいいですからね。めいが大人になったら老けたと思われないようにしたいと思います。めいの性別は、実は原作にも書かれていない。僕は女形を演じることが多いのですが、女形の所作や性別を意識せずに、ずっと口をもぐもぐしているとか、足を動かしているとか、ヤギらしさを大事にしたい。そういう意味では、陽喜君から影響を受けるものがあるのではとも期待しています。
「心温まる作品に気持ちをぶつけます。一緒に楽しみましょう」(壱太郎さん)

―「あらしのよるに」を演じている時のお互いの印象を。
獅童 めいを演じる壱太郎君の目がかわいくて、いとおしくて、本当に食べたくなっちゃうぐらいです(笑)。まだ2回目ですが、2人で熱い芝居をお見せしたい。
壱太郎 獅童のお兄さんのがぶは最初は怖いイメージなんですが、優しかったり、ちょっと不器用だったりします。終幕の2人だけの場面の、がぶの顔や目が好きです。

―それぞれの役者としての魅力は。
獅童 (壱太郎さんは)役者の前に、人間として性格がいい。がむしゃらになってくれて、こちらも命懸けでやらなくてはと思わせてくれる。器用そうに見えて実は不器用なところも魅力。新しい芝居に挑戦する時も柔軟性を持って真剣に取り組んでいて、歌舞伎に対する愛が見えてくる。ずっと一緒に芝居をやっていきたいなと思います。
壱太郎 歌舞伎には演じる時の気持ちや所作など代々受け継いでいく型があります。その型を守るのが当たり前だと思っていましたが、獅童のお兄さんが構想して実現させた「オフシアター歌舞伎(19年5月、東京)」に出演させてもらい、いろいろな体験をしました。それからは型で演じるのではなく、芝居することを大事にするようになりました。獅童のお兄さんはそんな発見をさせてくれる人です。

―博多座公演を心待ちにしているファンにメッセージを。
壱太郎 本当に心温まる作品です。僕もめいとして思い切り気持ちをぶつけたいと思います。たくさんのお客さまにお越しいただいて、博多座で一緒に「あらしのよるに」を楽しみたいです。
獅童 3歳から入場できますし、幅広い年代の人に喜んでいただける作品です。ぜひ生の舞台を体感し、帰る時に優しい気持ちになったり、幼い頃を思い出してノスタルジーを感じてもらえたらうれしい。ぜひ劇場にお越しください。

二月花形歌舞伎「あらしのよるに」
日時:2026年2月7日(土)~20日(金) 11:00/16:00
※16:00の上演スケジュールは下記サイトで確認を
※12日(木)休演
※11日(水・祝)昼の部、15日(日)夜の部は貸し切り
場所:博多座(福岡市博多区下川端町2-1)
料金:A席15,500円、特B席12,500円、B席9,000円、C席5,500円 ※税込み
※17日(火)と19日(木)の夜の部は割引料金(各1,500円割引)
※3歳以上入場可。1人につき1枚のチケットが必要
問い合わせ:博多座電話予約センター
電話:092-263-5555
URL https://www.hakataza.co.jp/lineup/123





