受験シーズンが本格化。福岡・鳥飼八幡宮の宮司山内圭司さんに、合格祈願の時期や参拝作法、願い事のコツを聞きました。絵馬やお守りの扱い方も詳しく紹介。ラストスパートに向けて、正しい祈り方で合格を引き寄せましょう。
合格祈願は「お日様の光が若い午前中」が吉!

―合格祈願はいつ頃行くのが良いでしょうか? また、時間帯でおすすめはありますか?
合格祈願に適した時期は特に決まりはなく「受験に向けて気持ちを整えたい」と感じた時が良いタイミングです。多くの方は秋から年明けにかけてお参りされますが、早めに参拝することで勉強の最後の頑張りができ、心構えもつくりやすいです。時間帯は“お日様の光が若い午前中”をおすすめします。朝の空気の澄んだ時間は心も整いやすく、落ち着いて参拝できます。
―参拝の作法で、特に気をつけたいポイントは?
参拝で大切なのは、形式よりも「心を落ち着けて向き合う姿勢」です。鳥居をくぐる際に軽く一礼し、手水舎で手と口を清めます。本殿前では、深呼吸して心を整えてから「二礼二拍手一礼」の作法でお参りします。大きな声を出したり慌てたりせず、静かに祈ることが重要です。混雑していても無理に長く祈らず、周囲への配慮も大切な作法の一つです。
―参拝前にやっておくと良いことはありますか?
特別な準備は必要ありませんが、清潔感のある服装が望ましいです。学校の制服がある方は、ズバリ制服です。スーツなどの正装が良いでしょう。
祈願を受ける前に、入浴やシャワーを浴びてさっぱりして来られては。参道を歩く間に深呼吸をして、気持ちを「今」に戻すだけでも参拝が丁寧になります。風邪をひかないように防寒対策はしっかりしてきてください。

願い事は未来を描くのがコツ
―願い事は具体的に伝えるとよいと聞きます。どんな言葉が望ましいですか?
多くの方は「○○校に合格しますように」と願われますが、それ自体は問題ありません。ただ、より望ましいのは「合格した後にどうありたいか」を含めて祈ることです。
たとえば「入学後は部活動を頑張る」「大学進学をめざして努力する」「将来はこういう仕事で社会に貢献したい」といった、自分の姿勢を神様に誓う形です。
“祈り”とは本来「意(い)(思い)を宣(の)る」こと。未来に向けた誓いを添えることで、祈りはより力を持ちます。
―保護者が一緒に参拝する場合、どんな祈り方がおすすめですか?
保護者は、本人の努力が十分発揮されるように「見守る祈り」をすると良いでしょう。「健康に気を付けて試験に臨めますように」「落ち着いて実力を出せますように」といった、環境を整える祈りが適しています。子どもの将来を神様に“預ける”のではなく、応援する気持ちをそっと添えるような祈り方が自然で、親子ともに心が軽くなります。
絵馬の書き方でご利益アップ

―絵馬を書くときのコツや願いが届きやすい書き方を教えてください。
かつて神社には本物の馬を奉納していました。奉納するのも、受けるのも大変なので木の板に馬を描いて奉納するようになりました。
絵馬を書く時は、名前や祈りと誓いを書くのはもちろん、冒頭に奉納という2文字を書いてください。絵馬を奉納した後に限りませんが、ことの成否にかかわらず神様にご報告にお参りすることをおすすめします。
お守りの扱い方とおすすめ授与品
―お守りは複数持っても問題ありませんか? 持ち方や扱い方で気をつけることは?
お守りは複数持っても問題ありません。神社同士が“ぶつかる”ということもありませんので、必要に応じて持つとよいでしょう。扱い方としては、乱雑にせず、清潔な場所にしまうことが大切です。
年に1度を目安に神社に返納して、新しいお守りにしてください。新たな気持ちで目標に取り組めます。また、願い事がかなったときなどは神社に返納しましょう。



―鳥飼八幡宮で受験生におすすめの授与品は?
「学業御守」が全般的に良いと思います。プレッシャーに負けずに合格を勝ち取るためには「勝守」を。受験が大きな目標のステップの一つというように、特別な思いがある場合は「心願成就」のお守りもおすすめです。

―受験シーズンにおすすめの祈願はありますか?
「合格祈願」「心願成就」のご祈願が社務所で申し込み可能です。予約は必要ありません。
―受験生へのメッセージをお願いします。
受験は学力や体力、健康、プレッシャーに打ち勝つ精神力、そして運も必要な総合力を試されます。神様への祈願や神社参拝は最後の一踏ん張りや、モチベーションを持ち続ける助けとなるのではないでしょうか。
受験の合否にかかわらず、みなさまの明るい未来をお祈りいたします。

※画像はすべて鳥飼八幡宮提供
鳥飼八幡宮
住所:福岡市中央区今川2-1-17
電話:092-741-7823
URL:https://hachimansama.jp/
※2025年12月19日号掲載





