身の回りにあるけれど、目には見えない菌、ウイルス、化学物質。もし私たちの健康や生活に害をもたらすかもしれないとしたら?
その「もし」を未然に防ぐ役割を担っているのが福岡市保健環境研究所(保環研)です。保環研では、私たちが安心して暮らせるように、食や暮らしの安全に関わるさまざまな検査を実施しています。

保環研は、食の安全や生活衛生、健康を守るための検査をしています
1)食の安全を守るための検査
福岡市内に流通している食品を売り場等から保健所が抜き取り、保環研が検査しています。
<検査の一例>
・食中毒の原因となる細菌がいないか(細菌検査)
・基準値を超えた農薬が含まれていないか(残留農薬検査)
・日本で認められていない添加物が使われていないか(食品添加物の検査)
・食品表示が正しいか(卵、小麦などアレルギーを起こす食材の検査)

2)生活衛生を守るための検査
福岡市内の公衆浴場やプールの水、衣料品などを保健所が採水または抜き取りをし、保環研が検査しています。
<検査の一例>
・レジオネラ属菌がいないか(水の検査)
・アレルギーの原因となるホルムアルデヒドが赤ちゃん用肌着に含まれていないか(化学物質検査)
3)人の健康を守るための検査
感染症の診断や疫学調査に必要な病原体の検査を実施し、まん延防止に努めています。
<検査の一例>
・感染症の広がりはないか、原因はなにか(病原細菌の検査)
・インフルエンザなど感染症の発生状況はどうか(病原ウイルスの検査)
・食中毒が発生したとき、原因はなにか(食中毒検査)
水の検査に注目! レジオネラ症の発生をこうして防いでいます
保健所が公衆浴場や旅館・ホテル・社会福祉施設の浴場、プールなどの採水を行い、保環研が検査しています。2024年度の検査数は330件。そのうちレジオネラ属菌の検出(陽性)は14件ありました。
陽性の場合は、保健所が対策や維持管理の方法を指導します。

【コラム】レジオネラ症は抵抗力の弱い人が発症しやすいので注意
レジオネラ属菌は土や水の中など身近にいる細菌で、水が停滞しやすい環境で活発に増殖します。感染した人の多くは、菌を含む小さな水滴(エアロゾルやミスト)を吸い込んでおり、風邪や肺炎に似た症状が出ます。抵抗力の弱い乳幼児や高齢者、病人などが発症しやすく、重症化すると命に関わることもあります。人から人への感染はありません。

●問い合わせ
福岡市 保健医療局 保健環境研究所
Email:h-kagaku.PHB@city.fukuoka.lg.jp
提供:福岡市保健医療局
