【106サウスインディアン福岡天神】ビリヤニの食べ方に悩むも自由に混ぜ合わせて広がった宇宙

 ある猛暑日。長い距離を徒歩で移動していたら、汗が止まらずびしょびしょに。お昼時だったので、どこか店に入ってランチしつつ涼もうと散策していると「106サウスインディアン 福岡天神店」の前で足が止まった。この暑い中にあえてカレーもまたよきかもなとお店に入った。

撮影:ヤマナカリョウ
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南インド料理の名店「106サウスインディアン」のランチタイム

 「106サウスインディアン福岡天神店」。天神・今泉エリアにありながら、本格的な南インド料理を満喫できる名店である。私も勤務している会社から近いので、主にランチタイムにちょくちょくと伺っている。

 こちらがランチセットのメニュー。

撮影:ヤマナカリョウ

 A、B、Cと値段に準じて、内容が変わる。私は基本的に、メインのカレーが選べて、サラダ、付け合わせの野菜炒め、パパド(パリッとした薄型のクラッカー)、シェフの気まぐれ逸品、ハーフナン&ハーフライス(もしくはどちらかの通常サイズ)、それにソフトドリンクを選べるAランチを頼むことが多い。

 カレーは以下の中から選べるが、私は9割がた「カシミールカレー」を頼む。

撮影:ヤマナカリョウ

 これが体の芯にくる辛さというか、スパイシーが五臓六腑に染みわたるような、やみつきになる美味しさなのだ。

撮影:ヤマナカリョウ

 ただ特徴として、いつもセットにはナンをつけるのだが、このナンが写真の通り結構デカい。これはライスを頼んでも同様で、大盛に近いものが出てくる。いつもはしっかりたいらげるのだが、この日は正直そこまでおなかが減っているわけではなかった。完食できないのも嫌だし、たまには頼んだこともないものを選ぼうかしらと、メニューをめくる。

 「あ、この店でビリヤニ食べたことないな・・・」 

ビリヤニ(インド風ピラフ:税込 1,950円)をオーダー

 ランチで2,000円近くはまぁまぁ勇気がいるが、今週、夜あんまり飲みに行っていないからいいか、と酒飲みのだらしない理由で自分を納得させる。

撮影:ヤマナカリョウ

 厨房では、本場インドのシェフたちがにぎやかに調理をしていらっしゃる。その様子をぼんやり眺めていたら、早々にやってきました。

撮影:ヤマナカリョウ

 こちらが106サウスインディアンのビリヤニ。ビリヤニに、サラダ、バターチキンカレー、あとライタというヨーグルトのサラダがついている。

 出てきた瞬間、スパイスとサフランの香りが、ふわっと漂ってくる。ああ、いい感じだ。南インドの風を感じる。早速いただきます!と、食べようとした瞬間、疑問が生じる。

あれ、ビリヤニって、どう食べるんだっけ?

 ビリヤニは食べたことはあるのだが、どうやって食べるのが正攻法だったろうか。カレーはどこかのタイミングでかけるとして、このライタはそのままいくのか、ビリヤニにかけるのか・・・。ミールスは、あれもこれも混ぜて食べるし、インドだし、ぐちゃぐちゃに混ぜて食べたいが、果たして・・・。

撮影:ヤマナカリョウ

 店員さんが近くを通ったので聞こうかとも思ったが、トゥー・シャイ・シャイな中年男性なのでモジモジして聞けず、こっそりスマホで「ビリヤニ 食べ方」と検索し、AI検索で出てきた内容を見ると

「ビリヤニには味がついているので、炊き込みごはんのようにそのまま食べる。お店や地域によっては、カレーをかけて食べることも。また、酸味のあるライタがすぱいすの辛さをマイルドにしてくれるので、途中で味辺を兼ねてライタをかけてもよし」

 といったことが書いてあった。

 結局「好きに食え」という風に捉えた。エネルギッシュで良い意味で混沌としたインドという国で生まれた料理を、ちまちま考えながら食べようとする自分が間違っていた。感じるままに食べよう!

自由に堪能、混ぜ合わせて広がる宇宙

 まずはビリヤニをそのまま食べてみる。

撮影:ヤマナカリョウ

 どでかい手羽元も入っており、いっしょにかぶりつく。スパイシーな風味が口に広がる。パラパラとしたパスマティライスの食感もよい。なるほど、これだけでも全然いけるが、もっとパンチをきかせたい。

 続いて、ビリヤニの上半分にライタを投入。

撮影:ヤマナカリョウ

 酸味と、ライタに入っている野菜の食感が、ビリヤニとフュージョン。スパイシーながらもさわやかな味。やっぱ、躊躇せずにどんどんぶちこんでいくべきだな。

 下半分に、バターチキンカレーもかけ、まぜて食す。

撮影:ヤマナカリョウ
撮影:ヤマナカリョウ

 これはね、もう、おいしくないはずがないよ。最高だよ。このあたりから、だいぶキマってきて、とりつかれたように黙々とかけてまぜて食べ続ける。

 食べ進めていると、ビリヤニの下の方にもう一つ、でかめのチキンを発見。よし、もう全部ぐちゃぐちゃに混ぜて食っちまおう。スプーンとフォークで、チキンをうまくほぐせなかったので、もういいや!と素手できれいにほぐす。そしてライタ部分もカレー部分もぐちゃぐちゃに混ぜて、いただきます!

撮影:ヤマナカリョウ

 うおー!一番うめー!化学反応が半端ない。自分の意識が遠くインドの地に飛んでいく。ガンジス川の流れを感じる。いや、南インド料理だからガンジス川通ってないのか。そして意識は宇宙へ。

撮影:ヤマナカリョウ


 しかしミールスもそうだけれども、インド料理って、こうやって混ぜ合わせることでたどり着く美味しさが素晴らしい。そもそもカレーだって、色々と個性が強いスパイスを混ぜ合わせて作られるわけで、この組み合わせの妙というか、一種の混沌から生まれる味が、最高だ。すっかり満足して完食。

撮影:ヤマナカリョウ

 食後にアイスチャイを飲みながら、ふと自分の手を見ると、チキンを素手でほぐしたときにカレーがべっとりついていた。スパイシーな香りがする。そういえば、このあと昼いちに商談を入れていた。しっかり洗いはしたが、もう小さなことは気にするまい。スパイスの香りがしっかり残る手で、商談相手に企画書を渡した。

106 サウスインディアン 福岡天神店

住所:福岡市中央区今泉1-17-14 IMAIZUMI二十四節季ビル 1F
電話:092-791-1065
営業:11:00 – 15:00(L.O. 14:30)
   17:00 – 22:00(L.O. 21:30)
URL:https://www.instagram.com/106southindian/


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※この記事内容は公開日時点での情報です。

プロフィール

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ヤマナカ リョウ

惑える40代。飲み歩き・食べ歩きをこよなく愛し「酒ダルマ」と呼ばれるも、40代にして守りに入りやや健康志向。基本ミーハー、浅く広くカルチャー全般に興味。

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