子どもがいじめられると、親として何かできることはないかと思うもの。うちの小学5年生の息子が、クラスの子に意地悪されはじめた時の話です。学校に連絡することが増えた私は、まるでモンスターペアレントみたいだと自己嫌悪に…。そんな時に担任の先生からある言葉をかけられ、私は涙したのです。
意地悪されたと悲しむ息子

ある日の午後、学校から帰った息子は暗い表情をしていました。いつもなら「おやつ!」と威勢よくキッチンへ飛んでくるのに、その日は明らかに元気がありません。息子に聞いてみると、2人の同級生から「学校で靴の並べ方が悪い」と文句を言われたそうです。下駄箱で見張っては「きれいに並べろ!」と毎日言われるのだとか。
「うちの子に意地悪するなんて!」と怒りもこみ上げましたが、息子からの一方的な話だけでは良くわかりません。実際どうなっているのか知りたかった私は、息子を受け持つ担任の先生に電話で相談しました。
話を聞くと、学校では“靴並べ月間”として、きれいに靴を並べているか、学年で競っているとのこと。いつも大ざっぱにしか並べることができない息子は、過剰に注意されるようになったようなのです。
すぐに学校に電話する私。まるでモンスターペアレント?

息子は“きれいに並べる”という漠然とした解釈が苦手なので、「上履きを置く位置がわかる印を付けてはどうか」と担任の先生に提案。それからは靴並べの口出しはなくなり、無事に解決しました。
しかし、その後も「グループ学習で意地悪された」「給食の分け方が少ないと言われた」など、息子からは意地悪の報告は絶えず…。私は、その都度学校へ電話するようになりました。
何度も学校へ電話する私に、「その情報、助かります!」「いつも連絡ありがとうございます!」と、私の連絡を前向きにとらえてくれる担任の先生。ありがたいなと思いつつ、「子ども同士のことにいちいち首を突っ込んで、まるでモンスターペアレントみたい…」と、自己嫌悪に陥るようになりました。
担任の先生が教えてくれた“親として一番大切なこと”

度重なる意地悪に、息子が「学校に行きたくない」と言い出す日もありました。なんとかトラブルを解決して楽しく学校に行ってほしい。でも、解決するために頻繁に学校と連絡を取る自分自身が嫌でなりません。
そんな思いを抱えながら、二者面談のため学校に出向いたときのこと。学校での様子や、進学を見据えた話を一通り終え、いよいよ本題である人間関係のトラブルについて話し合う流れになりました。私は「息子をひいき目で見ないで、現場の状況に合った公平な目で判断してほしい」と、自分の子育てに対する考え方を担任の先生に伝えました。
面談も佳境に入り、「あぁ、また色々言いすぎてしまった…」と心の中でひとり反省会をする私。きっと、担任の先生からはモンスターペアレントだと思われているに違いないと考えていたその時でした。
「お母さんは、○○君を全面的に信じてあげてください」思ってもみなかった担任の先生からの発言に、私は驚きました。辛いことがあっても「お母さんは僕の味方だ」という確信があれば、息子の心の支えになる。その一言に胸が熱くなり、私は涙がこぼれそうになるのを必死でこらえていました。
私の子育てスタンスは、けんか両成敗。しかし、「あなたの最強の味方だよ」という私の姿勢が安心感を与えるなら、どこまでも子どもを信じてみようと思った出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/kotone)


