「大きくなったら何になりたい?」と聞いてもらうのがブームの3歳の息子。「パトカーに乗りたい」「サッカー選手になりたい」とコロコロ変わる夢を聞くたびに、その姿を想像していました。ところがある日、新たな夢が。その名も「スパイラーメン」。息子は一体何になりたいのでしょうか…。
「大きくなったら何になりたい?」と聞いてほしい息子
3歳の息子は、七夕を境にして将来の夢を語るようになりました。保育園で「大きくなったら何になりたいか」を聞かれて短冊に書いてから、それが楽しくなったようです。ことあるごとに周りにいる大人に
「大きくなったら何になりたい?って聞いて!」とせがむようになりました。
コロコロと変わる将来の夢

最初に聞いた時は「パパになりたい」と言い、夫はその答えを嬉しそうに聞いていました。次に聞いた時は「パトカーに乗る人」と答えて敬礼のポーズをとっていました。保育園のお友だちに教えてもらったようです。
その後も、将来の夢を聞くたびに「サッカー選手」「ドラえもん」「ピカチュウになりたい」 と日替わりで夢が変わっていきます。思わず笑ってしまうような将来の夢を聞くたびに、その姿を想像しながら無限の可能性を秘めた子どもの未来を楽しみに思いました。
初めて聞く職業に戸惑う

そんなある日、保育園から帰ってきた息子の将来の夢がまた変わりました。
「大きくなったらスパイラーメンになりたい」とのこと。
ス…スパイラーメン?何度か聞き返してもハッキリとした声で
「ス・パ・イ・ラーメン!」
と言います。夫と顔を見合わせて首をひねりました。
心の中で「スパイラーメンって知ってる?」と目で合図するも、夫も首を横に振ります。スパイが活躍するアニメがあっただろうか?親世代も知らない新しい職業なのか?それともラーメンを作る人という意味?結局その日は答えが分からないままでした。
翌日には「お友だちもスパイラーメンになりたいって言ってた!」というので、きっと保育園ではある程度有名な存在なのでしょう。子どもたちの憧れの存在である「スパイラーメン」の謎は深まるばかりです。
そして分かった「スパイラーメン」の正体

「スパイラーメン」が何か分からないまま保育園へと登園した朝。お友だちと顔を合わせた息子は「スパイラーメンごっこしよう!」と誘いながら中に入っていきます。謎のスパイの正体が分かるかもしれないとしばらく様子を見ていたのですが、その場でジャンプしたり「スパイラーメン!」と叫んでいるだけで、結局何かは分かりません。気になって仕方がないまま、保育園を後にしました。
そして帰りのお迎えの時。息子がニコニコしながら私に駆けよってきました。
「ママ!今日お友だちのお洋服スパイラーメンだよ!」
そう言いながら息子が指さしたその先にいたのは、なんと『スパイダーマン』です。お友だちの洋服の真ん中で、大きく手を広げた真っ赤なヒーローがかっこよく描かれています。
「スパイダーマンね…!」ずっと悩んでいたことがすっきりと解決したような、モヤモヤが晴れたような気持ちでいっぱいになります。ごっこ遊びでジャンプしていた謎も解けました。
今だけのかわいい瞬間
わが家では洋画をまだ見せたことがなかったので、スパイダーマンの可能性を疑いませんでした。子どものなりたい将来の夢は親の知っているアニメや絵本の中にしかないというのは思い違いで、保育園やお友だちからたくさんのことを吸収しているのだと感じました。
それにしても将来の夢がスパイダーマンで、それをスパイラーメンと言い間違うなんて、なんて面白くてかわいい瞬間なんでしょう。これから大きくなっていくにつれて、どんどん言い間違いが減り、もっと現実的な夢になっていくと思うと、この瞬間をより愛しく感じました。
(ファンファン福岡公式ライター/本田 すのう)


