ある日、突然学校から「お話があります」と呼び出された私。胸騒ぎを抱えながら向かった先で告げられたのは、わが子がクラスの子の鉛筆を隠し、プリントを破った“いじめ加害者”だという信じがたい内容でした。落ち込む私に、先生が語った真相は…。状況の見極めの大切さを痛感した出来事をご紹介します。
担任の先生から突然の呼び出し

これは、わが子が小学2年生のときのお話です。ある日、担任の先生から「お話があるので学校まで来ていただけませんか?」と呼び出しを受けました。
私が学校にいる間はわが子には学童にいてもらうという段取りの良さに「わが子は一体何をしたのか」と、とても緊張して学校に向かいました。
わが子がいじめ!? Aちゃんママからの苦情
放課後の教室で、担任の先生と向かい合う形で面談が始まりました。そこで聞かされたのは、わが子がAちゃんの鉛筆を隠したり、プリントを破くといった問題行動を起こしているから注意をしてほしいと、Aちゃんママから苦情が入っているという話でした。
Aちゃんとわが子は1年生のときにクラスが同じでしたが、2年生になってからはクラスが違います。今は接点がないはずなのに、どうしてわが子がそんなことをしたのか分かりません。
何よりも、私はわが子には幼いときから「人に優しくね」と育ててきたこともあり、わが子がいじめの加害者側と聞いて最初は本当にショックでした。
冷静な裏取りと思わぬ言葉に涙…
先生から一通り話を聞いた後、気が動転した私はわが子へ事実確認することすら思い浮かばず、すぐにでもAちゃん親子に謝罪に行きたい旨を伝えました。
ところが、先生からは慌てたように「その必要はありません」と意外な言葉が返ってきたのです。
その理由は、Aちゃんは学校で禁止されている匂い付きの鉛筆を持って来て、周りから注意をされた後に慌ててごみ箱に捨てていたこと、プリントがランドセルに上手く入れられないと、廊下で泣きながら本人がビリビリに破いていたことが多くの子どもの証言や目撃情報によって判明していたからです。
さらに、Aちゃんの担任からのAちゃんへの聞き取りでは、Aちゃんは匂い付き鉛筆を自分で捨てたこと、破いたプリントを見せたら親に怒られると思い、誰かに破かれたと嘘を言ったと認めていました。
先生は周囲への聞き取りの中で、1年生のときのわが子の担任から「Aちゃんをわが子がよくフォローしていたこと」を聞いたと教えてくれました。そのフォローは担任も感心するほどで、Aちゃんはわが子がいると安心して学校に通っていたそうです。
確かに1年時の担任からは「友達思いのお子さんです」とは言われましたが…。この日まで、わが子が学校でそこまで頑張っていたことを私は何も知らず、不覚にも先生の前で泣いてしまいました。
Aちゃん親子の行く末

先生とのお話の中で一番びっくりしたのは、鉛筆やプリントの件はAちゃんがわが子のせいにしたのではなく、Aちゃんママがわが子がやったと学校に言っていたことでした。
わが子がAちゃんをいじめている事実はなかったと学校から伝えられると、Aちゃんママは「納得いかない!こっちが嘘を言っているとでも!?」と憤慨していたそうです。
その後、旦那さんの仕事の都合で一家で遠方へ引っ越ししていき、今現在AちゃんやAちゃんママがどうしているかはわかりません。
Aちゃんママがわが子を加害者にしたかった理由は不明ですが、私はこの経験から、トラブルが起こったときは感情に流されず、冷静に状況を把握して事実にたどり着くことが大事だと学びました。
(ファンファン福岡公式ライター/tsukimi)





