「山口油屋福太郎」10の謎を解く!〜ファンファン調査隊 地元企業大解剖 第13弾〜

総合食品メーカーの「山口油屋福太郎(福太郎)」。福岡土産の定番「めんべい」や明太子(めんたいこ)のイメージが強いですが、実はこれらの製造は数ある顔の一つ。創業から現在まで、さまざまな取り組みを続ける福太郎の意外と知らない謎に迫ります。

目次

【ナゾ1】「めんべい」は何種類あるの?

提供:山口油屋福太郎

2001年に登場した「めんべい」。味と日持ちの良さからメディアに取り上げられるようになり、10年後には有名土産仲間入り。ご当地限定や「プレミアムめんべい」などのブランドが続々とできて、常時販売しているのは60種類ほど。コラボ商品や限定品などを含めると累計150種類にも上ります。

資さんうどんとコラボした「資さんめんべい 肉ごぼ天うどん味」や、料理を作るところから始めた「クラムチャウダー」など、これまでに多彩なフレーバーを開発。開発には数カ月~1年以上かかるものも。

【ナゾ2】会社名の「油屋」って何?

提供:山口油屋福太郎

「山口“油屋”福太郎」という名前が示すように、ルーツ油屋。1909(明治42)年に初代山口源一氏が、福岡市新瓦町(現在の博多区祇園町)で食用油の製造販売を始めたことから歴史がスタート。当時は菜種油を精製した「水晶油」が中心で、地域住民に支えられながら事業を拡大していきました。

【ナゾ3】北海道に「めんべい」と似たお菓子がある?

提供:山口油屋福太郎

めんべいは「め」の文字がパッケージに大きくデザインされていますが、北海道には「ほ」の文字が目立つパッケージのお菓子があるそう。これは福太郎が北海道小清水町で製造している「ほがじゃ」。ジャガイモのでんぷんをベースに、北海道の素材が練り込まれたせんべいです。

北海道を中心に販売しており、「ほたて」「ザンギ味」など北海道ならではのフレーバーがあります。

【ナゾ4】めんたいフランスが人気なんだよね!

提供:山口油屋福太郎

ご飯に合う明太子を追究してきた福太郎の味を、今度は「パンと最高の相性を」と開発力をつぎ込んで生まれた「めんたいフランス」。研究を重ねた結果、専門店を出すほどの人気に。パンの端から端まで、明太子のうまみあふれる濃厚なフィリングがたっぷり詰まっているのが特徴です。

パンの食感にもこだわっており、中はふんわり、外は硬すぎない誰でも食べやすいソフト系。「福太郎 岩田屋店」「FUKUTARO 食卓が、楽しくなる。(ららぽーと福岡)」では、店内で焼いた焼きたてのめんたいフランスを購入できます。

【ナゾ5】エミューを飼っていると聞いたけど…

提供:山口油屋福太郎

日本食品(福岡県古賀市)と共同出資し、熊本県菊池市に「熊本県菊池エミュー観光牧場」を設立しました。時期によってはひなとの写真撮影などのイベントも。工場で廃棄するめんべいを餌に活用し、現在は数百羽を飼育。エミューのオイルは今後化粧品などに、肉は加工食品に利用されるそう。

【ナゾ6】どうしてバスケチームがあるの?

提供:山口油屋福太郎

福太郎には社員を中心に構成するバスケチーム「福太郎めんべい」が存在します。
山口毅代表取締役会長が元々バスケットボールをしており、「仕事とスポーツを両立できる社員」を採用するためにチームをつくったそう。チームに所属している社員は、通常業務の後練習に励んでいます。

部の寮や社屋内に体育館があり、選手を支援。全日本クラブバスケットボール選手権大会を制し日本一になった実績も。30年弱続く歴史あるチームです。

【ナゾ7】飲食総合ビルや温浴施設の運営にも関わっているって本当?

天神テルラ

天神の中心部にある中華、カフェ、レストランなどの店舗が入る飲食総合ビル「天神テルラ」。実は福太郎が運営を手掛けています。

また、地下1,500mから湧き出る天然温泉やリニューアルしたサウナ、自然食ビュッフェが人気の「筑紫野 天拝の郷」(福岡県筑紫野市)は福太郎のグループ会社です。

【ナゾ8】明太子のこだわりを教えて!

提供:山口油屋福太郎

1972年に始まった明太子製造。珍味として扱われていた明太子を、マイルドでご飯に合うものにしようと二度漬け製法を取り入れたのが現在の味のきっかけになりました。

北海道産(道南・道央産)にこだわり、より良い素材を厳選。特徴は漬け込み時間の長さで、中には240時間調味液に漬け込む商品もあります。

魚卵によって数種の調味液を作り、ゆっくりと二度漬けすることで深いコクうまみを生み出しています。

【ナゾ9】学校みたいな工場があるよね?

提供:山口油屋福太郎

福岡県田川郡添田町の英彦山工場で製造していた「めんべい」。売り上げが年々伸びてきたことで、増産体制を強化するため、同じ町内の廃校となった旧田川商業高校を活用し、「添田町めんべい工場」を建設しました。

このほか、ほがじゃを製造している北海道斜里郡小清水町の小清水北陽工場も旧北陽小学校を活用しています。

廃校を活用する理由の一つは、地域の方々の思い出を残したいという思いから。工場によっては卒業制作が残っていたり、めんべいを保管するのに体育館だったスペースを使うなど、学校だった面影が色濃く残るつくりになっています。一から工場を建てるよりも工事の手間がかからないというメリットも。

【ナゾ10】卸売事業もやっているの?

提供:山口油屋福太郎

油屋として創業した福太郎。お客さんからの「この商品を取り扱っていないか」という要望に応えて取り扱い食品を増やしていくうちに、業務用食材卸事業が拡大していきました。

明太子やめんべいの人気が高まった現在でも、売り上げの6割を卸売事業が占めています。

取り扱う食材は食用油や調味料、冷凍食品など、1万5,000品目以上
福岡市内を中心に多くの飲食店と取引があります。よく行くあのお店でも、福太郎が卸した食材が使われているかも?

広報・平尾リサさんより

「何でもやってみよう」の精神で、いろいろな事業を行っています。これからもこだわりを持って商品を作っていくので、街中で見かけたらぜひ食べてみてください! 来年25周年を迎える「めんべい」にもご注目を♪

山口油屋福太郎

住所:福岡市南区五十川1-1-1
URL:https://www.fukutaro.co.jp/
※2025年11月7日号掲載



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