「絶対に逃すな!」レストランでのアルバイト中に食い逃げ集団と出くわした話

これは大学4年生の夏休みに起こった出来事。深夜、海沿いのファミレスでアルバイト中に不審な行動をする大学生5人組。彼らの人数が徐々に少なくなり…これは食い逃げなのでは?と思い同僚と協力して、食い逃げを阻止しようとしたお話です。無事に食い逃げを阻止することができたのか…。

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深夜のファミレス

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私が夏休みの深夜にファミレスのホールでバイトをしていた時のことでした。
「いらっしゃいませ〜」ラストオーダーまであと30分、早く終わらせたい気持ちを抑えお客さんを迎えます。深夜のファミレスは普段は静かなものですが、夏休みは学生や家族連れでとても賑わっています。海沿いの店だったこともあり店にとっては稼ぎどき、バイトにとってはめんどくさい時期です。

そこに大学生らしき男子5人組が来店しました。
「こちらの席にどうぞ〜」席へ案内し、キッチンに来店を知らせに行きました。

次々にご飯を注文

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当時は卓上のタブレットはなく、ハンディ機で店員が注文を受けます。
「ハンバーグ定食、スパゲッティ、ラーメン、サラダ、ドリンクバーにデザート」さすが食べ盛りだなと思いながら注文を受けました。

ラストオーダーが終わり、あとはお客さんが帰るのを待つのみ。一緒にホールをしていた同い年のA子と世間話をしていた時「ぴろんぴろんぴろん」と店の入退店音が鳴りました。

学生達の怪しい動き

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入り口を覗くと、誰もいない。客席にはカップル1組、サラリーマン1人、5人組の大学生。あと3組、全員いるか見に行くと例の大学生5人組が4人になっているのです。トイレかもと様子を見ますが、人数は変わらず。

しばらくするとまた入り口の音が鳴り、大学生グループは3人へと減っています。普段は誰か先に帰ったんだなとあまり気に留めませんが、今日は何か胸騒ぎがします。

「A子ちゃん、あそこの学生ちょっと怪しくない?」とA子に声をかけると
「やっぱり?私も思ってた!」と返事が。役割を分担し私が監視役、A子が電話のそばにいて既に帰宅した店長や警察に連絡ができるよう待機をします。

他のお客さんのお会計をしている時に、2人が店の外に出るのを見届けました。残りは1人。「夏の深夜は食い逃げが多い」私たちの店の教訓です。海沿いの店の夏は食い逃げ、客同士の喧嘩、酔っ払いと治安が悪いのです。心で教訓をなぞり、気を引き締めてこっそり監視を続けます。

「ガタッ」その時、最後の1人の大学生が席を立ちキョロキョロし始めました。私は影からその姿を確認し、獲物をおびき寄せるように無人を装いました。「さあ、こい!」

逃がしてたまるか!

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少年はそそくさと入り口の方へ向かい、扉をカタッと開けました。
「あの、お会計まだですよ!」と、すかさず声をかけます。

「ああ、そうですよね、お会計…」
「お支払いお願いして良いですか?」
「えっとあの、お財布持ってなくて…友達が持ってて、今いなくて…」と大学生はしどろもどろで明らかに焦った様子。
「ご友人に連絡とっていただいて良いですか?」と言うと渋々携帯で電話をかけ始めますが、相手は全く出ません。

「親御さんに電話してお金持ってきてもらうことはできますか?」
「それはちょっと…無理っすね…あーもう!アイツら逃げやがってクソ…」ここで仲間は逃げたこと、払える金額を持っていないことを確認し、A子に警察に通報するよう伝えました。

間も無くして警察官が現れ、その間に戻ってこない1人を心配して仲間全員が戻ってきました。戻ってきた仲間はバツが悪そうに、警察官の問いに食い逃げをしようとしたことを認めました。私たちも警察から話を聞かれ、5人が仲良くパトカーに乗って行くのを見届け無事閉店となりました。

後日私とA子は店長に食い逃げを阻止したことを褒められ、ソフトクリームをご馳走になりました。

(ファンファン福岡公式ライター/「もずく」)

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